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更新日:2025年2月14日
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心肺蘇生法の手順について、動画でご覧いただけるようになりました。下記リンク先をご覧下さい。
胸骨圧迫のみの場合を含め心肺蘇生はエアロゾル(ウイルスなどを含む微粒子が浮遊した空気)を発生させる可能性があるため、新型コロナウイルス感染症が流行している状況においては、すべての心停止傷病者に感染の疑いがあるものとして対応する。
成人の心停止に対しては、人工呼吸を行わずに胸骨圧迫とAEDによる電気ショックを実施する。
子どもの心停止に対しては、講習を受けて人工呼吸の技術を身につけていて、人工呼吸を行う意思がある場合には、人工呼吸も実施する。
具体的手順は、下記のとおりですが、次のところに注意してください。
誰かが突然倒れるところを目撃したり、倒れている人を発見した場合は、傷病者に近寄る前に周囲を見渡して安全であることを確認する必要があります。車の往来がある、室内に煙がたちこめているなどの状況があれば、それぞれに応じて安全を確保するようにします。
傷病者の肩をやさしくたたきながら大声で呼びかけます。目を開けたり、何らかの応答や目的のある仕草があれば反応があるといえます。突然の心停止が起こった直後には引きつるような動き(けいれん)が起こることもありますが、この場合には反応はないと判断します。
傷病者に反応がない場合は、「誰か来てください!人が倒れています!」などと大声で叫んで周囲の注意を喚起します。
そばに誰かがいる場合は、「あなた、119番通報をお願いします」「あなた、AEDを持ってきてください」など、具体的に依頼します。
呼吸の観察は、約10秒かけて胸と腹部の動き(呼吸をするたびに上がったり下がったりする)をみます。胸と腹部が動いていなければ、呼吸が止まっていると判断します。胸と腹部の動きが普段どおりでない場合は死戦期呼吸(突然の心停止直後にしゃくりあげるような途切れ途切れの呼吸)と判断します。これらの場合は、心停止とみなしてただちに胸骨圧迫に進みます。心臓が止まると呼吸も止まります。呼吸の確認には10秒以上かけないようにします。判断に迷う場合は、呼吸がないものと判断します。
胸の左右の真ん中に「胸骨」と呼ばれる縦長の平らな骨があります。圧迫するのはこの骨の下半分です。
この場所を探すには、胸の真ん中(左右の真ん中で、かつ、上下の真ん中)を目安にします。この位置に一方の手のひらの基部(手掌基部)を当て、その手の上にもう一方の手を重ねて置きます。重ねた手の指を組むとよいでしょう。垂直に体重が加わるよう両肘をまっすぐに伸ばし、肩が圧迫部位(自分の手のひら)の真上になるような姿勢をとります。傷病者の胸が少なくとも5cm沈み込むように強く速く圧迫を繰り返します。圧迫のテンポは1分間に少なくとも100回です。
小児では両手または片手で、胸の厚さの約三分の一沈み込む程度に圧迫します。
乳児の場合は、両乳頭を結ぶ線の少し足側を目安とする胸の真ん中を2本指で、胸の厚さの約三分の一沈み込む程度に圧迫します。
片手で傷病者の額を押さえながら、もう一方の手の指先を傷病者のあごの先端、骨のある硬い部分に当てて持ち上げて、傷病者の喉の奥を広げ、空気の通り道を確保します。
気道を確保したまま、口を大きく開いて傷病者の口を覆って密着させ、傷病者の鼻から漏れ出さないように、額を押さえているほうの手の親指と人差し指で傷病者の鼻をつまみ、胸が上がるのが見てわかる程度の量を約1秒間かけて息を吹き込みます。吹き込んだら、いったん口を離し、傷病者の息が自然に出るのを待ち、もう一度、口で口を覆って息を吹き込みます。
人工呼吸ができないか、手元に感染防護具がなく、口と口が直接接触することがためらわれる場合は、人工呼吸を省略して胸骨圧迫を続けてください。
心肺蘇生を行っている途中でAEDが届いたら、すぐにAEDを使う準備に移ります。AEDを傷病者の頭の近くに置くと操作しやすくなります。
音声メッセージとランプに従って操作します。
傷病者の胸から衣服を取り除き、胸をはだけます。ボタンやホックが外せない場合や、衣服を取り除けない場合には、付属のハサミで衣服を切る必要があります。
電極パッドを肌に貼り付けるときには,とくに注意をはらうべきいくつかの状況があります。
電気が体表の水を伝わって流れてしまうために、AEDの効果が不十分になります。乾いた布やタオルで胸を拭いてから電極パッドを貼り付けてください。
ニトログリセリン、ニコチン、鎮痛剤、ホルモン剤、降圧剤などの貼り薬や湿布薬が電極パッドを貼り付ける位置に貼られている場合には、まずこれを剥がします。残っている薬剤を拭き取ってから,電極パッドを貼り付けます。貼り薬の上から電極パッドを貼り付けると電気ショックの効果が弱まったり、貼り付け部位にやけどを起こすことがあります。
皮膚の下に心臓ペースメーカや除細動器が植込まれている場合は、胸に硬いこぶのような出っ張りが見えます。貼り付け部位にこの出っ張りがある場合、電極パッドは出っ張りを避けて貼り付けてください。
シールをはがして電極パッドをケースから取り出します。
電極パッドに描かれているイラストに従って、黄色いシートから電極パッドをはがして胸の右上(鎖骨の下)の肌に直接貼り付け、しっかり密着させます。もう一枚の電極パッドを黄色いシートからはがして胸の左下側(脇の下5〜8cm下)の肌に直接貼り付け、しっかり密着させます。電極パッドと肌の間に空気が入っていると電気がうまく伝わりません。
小学校に上がる前の子供には未就学児用のモードがあるものや、電極パッド自体が未就学児用のものもあります。未就学児モードや未就学児用の電極パッドがあるものは、スイッチを切り替え使用してください。判断が付きにくい場合は小学生から成人モードを使用し、AEDのメッセージに従い対応してください。
AED電極パッドは成人用も未就学児用も同じものがあります。そのため、体の小さい未就学児に電極パッドを装着した時に、パッド同士が重なってしまう場合は、以下の写真にように、前胸部と背部に電極パッドを装着することで対応可能です。
電極パッドに描かれているイラストに従って、黄色いシートから電極パッドをはがして胸の真ん中に直接貼り付け、しっかり密着させます。もう一枚の電極パッドを黄色いシートからはがして背部に直接貼り付け、しっかり密着させます。電極パッドと肌の間に空気が入っていると電気がうまく伝わりません。
電極パッドが肌にしっかり貼られると、「体から離れてください」との音声メッセージとともに、AEDは心電図の解析を自動的に始めます。周囲の人にも傷病者から離れるよう伝え、誰も傷病者に触れていないことを確認してください。誰かが傷病者の体に触れていると、心電図の解析がうまく行われない可能性があります。
AEDは心電図を自動的に解析し、電気ショックが必要である場合には、「ショックが必要です」などの音声メッセージとともに自動的に充電を開始します。周囲の人に傷病者の体に触れないよう声をかけ、誰も触れていないことをもう一度確認します。
充電が完了すると、連続音やショックボタンの点灯とともに電気ショックを行うように音声メッセージが流れます。これに従ってショックボタンを押し電気ショックを行います。このときAEDから傷病者に強い電気が流れ、傷病者の体が一瞬ビクッと突っ張ります。
電気ショックのあとは、ただちに胸骨圧迫から心肺蘇生を再開します。「ただちに胸骨圧迫を開始してください」などの音声メッセージが流れますので、これに従ってください。
AEDの音声メッセージが「ショックは不要です」の場合は、ただちに胸骨圧迫から心肺蘇生を再開します。
AEDは2分おきに自動的に心電図解析を始めます。そのつど、「体から離れてください」などの音声メッセージが流れます。傷病者から手を離すとともに、周囲の人にも離れるよう声をかけ、離れていることを確認してください。
救急隊員などに傷病者を引き継ぐまで、心肺蘇生とAEDの手順をあきらめずに繰り返してください。胸骨圧迫の役割の交代は1~2分おきが望ましいと言われています。
傷病者が普段どおりの呼吸をしはじめる、あるいは目的のある仕草が認められて心肺蘇生をいったん終了できても、再び心臓が停止してAEDが必要になることもあります。AEDの電極パッドは傷病者の胸から剥がさず、電源も入れたままにしておいてください。
所属課室:消防本部警防救急課救急救命担当
鎌倉市大船3-5-10
電話番号:0467-44-0977