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更新日:2018年2月28日

1.基本理念及び目標

鎌倉市が、市民参加によって都市マスタープランを定めるにあたっては、最初にその基本方針を明らかにし、将来都市像、都市づくりの方針を市民、事業者、行政の共通の目標としておくことが重要です。

そして、この『鎌倉市都市マスタープラン』を効果的かつ体系的なものとするためには、まず、まちづくりの「基本理念」や「基本目標」を明確にかかげ、それらを都市計画の各部門や各地域の計画に十分反映させ、しかも各種計画を有機的に関連づける必要があります。

また、すべてに先だってまちづくりの「視点」を明確に述べなければなりません。

この都市マスタープランの策定にあたっては、以下のような視点を持ちました。

 

1)まちづくりの視点

(1)市民憲章、総合計画など、これまでの取り組みを継承する。

(2)鎌倉の価値を生み出している自然、歴史、文化などの優れた環境を守り、高め、市民生活にいかす。

(3)様々な市民のくらしや産業を支えるまちづくりをすすめる。

(4)市民と来訪者が共に楽しめるまちづくりをすすめる。

(5)全市域が古都という観点から、各地域の特性をいかすまちづくりをすすめる。

(6)環境自治体として、生態系に配慮した、環境負荷の少ないまちづくりをすすめる。

(7)市民、事業者、行政の相互の信頼、理解及び協働によって鎌倉のまちをよりよくしていく。

(8)都市計画の目標を実現していくために、市内外の広い支援を得て、都市の魅力を高める諸方策の検討をすすめる。

 

鎌倉市民憲章(昭和48年)
鎌倉市総合計画(第3次:平成8年)
鎌倉市環境基本条例 (平成6年)
鎌倉市まちづくり条例 (平成7年)
鎌倉市都市景観条例 (平成7年)

2)基本理念

 

 くらしに自然歴史文化がいきる古都鎌倉

 

鎌倉は多くの歴史的遺産と、それらと渾然一体となって市街地を囲み連なる緑の丘陵、明るい海浜などの豊かな自然環境に恵まれています。こうした貴重な環境資源を次代に継承していくことは、現代に生きる私達の使命です。総合計画の基本構想にも「古都としての風格を保ちながら、生きる喜びと新しい魅力を創造するまち」と謳われています。

鎌倉のまちづくりにおいては、市街地が緑に囲まれているという構造的な特徴を明確化し、それぞれの地域の特性を活かしながら、機能を充実し、安全快適で健康的な環境を整え、さらに文化を育み、まち全体として公園的な環境を形成していくことが望ましいと考えます。

より具体的に述べれば、鎌倉地域の豊かな歴史的遺産と自然を大切に保全することはもちろん、その他の地域においても、残された歴史的遺産と自然を大切に扱い、あわせて、新しい緑の創造と拡大に努めながら、緑により、市街地を適正な規模に区分していくことが、鎌倉のまちづくりにおいては効果的であり、重要です。

明るい海岸線のまち並み、谷戸や小路に連なるしっとりとしたまち並み、緑に囲まれた丘陵地のまち並みは、鎌倉のまちの特徴的景観となっています。これらをさらに洗練し、豊かなものとして、各地域の市民が誇りをもって住めるまちをつくりあげていく必要があります。

安全なまちにするためには、河川の治水対策や崖の崩落防止対策などが必要ですが、その解決にあたっては、鎌倉らしい景観への配慮がのぞまれます。また、滑川などの河川の浄化や親水化、湧水や井水の有効利用などに取り組んでいくことも大切です。

四季を通じて訪れる多くの人々を暖かく迎え、魅力的な場を提供することが必要ですが、その一方で、居住環境と調和する観光のあり方を検討し、市民生活を守る工夫もしていかなければなりません。

自動車交通の集中、過密化に対しては、鎌倉方式ともいえる解決策を積極的に検討する必要があります。

商工業が立地する地域においても、鎌倉のまちの特性に合わせ、緑豊かな環境整備を進めます。農業や漁業の場も、市民生活を豊かにするための身近な生産地として活性化し、由緒あるまちの魅力を高める要素としての整備を図ります。

各地域が、それぞれの個性を活かしながら、古都のなかに新しい文化を育むような新鮮なまちづくりが期待されます。

このような考え方に立ち、市民参画で鎌倉のまちづくりを進めていくため、そのよりどころとして、標記の基本理念をかかげます。

 

3)基本目標

基本理念を踏まえ、以下に6つの基本目標をかかげます。

(1)緑や地形を活かした古都にふさわしいまち並みのある都市(みどりとまちなみ)

山並みに囲まれ、海川の水辺が身近にあるまち
古都の香り、品格のあるまち並み


緑豊かな丘陵地が、市街地を囲むようにあり、海や川の水辺が身近にあること、これらの自然環境が歴史的遺産や市街地と一体となって存在していることが鎌倉らしさを生み出しています。

この古都の自然環境を守り育て、これにふさわしい品格のあるまち並みを育てていくことをめざします。

(2)環境負荷の少ない都市(かんきょう)

清浄な大気と水の確保
健康的な環境の確保(交通公害、観光公害への対応)
生態系の保全
資源、エネルギーを大切にするまち


自然環境をより豊かにする動植物などの生態系の保全に配慮し、排気ガスの削減や水環境の改善により、清浄な大気と水のある健康的な環境を形成することをめざします。

また、資源の循環やエネルギーを大切にするとともに、家庭ごみ観光ごみ対策を進め、環境負荷の少ないまちをつくることをめざします。

(3)人と環境にやさしい交通の都市(いどう)

循環を壊さない交通システムをもつまち
歩く環境を重視するまち


自動車交通の集中、過密化を低減するとともに、市内各地を連絡する交通手段を充実し、高齢者なども含めて、市民も来訪者も、誰もが安心して快適に移動できるよう、鎌倉の環境特性を踏まえた交通システムの構築をめざします。


(4)安心して住み続けられる都市(くらし)

子どもから高齢者まで、誰もが住みやすいまち
安心して、安全に、快適に暮らせるまち


人口構成のバランスの維持回復のため、多様な世代が住み続けられる住宅住環境を確保するとともに、市街地の防災性の向上をめざします。

また、ノーマライゼーション*の視点に立ち、高齢者も障害者も安心して暮らせる地域社会、都市空間の実現をめざします。

(5)鎌倉ならではの多様な産業が根づく都市(なりわい)

鎌倉の環境や文化を活かした魅力的な商工業のあるまち
地域の恵みを活かした都市型農業漁業のあるまち
訪れる人々をもてなす観光のまち


市民のニーズに応えるとともに、訪れる人々をもてなす観光のまちとして、鎌倉の環境や文化を活かした魅力的な伝統工芸や商工業、緑豊かな就業環境をもつ先端産業、地域の恵みを活かした都市型農業漁業など、まちの活力と魅力を高める鎌倉らしい産業の振興をめざします。

(6)皆が共に憩い愉しむ都市(たのしみ)

自然や歴史・文化に親しむことのできるまち
・住む人も、訪れる人も共に憩い愉しむことのできるまち
・だれもが、いつでも学べるまち


鎌倉の山や海の自然、歴史・文化などの固有の環境を保全すると同時に、それを大切にする市民・来訪者にとって大きな愉しみの場となるよう、新たな魅力を加えて活用することをめざします。

また、生涯を通じての学びの場の充実をはじめ、市民の余暇活動などへのニーズに応えるため、環境・景観に配慮しつつ、多くの人々が利用できる文化・スポーツ・レクリエーション機能の充実をめざします。

お問い合わせ

所属課室:まちづくり計画部都市計画課都市計画担当

鎌倉市御成町18-10 本庁舎3階

電話番号:0467-61-3408(直通)

ファクス番号:0467-23-6939

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