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更新日:2016年6月30日

 

記者発表資料発表日:2016年6月29日

下水の流出停止後の水質等の状況及び今後の対応について

1 水質調査等の状況

 下水の放流停止後の水質等については、放流を停止した5月27日以降も、引き続き海の環境に与える影響を確認するため、水質調査、海産物調査、海底堆積物調査を実施しました。

(1) 水質調査の結果

 水質調査は、放流口沖合及び沖合漁場、海水浴場海域を週1回、測定地点8カ所について調査を実施しました。6/7、6/15、6/21に実施したふん便性大腸菌群数の調査結果については、いずれも全調査地点で海水浴場としての基準値を十分に満たす水質となっています。

(2) 残留塩素の調査結果

 消毒処理に用いた次亜塩素酸ナトリウムの海洋への影響を確認するため、残留塩素及びトリハロメタン類について調査を実施しました。
 残留塩素は、放流口付近及び周辺海域、沖合漁場並びに海水浴場海域について、測定地点11カ所の調査を実施しました。
 6/7、6/15、6/21に実施した残留塩素及び6/7、6/15に実施したトリハロメタン類の調査結果については、いずれも全調査地点で定量下限値未満となりました。

(3) 海産物の調査結果

 海産物の影響については、放流中の5/23及び放流停止後の6/16に実施した表層(生シラス)、海底海産物(カサゴ、メバル、サザエ、タコ)の調査を行い、放流中及び放流停止後いずれも大腸菌について陰性を示しています。

(4) 海底堆積物の調査結果

 海底堆積物は、放流口及び周辺海域、海水浴場海域の海底堆積物のふん便性大腸菌群数について、測定地点5カ所について調査を実施しました。6/15、6/21に実施したふん便性大腸菌群数の調査結果については、不検出かそれに近い値となっています。 

2 東京海洋大学の検証作業経過

 国立大学法人東京海洋大学に、下水の放流停止後の水質等の状況についてこれまでの調査結果等を踏まえて、今後の対応や検証作業をお願いしました。

 6/3、6/7に今後の調査に関する助言等、6/22に結果の検証を東京海洋大学松山優治名誉教授、茂木正人准教授に面談し、松山名誉教授(沿岸海洋物理学)、茂木准教授(魚類学・海洋生物学)のほか小林武志准教授(応用微生物学)、橋濱史典助教(化学海洋学)からも協力、支援を得て、下水の放流停止後の水質等の状況について調査結果等を踏まえた見解及び総合的所見を得ました。

3 水質調査等の結果を踏まえた見解及び総合的所見について

 下水の放流停止後の水質、海産物、海底堆積物の調査結果より、東京海洋大学松山名誉教授他から次のとおり見解及び総合的所見を得ました。

(1)水質調査について

 下水の放流停止後の水質調査について、放流口及びその周辺の海域のふん便性大腸菌群数は速やかに低下しています。沖合の漁場海域のふん便性大腸菌群数についても低い数値を示しています。海水浴場海域についても水浴場基準値内の数値を示しており良好な水質環境が示されています。また、神奈川県が実施した病原性大腸菌の測定結果も良好な状態を示しています。
 当該海域は、風向きやそれに伴う吹送流により拡散、風浪による混合等が進み、海水による浄化作用も働き、比較的短期間でふん便性大腸菌群数は低くなり、現時点では良好な水質環境が保たれていると思われます。

(2)残留塩素について

 放流口及び周辺海域、沖合漁場並びに海水浴場海域のいずれの個所についても、残留塩素測定結果及びトリハロメタン類測定結果も定量下限値未満を示しており、現時点では影響はないものと考察します。

(3)海産物について

 海産物の影響については、表層、海底海産物ともに放流中及び放流停止後いずれも大腸菌について陰性を示しており、海産物への影響はないものと考察します。また、海産物の漁獲量や赤潮などによる漁場の影響も現時点で漁業者から情報寄せられていない状況でもあるので当該海域への影響はないものと思われます。

(4)海底堆積物について

 海底堆積物中のふん便性大腸菌群数について低い数値を示しており、良好な環境が示されています。現時点での影響はないものと考察します。

(5)砂浜の影響について

 砂浜については、当該海浜は人、犬、猫、鳥等が常に往来しており、常在菌として存在していることが考えられます。海浜の環境基準はなく、比較できる数値もないことから砂浜の調査は困難と推察します。

(6)総合的所見について

 下水の放流停止後の水質調査等の結果を見ると、現時点で特に悪影響を及ぼし対応が必要な状況にはないものと考察されます。
 残留塩素、海産物調査については、今後大きな変動は考えられないことから引き続きの調査は不要と考えます。
 ふん便性大腸菌群数の調査は、市民等に安心を与える必要があることから念のため海水浴場開場期間中、水質調査を引き続き実施し、モニタリングしてデータを蓄積する必要があると思慮します。

4 市としての判断及び今後の対応

 下水の放流停止後の水質等については、海の環境に与える影響を確認するため、水質調査、海産物調査、海底堆積物調査を実施しました。
 下水の放流停止後の水質調査等の結果を見ると、いずれの調査も良好な結果が得られており、現時点で下水放流の影響を及ぼしている状況にはなく、海域の水質等について安全表明を行います。
 なお、ふん便性大腸菌群数については、引き続き海水浴場開場期間中は継続して実施し、モニタリングしてまいります。

 【添付資料】



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