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更新日:2013年8月1日

笹野邸

 第20号/平成13年1月1日指定

笹野邸

緑に囲まれた閑静な住宅地に建つ規模の大きな和風住宅です。

下見板張りの外壁、緑しょうの吹いた銅板葺きの屋根、背の高い外観は近代の邸宅として大変存在感があります。

また、広い敷地には多くの樹木が茂り、建物とともに魅力的な空間を創り出しています。

 

所在地:佐助

 

構造規模:

  • 木造2階建、和小屋組
  • 延べ床面積/395.92平方メートル
  • 屋根/桟瓦葺き及び銅板葺寄棟
  • 外壁/下見板張り、一部タイル張り

 ※公開はしていません。

建物の沿革

笹野邸は、建築年代については確かな記録はないが、昭和3年2月に東京中央測量社が実測した「実地測量図」には現在の建物の形状が記されており、建物はこのときすでに完成していたことが確認できる。

昭和26年に現所有者の父にあたる笹野幸二氏が取得し、このとき北側の台所が土間から現在の形に改修が行われた。昭和40年頃には二世帯住宅とするため南側の和室まわりの改修、北側の増築が行われ、昭和60年頃、南西部に洋間を増築し、現在に至っている。

建築敷地は、数回にわたり分筆が行われているが、現在も2,500平方メートル程度あり、創建当時の庭園が数多くの樹木とともに残されている。

建物の特徴

笹野邸の平面形式は中廊下型で、南側に居間・内玄関・納戸・中庭を置き、北側に台所・女中部屋・浴室を設け、その突き当たりには、奥座敷と応接室が配置されている。

建物の外観は、東側玄関とその脇に設けられた洋間を除けば、板張りの外壁に瓦及び銅板葺きの屋根とほぼ純粋な和風である。

玄関は、腰壁にひっかきタイルを張って蛇腹天井を廻した洋風の造りとなっている。洋間は下見板張りの外観で、引違い硝子戸の外側に鎧戸を付け、天井は太い 棹縁をみせ、南面にはサンルームを設けている。建物の東側、住居部分は改修により大部変更を受けているが、西側の奥座敷と応接間、2階に設けられた居室は 創建当時の姿をよくとどめている。奥座敷は床の間、菱組の書院窓を付けた脇床、書院障子で構成されている。欄間も筬欄間を使っており、書院座敷の趣きを備 えている。

応接間は室内の様子から、書斎を兼ねた接客用にしようされたものと考えられる。ドアを開けると左手に絵画を掲げた飾り戸棚とマントルピースがあり、太い棹縁天井で室内を飾っている。 2階の座敷は菱組欄間を用い、床の間に網代の鏡板を張るなど、数寄屋座敷の趣きを備えている。

敷地や建物の規模もさることながら施工の質、細部にまでわたるデザインは大変上等なものということができる。また、平面計画に対して建ちの高いファサー ド、広い床の間など、スケール感に特異なバランスがあるところも大変興味深い。敷地の周囲には土手と用水路が廻り、洋芝庭園の池水には用水が取り込まれる ように設計されている。

洋風庭園と和風住宅の妙を備えており、昭和期の近代和風邸宅の面影を伝える貴重な遺構ということができる。

蛇腹天井(じゃばらてんじょう)

蛇腹状に湾曲している天井。黄檗(おうばく)宗系統の仏堂の吹放ちの軒裏によく見られる。

書院窓(しょいんまど)

書院造りの主室その他の室で脇床に設けた窓。

筬欄間(おさらんま)

正式の座敷に用いられる欄間で、組子を縦繁に並べたもの。横子を入れるものと入れないものがあり、仕上げには木地のままと漆塗りとがある。

菱組欄間(ひしぐみらんま)

格子や組子に菱意匠を用いた欄間。菱意匠は菱形をいろいろな方法で図案化したもので入花菱、唐花菱、花菱等がある。

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