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更新日:2014年2月18日

平成26年度予算編成方針

鎌倉市をとりまく状況


昨年12月に発足した安倍晋三内閣の経済政策「アベノミクス」の効果が徐々に実体経済に波及しつつある様子がみられるようになってきています。内閣府が8月12日に発表した2013年4~6月期の国内総生産(GDP、季節調整値)速報値は、物価変動を除いた実質で前期比0.6%増、年率換算で2.6%増となり、3四半期連続のプラス成長となりました。堅調になりつつある個人消費に加え、円安効果に伴う輸出の回復や緊急経済対策に盛り込まれた公共事業の景気押し上げ効果が貢献しており、製造業の生産活動が緩やかに拡大し、企業景況感についても改善している模様です。内閣府はまた、先日発表した年央試算の中で「個人消費などの支出の増加が生産の増加につながり、それが雇用・所得の増加をもたらすという実体経済の好循環の動きが始まりつつある」としています。財務省の貿易統計においても、景気が底堅い米国向けを中心に好調だったことなどにより、輸出は5月が前年同月比10.1%増、6月も7.4%増と高い伸びを記録するなど、直近の各種統計からも日本経済が回復基調を強めていることが示されています。

しかし、こうした景気の動向に伴い6月の失業率は3.9%と2008年秋のリーマンショック前の水準まで改善しているものの、基本給などの所定内給与水準が6月まで前年同月比で13カ月連続で減少が続くなど、景気回復の実感が行き渡っているという現状にはありません。日銀が2年で物価上昇率を2%に引き上げることを目標としていることや、今後予定されている消費増税、また円安による電気代やガソリン価格の上昇などに鑑みると、「賃金増と消費増、そして物価が徐々にあがるというデフレ脱却へ向けての好循環」が働くにはまだまだ時間を要するという予測も一部ではあるようです。 一方鎌倉市の財政状況に目を向けますと、市税収入が落ち込んでいる中で、扶助費など社会保障費の増大が市の財政を圧迫する状況が継続しており、行政運営のための財源確保が難しくなっているのが現状です。

そうした鎌倉市の財政状況悪化の現状を裏付けたのが、平成25年度に地方交付税制度創設以来初めて、鎌倉市が交付団体となったという事実です。交付税の算定基礎となる財政需要額が収入額を約2.2億円上回り、約2,066万円の交付税を受けることとなりました。高齢化による社会保障費の増加傾向などにより、鎌倉市の財政的な体力が確実に落ちてきている、という見方もできます。

こうした現状にも関わらず、市ではますます複雑化、多様化する行政課題が山積しており、さらに防災・減災対策や、公共施設の老朽化に伴う維持管理・建替費用の増大など、新たな課題への対応も求められています。そして、平成26年度からは包括予算制度の導入が始まります。これを機会として、すべての事業を原点から見直し、個々の施策ごとにその必要性、優先性を精査するとともに、厳しい財政環境について全職員が共通認識し、状況に応じて事業を再構築するなど、これまでに増して創意工夫を凝らした予算編成作業への取組みが求められます。


平成26年度の歳入、歳出見通しと財政目標


1 歳入について

現年度課税分のうち、個人市民税については、平成25年8月2日付「内閣府年央試算」において、平成25年度の名目GDP成長率が2.6%と試算されたことなどから、対前年度約1.9億円の増を見込み、法人市民税についても、同じく内閣府試算の名目GDP成長率を勘案し、約0.5億円の増を見込みます。また、固定資産税については、住宅用地負担水準の特例廃止の影響や、経年的な家屋の新築等により、約2.9億円の増を見込んでおり、その他の税目の増減を約0.4億円の減と見込んだ結果、平成25年度予算と比較すると市税全体では約4.9億円の増が見込まれます。

市税以外の歳入としては、後期実施計画ベースにおける事業規模の拡大等に伴う国県支出金の増を約1.9億円、市債収入の増を約12.5億円、基金の活用をはじめとしたその他財源の増を約8.8億円と見込んでいます。一方、前年度に大型の寄附があったことによる寄附金の減が約15億円となることに加え、財政調整基金の活用可能額が約2億円減額する見込みです。これに、その他の財源の減額を合せて約1.5億円と見込んだ結果、歳入全体としては、平成25年度当初予算から約9.6億円の増を見込みます。


2 歳出について

義務的経費においては、職員給与費の暫定削減期間の満了と、退職者数の増により、約7.8億円の人件費増が見込まれます。さらに、年4.4%の伸び(児童手当を除く)を見込んでいる、主に法令等の規定に基づく扶助費の増が約3.3億円と見込まれるほか、これに連動する介護保険事業会計などへの繰出金の増加による特別会計繰出金の増などを約1.6億円と見込んでいます。その他の歳出予算としては、後期実施計画に計上された事業費が約31.8億円の増となる一方、前年度に基金積立金として歳出予算に計上した寄附金の15億円が皆減となることなどから、歳出予算については、約29.5億円の増と見込んでいるところです。


3 財政目標

以上のとおり、対前年度比較において、平成26年度予算の収支は19.9億円の悪化が見込まれる状況です。この乖離を包括予算編成の手法によって埋めることとなりますが、具体的には、現在進めている次期基本計画に係る前期実施計画策定に際し、選択と集中により事業規模の大幅な縮減を行うとともに、事業の現場ならではの創意工夫による実施手法等のドラスティックな見直しや、新たな歳入の確保等による財源確保を強力に推し進めることにより、財源捻出を行うことを財政目標として掲げることとします。また、法令改正等に起因する別枠経費の発生があった場合は、この分の財源を、配分一般財源の更なる縮減によって賄うことを原則とします。


平成26年度予算編成の基本方針


【メインポリシー(基本方針の4本柱)】

 事業の優先順位付けを徹底する
 身の丈に合った取り組みに正す
 国、県の肩代わりは行わない
 新たな歳入確保を案出する

平成26年度の予算編成に当たっては、重点施策の実現に結びつけるため、各部事務事業の見直しの方向性について意見交換を行った事業ヒアリング、補助金の見直しガイドライン、市民事業評価の結果や審議の過程も考慮したうえで、次の点に留意し、最も市民、事業に近い現場ならではの創意工夫を凝らし、市民ニーズを的確に捉えた予算編成を行ってください。


1 事業の優先順位付けを徹底する

施策目標を明確なものとするため、第3期基本計画前期実施計画における重点事業をはじめ、理事者ヒアリング等を通して、各部において特に優先的に取り組むこととした事業に対し、予算を優先的に配分してください。一方、これらの事業と比較して緊急性等が低いと判断した事業については、事業の廃止や縮減を行うことによって優先すべき事業の財源を捻出してください。事業優先度の比較を欠いた事業費の一律削減を行うことなく、メリハリとメッセージ性のある予算編成を行ってください。


2 身の丈に合った取り組みに正す

本市の財政状況を充分に理解した上で、近隣他市や同規模類似団体における取り組み、予算措置を上回っている事業につきましては、身の丈に合った取り組みとするため、制度の廃止や縮減、対象や単価の見直し等を行い、事業費を縮減してください。また、特に一部の限られた受益者に対する公費支出となっている事業等につきましても、事業の存続を含めて再検討してください。なお、段階的な見直しや激変緩和措置を要する場合は、平成26年度予算編成に併せて、必ず翌年度以降の制度見直しに係る年次計画を策定してください。


3 国、県の肩代わりは行わない

国県支出金による財源措置の廃止、縮減分を市費で肩代わりすることは、原則として行わない方針とします。やむを得ず激変緩和措置を要する場合等は、平成26年度予算編成に併せて、必ず翌年度以降の制度見直しに係る年次計画を策定してください。なお、引き続き、これらの国県支出金が必要財源であると考える場合は、あらゆる機会を通じて国、県への要望を行うなど、必要な財源確保について積極的に行動してください。一方、国県支出金の廃止、縮減が、時代の経過により公費投入の役割を終えた等の判断によるものである場合は、市費負担分の事業費についても、併せて廃止、縮減を検討してください。


4 新たな歳入確保策を案出する

先進市の取り組みや、先行している他課の取り組み等を参考に、広告料収入を始め、あらゆる可能性についてタブー視することなく、歳入獲得手段について広く検討を行ってください。
従前の所管別配当方式におきましても、歳出予算に直結する「関連歳入」の増が歳出予算枠の増に結び付く仕組みとなっていましたが、包括予算制度におきましては、各部等が歳入する特定財源は全て自らの財源として活用し、予算編成を行っていただきます。よって、これまで以上に歳入予算の増減が各部等の予算編成に大きな影響を及ぼすこととなりますので、事業財源は自ら捻出するという視点に立ち、柔軟な発想で歳入の拡大に努めてください。


5 受益者負担の見直しを行う

施設利用や各種行政サービスの提供に際して、受益者に応分の負担を求めることは、住民間の公平を図るうえで極めて重要です。施設やサービスの利用者、事業参加者等に対し、適正な受益者負担を生じさせる料金設定とすべく、固定観念にとらわれることなく、受益者負担の見直しを行ってください。また、対象の公共性、公益性を再点検することにより、各種減免制度についても、従前の例にとらわれることなく、ゼロベースでの見直しを行ってください。必要なまた特に、市有財産の無償もしくは相場を下回る廉価での貸付を行っている場合は、前例にとらわれることなく、相場に見合った有償化の検討を行ってください。なお、段階的な見直しや激変緩和措置を要する場合は、平成26年度予算編成に併せて、必ず翌年度以降の制度見直しに係る年次計画を策定してください。


6 担い手の再検討を行う

事業の担い手として、行政が行う必然性の有無を再検討してください。市が直営で行っていた事業の民間委託化をはじめ、市民等の独創性や英知を結集できる「協働」によるまちづくりや、行政と民間企業とが互いにWin-Winの関係を築くことができる民間活力の導入手法を検討するなど、前例や慣例にとらわれることなく、新たな発想による再検討を試みてください。
施策目標を実現するにあたり、最小限の経費によって最大限の効果を生む手法の検討に重きを置いた予算編成を行ってください。他市における先進的な取り組みも調査し、本市においても実施可能なものがあれば積極的に取り入れてください。


7 全ての補助金等の必要性と妥当性について再評価、再点検を行う

全ての補助金等について、平成26年度の鎌倉市における必要性と補助率、補助額、対象者等の妥当性について例外なく再評価、再検討を行ってください。「鎌倉市補助金等に係る予算の執行に関する取扱要綱」では、おおむね、公共的団体等の運営費に対する補助率を1/3以内、建設的事業費(投資的なもの)は2/3以内、行事的な経費は1/3以内と、基本的な交付基準を定めています。特にこの交付基準を超えた補助を行っている補助金等につきましては、例外的な扱いとしなければならない必然性の有無を再点検してください。
また、時代の要求に合わなくなった補助金、一定の役割を終えた補助金につきましては、新たな社会的ニーズに応える財源を捻出するため、終息を第一に再点検してください。
さらに、団体補助につきましては、団体の活動内容や補助対象経費の公益性を再評価するとともに、団体の収支状況を詳細に確認し、これまでの補助実績に配慮することなく、客観的、合理的な視点から、市が担わなければならない財政負担の最適化を図ってください。


平成26年度予算編成における特記事項


1 予算配当枠の設定

「鎌倉市版包括予算制度」に基づく予算編成要領に従い、一般財源を配当します。配当された一般財源と部等が所管する特定財源との合計額をもって歳出予算要求限度額とします。


2 予算要求内容の財政課協議

包括予算制度の予算編成権限は各部長等にありますので、財政課は要求予算の款項目節が適切であるか、全庁的に統一性を維持すべき案件等について予算要求基準に沿った要求となっているかなどの点検のみ行うものとし、要求内容は原則として尊重します。


3 職員減員対応経費

平成26年度の職員の減員予定等については、今後、行革推進課から各担当部局に示されることとなりますが、職員の減員に対応して必要となる委託料、システム開発費等については、各部等への配当枠とは別に、財政課の査定により、別途必要な予算措置を行うものとします。


4 行革等対応経費

中長期的な観点からの行財政改革に寄与する取組み等の積極的推進を図るため、民間委託の推進等により、中長期的な財務メリットにつながることが期待できる取り組みに係る先行投資に相当する事業費については、各部等への配当枠とは別に、財政課の査定により、別途必要な予算措置を行うものとします。


5 職員提案経費

職員提案制度により提案された事業のうち、審査の結果実施することとなった事業については、各部等への配当枠とは別に、財政課の査定により、別途必要な予算措置を行うものとします。


6 施設の維持修繕、老朽化対策

包括予算制度は、経常的経費のみならず、政策的経費や人件費を含めた全ての経費を枠配分し、部内におけるマネジメントにより、予算編成を行っていただくものです。よって、同制度におきましては施設の維持修繕費の別枠配当は行わず、全体の枠の中に含めて配当しますので、必要な財源を施設の維持修繕費に配分してください。


7 施設管理等

施設管理等について、管理内容等が類型化できるものは、一括契約の可能性を検討し、経費の節減につなげるよう努力してください。


8 特別会計予算

特別会計予算につきましても包括予算制度による予算編成を行います。ただし、予算要求に当たっては、引き続き使用料、保険料等の利用者負担の適正化を念頭に置き、歳入確保を行うとともに、歳出においてはさらなる経費削減や事業の合理化等により、一般会計からの繰入金への依存度を低くするよう努めてください。
なお、下水道事業特別会計については、公営企業としての自立した経営状況の実現を目指し、使用料や事業の見直しを積極的に進めてください。


9 インセンティブ予算の試行

昨年度から実施しているインセンティブ予算の試行は、新規歳入の獲得や、歳出額の削減等につながる提案に対して予算上のインセンティブを与えようとするものです。包括予算制度におきましては、これらの効果は制度そのものに内包されていますので、この制度を最大限に活用する中で、より一層のインセンティブの実現を図ってください。


10 その他

ここで示している財政見通し等については、現時点での推計値に基づいて算定されていますので、制度改正や国、県の動向等により、今後大きく変動することも考えられます。その際には、この予算編成方針に必要な修正を加え、別途再調整のうえ対処するものとしますのでご留意ください。



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