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更新日:2024年12月27日
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衆議院の解散とは、国会で衆議院議員の任期満了前に任期を終了させ、国会の機能を停止させることをいい、内閣の助言と承認により天皇が行なうこと(憲法第7条第3号)とされています(参議院は国会の継続性と安定性を保つために解散を行ないません。)。
解散については、衆議院で内閣不信任決議案が可決されたり、内閣信任決議案が否決されたときに、内閣が総辞職しない限り、10日以内に解散しなければならないと憲法で定められています。
また、内閣が極めて重要な政策を行う必要があるときや、国内情勢の変化に対応して国民の意思を確かめる必要があるとき、解散が行われることがあります。
衆議院は、解散後の選挙により新鮮な民意を議会に反映させることが通例となっていて、旧憲法以来、衆議院の任期満了による総選挙が行なわれた例は稀です。
衆議院の解散と同時に参議院は閉会(憲法54条)されます。衆議院が解散されたときは、解散の日から40日以内に総選挙を行ない、その選挙の日から30日以内に国会が召集されることとなります。
テレビで選挙の開票速報を見ていると、ときどきチャイムが鳴って、当確、すなわち、当選確実が伝えられることがあります。これは、誰が判定しているのでしょうか。
当確の発表は、開票がまだ終わっていなくても、いろいろな状況からみて、当選することが確実であると予想されるときに報道機関が判断して行うもので、選挙管理委員会が発表しているものではありません。
例えば、投票総数を定数で割って得た得票を獲得した者は、開票の終了を待つまでもなく、数字の上からは、当選が確実であると一応言えることになります。しかし、実際の開票速報における当確の判定は、他の候補者の得票状況や候補者の選挙地盤、その他過去の実績等を勘案して行われており、まだ開票率が数パーセントといった段階でも、当確の判定が行われることもあるようです。
選挙の結果をよく見てみると、ときどき1票に満たない、少数の数字が得票数についていることがあります。これは按分という制度によるものです。この制度は、同じ姓や名前の候補者が2人以上おり、その同じ部分のみが投票用紙に記載され、どちらに投票したのかが、判断できない場合に適用されます。このような際には、判断のつかなかった票をその候補者たちの得票数の割合に合わせて分け合います。こうすることにより、投票した方の意思を、可能な限り尊重することができるとされています。
例に、選挙太郎さんと選挙大輔さんという、候補者がいた場合を考えてみます。まず、按分する票以外の票が、選挙太郎さんに100票、選挙大輔さんに50票入っており、さらに「選挙」としか記載されていない票が10票入ったとします。この場合、二人の得票数の割合は太郎さんが2、大輔さんが1で2:1なので、「選挙」とだけ書かれた、10票はその割合2:1に合わせて 6.666… :3.333… に分けられます。その結果、太郎さんの得票は 106.666…、大輔さんの得票が 53.333…となります。候補者の多い市議会議員選挙などでは、特に按分が多く見受けられます。来年の4月に行われる予定の鎌倉市議会議員選挙では、このような、一票に満たない票にも注目してみてください。
日本で衆議院議員比例代表選挙や、参議院議員比例代表選挙の際に採用されている比例計算方式はドント式と呼ばれる方法です。この方法は、ベルギーのビクトル・ドントが考案したもので、各党の得票数を、それぞれ1、2、3、4、5と整数で割り、その値の大きい順に議席を割り当てていきます。
(例)6議席をA党、B党、C党、D党で争う場合
・得票数 :A党 15,000票、B党 6,000票、C党 4,000票、D党 1,500票
・それぞれ、整数で割る(割った結果が下の表)
得票数 |
A党 15,000 |
B党 6,000 |
C党 4,000 |
D党 1,500 |
1で割る |
15,000 (1) |
6,000 (3) |
4,000 (5) | 1,500 |
2で割る | 7,500 (2) |
3,000 |
2,000 | 750 |
3で割る | 5,000 (4) | 2,000 | 1,333 | 500 |
4で割る | 3,750 (6) | 1,500 | 1,000 | 375 |
5で割る | 3,000 | 1,200 | 800 | 300 |
・1議席目……まず、得票数を1で割ります。その中で一番大きい値は15,000なので、A党に議席が与えられます。
・2議席目……整数で割った値の中で、15,000の次に大きい値は、A党の得票を2で割った値の7,500(2)なので、2議席目もA党に与えられます。
・3議席目……7,500の次に大きな値は、B党の得票を1で割った6,000(3)なので、3議席目はB党に与えられます。
・4議席目……次に大きな値は、A党の得票数を3で割った値の5,000(4)なので、4議席目もA党に与えられます。
・5議席目……次は、C党の4,000を1で割った値 4,000(5)が、大きいので、C党に議席が与えられます。
・6議席目……最後の議席も同様に、4,000(5)の次に、A党の15,000を4で割った値3,750(6)が大きいので、A党に議席が与えられます。
・もっと議席数が多い場合でも、このような方法で1議席ずつ与える政党を確定させていきます。
このように、ドント式は1議席ごとに、1票の重みが、最も重くなるように、割り当てていきます。そのため、死票を減らすという比例代表選挙の趣旨に合い、最も民主的な比例配分方式だと言われています。
本来、地方公共団体の議会の議員及び長の選挙はその団体が自主的に期日を定めて施行するというのが原則ですが、特例措置を規定した法律(正式には「地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律」。以下「特例法」という。)により、全国的に期日を統一して行われることがあり、これを統一地方選挙と呼びます。戦後、新しい地方自治制度がつくられ1947年(昭和22年)4月に全地方公共団体で一斉に選挙が行われたのが第1回目に当たります。
地方公共団体の議会の議員及び長の任期は4年とされていますので、任期途中での議会の解散、長の退職及び市町村合併などといったことがなければ、4年ごとに多くの団体で任期満了を迎えることになり、各地方公共団体がバラバラに期日を定めて選挙を行うことになると、選挙事務が輻輳し、有権者も選挙活動をする者も混乱を免れないことになります。
また、期日を統一して行えば、地方選挙に対する有権者の関心を高めることにもなります。
そこで、1951年(昭和26年)以降も4年ごとに特例法を作り、期日を統一した地方選挙が行われています。
ただし、近年は統一地方選挙に統一されている地方選挙が減っています。実際、鎌倉市でも、令和5年4月9日に神奈川県知事及び神奈川県議会議員選挙が実施されました。市議会議員選挙は来年令和7年4月、市長選挙が同年10月に実施される予定です。
現在の選挙人名簿は、永久選挙人名簿と呼ばれていますが、「永久」とはどういう意味でしょうか。一旦登録されると、例えば住所が変わっても抹消されることはないのでしょうか。
永久選挙人名簿の「永久」とは、一度有効に選挙人名簿に登録されたときは、その登録は永久に効力を有し、死亡、国籍喪失、他の市町村の区域に住所を移し4か月を経過したときなどに法定の手続きによって抹消される場合のほかは、その効力を失わないことをさしています。
したがって、他の市町村に転出すると、元の市町村の選挙人名簿からは抹消されることになり、新しい市町村で登録されていないと、いずれの選挙人名簿にも登録されないという状況も場合によっては生ずることになります。
このような永久選挙人名簿の制度が採用されるまでは選挙人名簿は一定期間を限って効力を有することとされていましたので、これと対比して現行の制度は「永久」選挙人名簿と呼ばれているのです。
選挙啓発には、臨時啓発と呼ばれるものと、常時啓発と呼ばれるものがあることを、皆さんはご存じでしょうか。
臨時啓発とは、投票日の直前に駅前でティッシュペーパーを配る、投票日を周知するためのポスターを張る、テレビコマーシャルを流すといった、選挙の直前になると、しばしば目にする啓発のことです。この臨時啓発は、目前に迫った選挙について、棄権を防止し、投票率の向上を目指して、広く行なわれています。
では、常時啓発とはどのような活動のことでしょうか。常時啓発は、しばらく選挙が、無いような時期でも、有権者が政治や行政について興味を持ち、次に行われる選挙の際には、より有意義な票を投じられるようにすることを目的とした活動のことです。鎌倉市明るい選挙推進協議会が年一回発行している「白ばら」も常時啓発の一つと考えられます。これ以外にも、政治に関する講演会、行政施設の見学会など様々な形をとって、常時啓発は行われています。
しかしながら、近年、この常時啓発をさらに有意義なものにするため、見直していこうという動きがあります。選挙全体を統括している総務省では、「常時啓発事業のあり方等研究会」を開催し、報告書をまとめました。その中では、今後の常時啓発には、政治離れの進んでいる若者の参加が不可欠であることや、若者が政治に興味を持つためには、小・中学校や高校の生徒に対する政治教育も必要だとまとめられています。さらに、報告書の中では、全国の明るい選挙推進協議会も、そのことを考慮した活動が必要になるとも記載されており、今後、新たな常時啓発の方法が求められてゆくことになります。