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更新日:2015年10月26日

平成28年度予算編成方針

鎌倉市をとりまく状況


わが国経済は、昨年4月の消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動が、ほぼ一巡したことにより、景気が回復しつつあるように見受けられます。企業の収益を見ると、経常利益がリーマン・ショック前の平成19年を上回るなど好調な推移が続いており、加えて、低金利が続くなど良好な投資環境が整うなか、企業は設備投資に踏み出す動きを徐々に強めています。また、企業収益の回復は、雇用・所得環境の改善にも繋がっており、人手不足もあいまって、雇用者数は増加が続いています。今年7月に発表された内閣府の月例経済報告では、「日本経済は、このところ個人消費や設備投資に持ち直しの兆しが見られ、緩やかな回復基調が続いている。」としており、「先行きについては、雇用・所得環境の改善傾向が続く中で、各種政策の効果もあり、緩やかに回復していくことが期待される。」とされています。

しかし、その一方で、個人消費については、物価上昇に賃金の伸びが追いついておらず、消費回復の足取りが鈍くなっていること、また、海外景気については、中国経済などが下振れしていることなど、我が国の景気を下押しするリスクとなっています。内閣府が8月17日に発表した平成27年4-6月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動を除いた実質で前期比0.4%減、年率換算で1.6%減となり、1-3月期の前期比年率換算で3.9%増から一転し、3四半期ぶりのマイナスとなりましたが、これらのリスク要因が重なったためとされています。

政府は、「経済財政運営と改革の基本方針2015」(いわゆる「骨太の方針」)を平成27年6月30日に閣議決定し、基礎的財政収支(PB)を2020年度に黒字化するための財政健全化計画を策定するなど経済再生と財政再建に意欲的に取り組む姿勢を示していますが、先行きは依然として不透明な状況が続いています。

一方、鎌倉市の財政状況に目を向けますと、市税収入は若干持ち直したものの、扶助費など社会保障費の増大が市の財政を圧迫する状況が継続しており、都市経営のための財源確保が難しくなっているのが現状です。また、防災・減災対策などに係る費用や中長期的な課題である公共施設の再編、社会基盤の維持・更新などに多額の費用が見込まれることから、今後も厳しい財政運営が続くと思われます。

このようなことから、平成28年度においても、すべての事業を原点から見直し、個々の施策ごとにその必要性、優先性を精査するとともに、状況に応じて事業を再構築するなど、創意工夫を凝らした取り組みを行うと伴に、中長期的な視点に立ち、鎌倉市の魅力や付加価値を高め、将来の税収の増加に寄与するような取り組みや、一時的にはコストが掛かっても将来の費用負担の軽減に繋がるような取り組みを積極的に行うことが求められます。


平成28年度の財政収支の見通しと当初予算配分枠


1 財政収支の見通し
 (1)歳出について

退職者数の減などによる人件費の減を約1.0億円と見込んでいます。その一方で、公債費の増を約1.2億円、下水道事業特別会計などへの特別会計繰出金の増を約1.1億円と見込んでいます。また、前期実施計画に計上された事業費については、約19.1億円の減となります。更に、その他の事業費の増を約0.2億円を見込むことから、一般会計歳出全体としては、平成27年度当初予算から約17.6億円の減となる約596.0億円を見込みます。


 (2) 歳入について

市税については、経年的な家屋の新築等により固定資産税の増を約1.8億円と見込んでいます。また、軽自動車税については、増税に伴い約0.3億円の増を見込んでいます。一方で、市民税のうち法人市民税については、税制改正などの影響により、約1.6億円の減を、更に市たばこ税や都市計画税などの増減を見込むことから、市税全体では、平成27年度予算と比較し、約0.3億円の増と見込みます。

市税以外の主な歳入としては、国県支出金の増を約1.6億円、株式等譲渡所得割交付金の増を約1.4億円、配当割交付金の増を約1.1億円とそれぞれ見込みますが、市債収入の減を約17.1億円、諸収入の減を約0.8億円、その他の財源の減を約9.1億円を見込むことから、一般会計歳入全体としては、平成27年度当初予算から約22.6億円の減となる約591.0億円を見込みます。


2 当初予算配分枠

以上のとおり、平成28年度予算の財政収支については、歳出が約596.0億円、歳入が約591.0億円となり、歳出が歳入を約5.0億円上回る見込みですが、この歳入の不足額については、財政調整基金を活用し、賄うこととします。

そのため、一般会計歳入全体としては、平成27年度当初予算から約17.6億円の減となる約596.0億円を見込みます。

包括予算制度における配分枠については、翌年度の歳出見込額に対する歳入見込額を積算し、不足する際は、歳出の見込額を圧縮したうえ、各部等へ配分しています。平成28年度の一般会計予算については、歳入歳出の見込額を同額の約596.0億円とし、予算編成を行いますので、各部等へは概ね前年度並みの予算額を配分枠として配分できる見込みです。

各部等においては、この枠内で包括予算制度による予算編成を行っていただきますが、厳しい財政環境にあることには変わりありませんので、引き続き、事業の優先順位付け、事務事業の見直しなどに取り組んでください。


平成28年度予算編成の基本方針


【メインポリシー(基本方針の4本柱)】

 コスト意識を持った取り組みにする
 事業の優先順位付けを徹底する
 身の丈に合った取り組みにする
 創意工夫を取り入れる

平成28年度の予算編成に当たっては、重点施策の実現に結びつけるため、予算の理事者ヒアリング、各部の事務事業について意見交換を行った事業ヒアリング、補助金の見直しガイドライン等を考慮したうえで、次の点に留意し、予算編成を行ってください。


1 コスト意識を持った取り組みにする

限られた経営資源を有効に活用するためには、固定観念から脱却し、コスト意識を持った予算編成を行うことが重要です。
そのため、既存事業、新規事業を問わず、最少のコストで事業を実施しているかを検証し、他にコストの削減が可能な手法等があるものについては、見直しを行ってください。また、すぐに成果をあげることは出来ないものの数年度に、コストに見合った成果をあげることができる事業などには、各部等の主体的なマネジメントにより予算を重点的に配分してください。


2 事業の優先順位付けを徹底する

第3期基本計画前期実施計画における重点事業をはじめ、理事者ヒアリング等を通じて、各部において、優先的に取り組むこととした事業については、予算を優先的に配分してください。そのため、これらの事業と比較して優先度の低いと判断した事業については、事業の整理、統合、廃止等を行うことによって優先すべき事業の財源を捻出してください。
これまでの予算編成においては、事業の優先度ではなく、事業費を一律に削減し、事業費を捻出していた部等が見受けれられましたが、このような手法を用いることなく予算編成を行ってください。


3 身の丈に合った取り組みにする

国県支出金による財源措置の廃止、縮減分を市費で肩代わりしているような事業や近隣市、同規模類似団体における取り組み、予算措置を上回っている事業につきましては、身の丈に合った取り組みとするため、制度の廃止や縮減、対象や単価の見直し等を行い、事業費を縮減してください。また、特に一部の限られた受益者に対する公費支出となっている事業等につきましても、事業の存続を含めて再検討してください。なお、段階的な見直しや激変緩和措置を要する場合は、平成28年度予算編成に併せて、翌年度以降の制度見直しに係る年次計画の策定に努めてください。


4 創意工夫を取り入れる

包括予算制度による予算編成では、各部等に配分される一般財源に、特定財源を上積みすることにより、歳出予算規模を拡大することが可能となるほか、創意工夫によって生み出された財源については、一部を後年度の各部等配分額に上乗せすることができます。
各部等においては、広告料収入や土地の貸付等の歳入の確保や新たな国・県補助金の獲得に努めるとともに、先進市の取り組みや各課等において先行して実施している取り組みなどを参考に、これまでの仕組みにこだわらない様々な手段の検討を行ってください。
自ら必要な財源を確保し、市民サービスの維持・向上に繋げるという視点に立ち、柔軟な発想で予算編成を行ってください。


5 受益と負担の適正化を図る

施設利用や各種行政サービスの提供に際して、受益者に応分の負担を求めることは、住民間の公平を図るうえで極めて重要です。施設やサービスの利用者、事業参加者が適正な負担となるように、固定観念にとらわれることなく、見直しを行ってください。また、各種減免制度については、従前の例にとらわれることなく、ゼロベースでの見直しを行ってください。更に、市有財産の無償もしくは相場を下回る価格での貸付を行っている場合についても、適正な価格となるように、見直しを行ってください。


6 担い手の再検討を行う

事業の担い手として、行政が行う必然性の有無を再検討してください。市が直営で行っていた事業の民間委託化をはじめ、市民等の独創性や英知を結集できる「協働」によるまちづくりや、行政と民間企業とが互いにWin-Winの関係を築くことができる民間活力の導入手法を検討するなど、前例や慣例にとらわれることなく、新たな発想による再検討を試みてください。
施策目標を実現するにあたり、最小限の経費によって最大限の効果を生む手法の検討に重きを置いた予算編成を行ってください。他市における先進的な取り組みも調査し、本市においても実施可能なものがあれば積極的に取り入れてください。


7 全ての補助金等の必要性と妥当性について再評価、再点検を行う

全ての補助金等について、平成28年度の鎌倉市における必要性と補助率、補助額、対象者等の妥当性について例外なく再評価、再検討を行ってください。「鎌倉市補助金等に係る予算の執行に関する取扱要綱」では、おおむね、公共的団体等の運営費に対する補助率を1/3以内、建設的事業費(投資的なもの)は2/3以内、行事的な経費は1/3以内と、基本的な交付基準を定めています。特にこの交付基準を超えた補助を行っている補助金等につきましては、例外的な扱いとしなければならない必然性の有無を再点検してください。
また、時代の要求に合わなくなった補助金、一定の役割を終えた補助金につきましては、新たな社会的ニーズに応える財源を捻出するため、廃止に向けた検討を行ってください。
さらに、団体補助につきましては、団体の活動内容や補助対象経費の公益性を再評価するとともに、団体の収支状況を詳細に確認し、これまでの補助実績に配慮することなく、客観的、合理的な視点から、市が担わなければならない財政負担の最適化を図ってください。


8 事業評価結果の反映を行う

事業評価制度における評価対象事業については、その評価結果を適切に反映した事業内容としてください。また、事業評価対象外事業についても点検を行い、効果的かつ効率的な事業実施を行うなど改革・改善に努めてください。


9 市単独事業の見直しを行う

市単独事業については、制度継続の合理性等を必ず整理し、必要に応じて制度改正を積極的に行ってください。


平成28年度予算編成における特記事項


1 予算配当枠の設定

「鎌倉市包括予算制度」に基づく予算編成要領に従い、一般財源を配当します。配当された一般財源と部等が所管する特定財源との合計額をもって歳出予算要求限度額とします。


2 予算要求内容の財政課協議

包括予算制度の予算編成権限は各部長等にありますので、財政課は要求予算の款項目節が適切であるか、全庁的に統一性を維持すべき案件等について予算要求基準に沿った要求となっているかなどの点検のみ行うものとし、要求内容は原則として尊重します。


3 職員減員対応経費

平成28年度の職員の減員予定等については、今後、行革推進課から各担当部局に示されることとなりますが、職員の減員に対応して必要となる委託料、システム開発費等については、各部等への配当枠とは別に、財政課の査定により、別途必要な予算措置を行うものとします。


4 行革等対応経費

中長期的な観点からの行財政改革に寄与する取組み等の積極的推進を図るため、民間委託の推進等により、中長期的な財務メリットにつながることが期待できる取り組みに係る先行投資に相当する事業費については、各部等への配当枠とは別に、財政課の査定により、別途必要な予算措置を行うものとします。


5 施設の維持修繕、老朽化対策

施設の維持修繕費については、別枠配当を行わず、全体の枠の中に含めて配当しますので、必要な財源を施設の維持修繕費に配分してください。


6 施設管理等

施設管理等について、管理内容等が類型化できるものは、一括契約の可能性を検討し、経費の節減につなげるよう努力してください。


7 特別会計予算

特別会計予算につきましても包括予算制度による予算編成を行います。ただし、予算要求に当たっては、引き続き使用料、保険料等の利用者負担の適正化を念頭に置き、歳入確保を行うとともに、歳出においてはさらなる経費削減や事業の合理化等により、一般会計からの繰入金への依存度を低くするよう努めてください。
なお、下水道事業特別会計については、公営企業としての自立した経営状況の実現を目指し、使用料や事業の見直しを積極的に進めてください。


8 インセンティブ予算制度

インセンティブ予算は、新規歳入の獲得や、歳出額の削減等につながる提案に対して予算上のインセンティブを与えようとするものですので、この制度を積極的に活用してください。


9 その他

ここで示している財政見通し等については、現時点での推計値に基づいて算定されていますので、制度改正や国、県の動向等により、今後大きく変動することも考えられます。その際には、この予算編成方針に必要な修正を加え、別途再調整のうえ対処するものとしますのでご留意ください。



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