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更新日:2021年10月15日

鎌倉市交通マスタープラン

策定の目的

市では、平成9年9月に総合的な交通政策の基本方針を「鎌倉市交通マスタープラン(案)」にまとめ、懇談会等の機会を通じて市民の皆様からご意見を伺いながら、平成10年3月に「鎌倉市交通マスタープラン」を策定しました。

現在、本市が有する交通施設の計画を具体的にするものとしては、都市計画道路網があります。鉄軌道の計画に関しては、道路計画と同じ水準で明示することができるような新たな計画はありませんが、鉄道の輸送力の増強、あるいは新たな路線導入などの必要性や可能性については、今後更に検討を進めて行くことが必要となるものです。

そこで、本マスタープランは、2010年を展望して、本市の将来の都市像にあわせた望ましい交通体系の目標像を示すとともに、鉄軌道系やバスなどの公共交通機関の機能強化、駅への連絡や公共交通機関の走行空間としても機能する道路空間の確保、強化すべき幹線道路網、交通需要管理などについて、その整備推進のための基本方針を示すことを目的としたものです。

都市構造から見た交通計画

1:土地利用の基本方針と将来都市構造

第3次鎌倉市総合計画に示されている土地利用の基本方針は、以下のとおりです。

(1)本市の最大の特徴である歴史的遺産とそれを取り巻く豊かな自然環境を保全し、公共の福祉を優先させ、地域地区の特性を活かした生活環境と都市環境を確保するため、総合的かつ計画的な土地利用を図ります。

(2)古都らしさを継承し、快適な都市生活機能を高めていく地域や、鎌倉の新たな魅力を創造していく地域など、それぞれの特性を活かした土地利用を図ります。

(3)特に、自然歴史環境の骨格となっている鎌倉地域の周辺区域は、歴史的遺産と一体となった緑豊かな自然環境の保全を図ります。

(4)海浜部や腰越駅周辺を魅力ある地区及び拠点として形成を目指します。

将来都市構造のイメージ

 

画像:将来都市構造(JPG:86KB)

2: 4つの拠点とこれを相互に連絡する5本の交通動線

将来都市構造のイメージを踏まえ、交通計画から見た将来の都市構造を拠点(点)とその連絡動線(線)に模式化して整理すると以下のようになります。

本市の将来の交通拠点は、鎌倉駅周辺拠点、腰越駅周辺拠点、深沢地域国鉄跡地周辺拠点、大船駅周辺拠点の4つであり、この拠点を地域の中心として、その周辺に住宅地が配置されることによって、それぞれの地域としてのまとまりが形成されていくことを目指すものです。

なお、玉縄地域の交通計画上の位置付けとしては、主に大船駅周辺拠点を最寄の交通拠点とする住宅地域と考えます。

本マスタープランでは、土地利用や地形、地域ごとの交通特性などを踏まえ、本市の交通計画における基本的な方向性をより鮮明にするために、将来の都市構造を示す4つの拠点とそれぞれの結合関係について、さらに二つのゾーニングを抽出し、交通体系整備の大きな枠組みとしました。

一つは本市の将来の魅力と活力の維持増進を図るため、市街地整備などに積極的に取り組んでいく地域であり、この地域を「都市地域(鎌倉の新しい魅力を創造していく地域)」としました。「都市地域」に属する地域は、現在、拠点整備の構想や計画がある深沢地域から大船地域がその中心となり、腰越地域まで及ぶものとします。

もう一つは、市民生活や地域の経済活動との調和を図りながら、古都らしさを継承し、快適な都市生活機能を高めていく地域であり、このゾーンを「古都継承地域」としました。概ね鎌倉地域がこれにあたります。

4つの拠点と5つの連絡動線

2つのゾーニング

画像:4拠点と5動線

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画像:2つのゾーン

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 交通体系整備の基本方針

1:基本的考え方

(1)鎌倉の将来の活力を創造す交通環境の整備

「都市地域」では、市街地整備の構想に対応して幹線道路網を計画的に整備し、広域幹線道路へのアクセスの向上を図るとともに、円滑で快適な公共交通機関の確保やその他の自動車も使いやすい交通環境を整備することによって、将来の鎌倉の活力を創造し、自動車交通に積極的に対応した交通体系を目指します。

(2)古都鎌倉の歴史性を生かした交通需要管理施策の推進

「古都継承地域」では、公共交通機関の使いやすさを向上させ、自動車の利用を抑制することを基本とし、古都らしさを生かし、歩行者や自転車の交通環境の向上を主体とした交通体系を目指します。

(3) 幹線道路の強化などによる住宅地での居住環境の保全宅地域では、周辺の幹線道路の強化や住宅地内の道路における交通の静穏化による通過交通を抑制し、居住環境の保全を図るとともに、ミニバス路線の新設などにより交通不便地域の解消を目指します。

(4)安全で快適に誰もが使いやすい交通施設の整備

交通施設の整備にあたっては、高齢者や障害者などの利用にも充分な配慮を講ずることとし、物理的な段差の解消やスムーズな乗り換えなど、誰もが使いやすい交通施設を目指して取り組みを進めます。

2:鉄軌道の整備方針

(1)既存鉄軌道網を計画の基本とします。

(2)端末交通を便利にすることで、鉄軌道の使いやすさを向上させます。

(3)新交通システムなどの導入については、今後の検討課題とします。

3:道路の整備方針

(1)道路は、その空間利用が多岐にわたるため、その機能に応じて計画、整備を進めます。

(2)道路の様々な機能に対する計画のうち、本マスタープランでは、交通機能の確保に関する内容を中心としますが、防災の視点にも配慮し、道路の新設及び拡幅、改良など都市の安全性の向上を図るための道路整備についても、あわせて整理を行うこととします。

4:駐車場及び駐輪場への対応

(1)駐車、駐輪施設の不足は、路上での違法駐車や駐輪を招き、道路混雑や歩きやすさや安全を損なう原因ともなります。このことから駐車、駐輪施設の整備を進める必要があります。

「都市地域」では、拠点整備の構想に対応し、その駐車需要に応じた駐車施設を計画的に配置することとします。

「古都継承地域」では、本地域内においては観光を目的とした自動車交通の需要の増大を引き起こす要因となる駐車場の整備は極力抑制し、観光交通に対しては、交通需要管理のため、地域外縁部での駐車場の

確保を進めることをします。

駐輪施設については、主な鉄軌道駅周辺で整備を進めるものとします。

5:環境保全への対応

「鎌倉市環境基本条例」は、自動車交通に関係す環境問題の指摘や地球的環境問題への対応などの必要性から、平成6年(1994年)12月に制定されました。自動車排出ガスは、二酸化炭素や二酸化窒素の排出源でもあり、交通計画においても環境負荷の軽減を計画要素の一つとして考える必要があります。

 したがって、本マスタープランでは、環境保全にも配慮した交通需要管理の考え方を計画に組み込むものとします。

6:交通の情報化への対応

情報通信技術の発達に伴い、「道路、交通、車両の情報化」の研究が進められており、人と車と道路を一体化した道路交通システムの実現の可能性が高まりつつあります。

本市においても、安全、快適、効率的な交通環境の整備に向けて、道路の高度情報化システムの導入の可能性について検討を進めます。

7:都市防災への対応

都市防災の推進に配慮し、地震、火災、水害などの災害から市民を守るとともに、災害時における旧円物資の輸送路及び救援活動などの円滑化を確保し得るような交通体系の整備を進めます。

さらに、代替・補完機能を確保するため、道路、公共交通網の複数経路の確保を図れるネットワーク整備を進めます。

8:地区交通計画への取り組み

地区交通計画は、これまでの自動車交通の利便性の追及の結果として生じた、安全性の欠如や居住環境の居住環境の低下といった身近な課題に、地区の特性に応じた柔軟で、きめ細かな交通施策を進めることによって、人と車の関係の整序化を図ろうとする計画です。

このことから、計画づくりには、市民参加の手法を取り入れ、地区内の住民や事業者などの意向を取りまとめながら「地区交通計画」を立案し、地域の特性に応じたより良い地区交通環境の整備を目指します。 

目標とする交通体系

1:鎌倉市の外郭幹線道路網の形成

神奈川県の自動車専用道路のうち、本市の交通に直接的な影響を持つ計画は、横浜横須賀道路及び逗葉新道に高速横浜環状南線と横浜湘南道路(新湘南国道の延伸)の計画を加えたネットワークです。この自動車専用道路相互が接続していない区間が逗子~茅ヶ崎の間であり、この区間を国道134号で連絡することにより、本市の外郭を取り巻く幹線道路網が形成できます。

国道134号には、神奈川県の自動車専用道路網計画の完成を前提とした場合でも、2車線を超えるような交通需要があると想定されます。また、国道134号は、海浜地域の観光交通による交通量の増加も見込まれる路線でもあり、自動車専用道路網と連携を図る幹線道路として、その交通機能の充実を図る必要があります。

したがって、本市の外郭を取り囲む幹線道路網のパターンとしては、連続する3本の自動車専用道路を一つの横軸とし、これに相対する国道134号をもう一方の横軸とするラダー(はしご状)パターンをとり、主に三浦半島から藤沢以西に向う本市にとっての長距離通過交通をこの2軸で受け持つこととします。

画像:海岸ラダー

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2:縦軸配置と「都市地域」の基盤整備

本市の交通計画においては、広域的な自動車専用道路網の整備効果をどのように活用するかが計画上の重要課題となります。より良い広域的な交通環境を得るとともに、通過交通対策としての効果が得られるよう、本市の計画を対応させていく必要があります。

「都市地域」は、大船、深沢、腰越といった拠点を中心とする新しい都市機能を備えた地域として、計画的な道路整備が必要です。これらの拠点地域では、地域交通の幹線機能を果たすとともに、広域的な交通環境整えるため、外郭を取り囲む幹線道路である横軸に連絡する幹線道路の配置が必要です。

この幹線道路は、本市の幹線道路網の中で縦軸となるものであり、「都市地域」を創造する基盤施設となる一方、2本の横軸を連絡し、海岸地域から内陸部を通じ、広域の幹線道路網に連絡します。

さらにこの縦軸は、国道134号とともに、「古都継承地域」の外郭を取り巻く幹線道路としての機能も果たします。  

画像:都市ラダー

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3:縦軸配置と「古都継承地域」における自動車交通抑制

内陸部における自動車専用道路網に連絡し、海岸部までのその広域交通への利便性を向上させる縦軸は、内陸部から海岸地域に向う観光交通などの縦軸方向の交通需要にも対応するもので、国道134号とともに「古都継承地域」における自動車交通の抑制を目指した項通常管理施策のための重要な交通施設としても機能します。

国道134号は、「古都継承地域」に向う主要幹線道路としての機能を有する道路ですが、その沿道には、主に夏期の海浜地域の観光需要に対応した臨時駐車場も多く存在しています。さらに、ほぼ並行して江ノ島電鉄が走り、駅も多いことから、これらの駐車場と駅をつなぐ送迎バスシステムを整えることで、パーク&ライドシステムの構築も可能となります。

したがって「古都継承地域」における幹線道路体系としては、この縦軸と国道134号によるL字型の道路を強化し、それらの道路の沿線に「都市地域」の整備ともからめながら、駐車場を配置することで、パーク&ライドシステムによる自動車交通の抑制施策を進めることも構想されます。

「古都継承地域」においては、地域内部の交通容量が低いにも係わらず、地域の中心部に向う幹線道路の機能が相対的に高いことが問題であり、自動車交通の抑制を前提としない周辺部での幹線道路の強化は不要な自動車交通の集中を招くこととなります。

このため、これらの幹線道路の整備は、「古都継承地域」における自動車の項通常管理との連携を考慮し、知育の交通容量とのバランスを図りながら進める必要があります。

画像:L字型動線

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鎌倉市交通体系方針図 

 

画像:交通体系方針図

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鎌倉市交通マスタープランに関する資料 

通マスタープランの位置付け(JPG:46KB)

共交通機関網図(JPG:48KB)

和63年(1988年)PT調査から試算したバス平均走行速度(JPG:44KB)

お問い合わせ

所属課室:まちづくり計画部都市計画課交通政策担当

鎌倉市御成町18-10 本庁舎3階

電話番号:0467-61-3658

メール:koutsu@city.kamakura.kanagawa.jp

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