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更新日:2022年10月31日
食品ロスの削減は、地球温暖化防止にもつながります。
食品ロスとは、売れ残りや食べ残し等、本来、食べられるのに捨てられてしまう食品のことです。
世界では、年間約13億トンもの食料が捨てられています。
これは、人が消費するために生産された食料の約1/3にあたります。
地球上には、約8億人もの飢餓に苦しむ人々がおり、食糧援助をしている一方で、私たちはそれ以上の量の膨大な食料を捨てているのです。
食品ロスの問題は、ただ「もったいない」ということだけにとどまりません。
食料を生産して、消費者のもとに届くまでには多くの資源やエネルギーを使います。
日本の食料自給率は、約40%。大半を輸入に頼っているのが実情です。
海外から長距離にわたり大量の食料を輸送するということは、輸送過程で、地球温暖化の要因である多くの温室効果ガスを排出します。
また、大量の廃棄食料を処分するためにも多くのエネルギーを使うことになります。
世界の研究者により地球温暖化の研究等を行っている国際機関である「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」によると、食品を捨てることにより発生する温室効果ガスは、人間活動により発生する温室効果ガスの排出量の8%~10%であるとされています。
捨てられてしまう食品を生産するために多くの資源やエネルギーがムダに費やされ、地球温暖化を一層進めることにもつながるのです。
さらに、食品を捨てれば原材料費のムダが出ますし、廃棄の費用も必要です。これらのコストは、最終的には価格に上乗せされ、消費者の負担になります。
ある調査によると、家庭の食品ロスによりムダになっている金額は、1世帯あたり年間6万円以上とのことです。
食品ロスを減らすことは、温室効果ガスの排出を減らし、事業者や消費者のムダな支出を減らすことにもつながり、地球にも家計にも優しい結果となるのです。
日本では、年間約612万トンの食品ロスが発生しており(2017年度)、この量は、国連世界食糧計画(WFP)による食糧援助量の1.6倍にあたります。
1人あたりで見ると、1日あたり132g、年間48kg、毎日お茶碗1杯分のごはんを捨てているのと同じことになります。
食品ロスの約45%は家庭から出されています。その量は、年間284万トンで、発生原因は次のとおりです。
第1位 食べ残し
第2位 直接廃棄(未開封のまま捨てられたものや調理することなく捨てられた食材)
第3位 過剰除去(野菜の皮を厚くむきすぎる等)
(グラフ:令和元年度 食品廃棄物等の発生抑制及び再生利用の促進の取組に係る実態調査 図表42家庭から排出される食品ロスの発生量の推計結果と推移(平成26~29年度) 抜粋)
日本の食品ロスの状況を鎌倉市に置き換えた場合、鎌倉市の家庭から出る食品ロスの量は年間で約3,900トン、事業者から出る食品ロスの量は年間約2,800トン、合計で約6,700トンと推計できます。
鎌倉市の燃やすごみを処理するための経費は、ごみ1トンあたり約3万5千円。6,700トンを処理するためには、年間で約2億3500万円かかることになります。
鎌倉市では、家庭系燃やすごみの中身のサンプル調査をしています。その中で、未開封の食品が2%程度(年間推計約400トン)含まれていることがわかっています。
(組成調査写真(一部加工))
国連では、持続可能な開発目標(SDGs)で、2030年までに食料の廃棄を半減することを目標にしています。
食品ロスは、製造・加工段階で出るものや、レストランでの食べ残し、各家庭から出る食べ残しや未開封のまま捨てられてしまった食品、使い切れなかった野菜等があります。
その中で、各家庭から出る食品ロスを2000年度の半分にするには、1人1日15gの削減が必要です。
この量は、ミニトマト1個、ごはん大さじ1杯、ウインナー1本ほどです。
1人1人が毎日少しずつ続けることで、大きな効果を生み出すのです。
もし、1人1日15gの食品ロスを減らせば、鎌倉市全体で年間約1,000トンのごみの削減につながります。
冷蔵庫等の在庫をチェックし、必要なものをメモして買い物に行くことで、買い過ぎを防ぐことができます。また、少量パックやばら売りを利用し、なるべく必要な量だけ買いましょう。
冷蔵庫での保存時に、小分けにしたり、棚の中央を空けてコの字型に収納する等工夫をすることで、食べ忘れ・使い忘れを防ぐことができます。
また、備蓄用食品は、普段の食事で少しずつ消費して、使った分を買い足し、備蓄を一定量に保つ「ローリングストック」で、期限切れを防ぎましょう。
食材は、なるべく食べられる部分を取り除かないよう注意し、過剰除去を減らしましょう。
レシピのサイトや食品メーカーのホームページなどを参考にして、野菜の葉や茎の部分も捨てずにおいしく食べましょう。
家庭で余っている食品をイベントなどで持ち寄り、それらをまとめて地域の福祉団体や施設、フードバンクなどに提供する活動である「フードドライブ」などで寄付できます。鎌倉市でも、年に数回実施していますので、実施期間中にはご活用ください。
(フードドライブで寄せられた食品)
適量を注文するように心がけましょう。食べられないものをお店に伝えることも、食べ残しを減らす第一歩です。
残してしまった場合でも、品質上傷みにくい料理は、持ち帰りに対応している場合があるので、お店に確認してみましょう。
お店で食べ残しを減らすことは、残飯の片づけの手間や、ごみ処理経費の削減につながります。
「捨てる食材や、食べ残しが多いな」と思われたときには、ぜひ、お店で少量メニューの導入や量が調整できることを表示、持ち帰りの要望に対応するなどの工夫をお願いします。
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