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更新日:2014年2月18日

平成25年度予算編成方針(一般部用)

鎌倉市をとりまく状況


わが国経済は、昨年の東日本大震災による大幅な落ち込みを脱し、景気が回復しつつある様子が見受けられます。企業の4~6月期決算を見ると、東日本大震災の影響が大きかった前年同期から業績を急回復させる企業が目立っており、東日本大震災の復興需要、企業業績の回復傾向が見えています。今年7月に発表された内閣府の月例経済報告では、「景気は、依然として厳しい状況にあるものの、復興需要等を背景として、緩やかに回復しつつある。」としており、生産及び企業収益は緩やかに持ち直しており、個人消費は緩やかに増加している状況が見受けられ、「先行きについては復興需要等を背景に、景気回復の動きが確かなものとなることが期待される」としています。しかし、一方で、雇用情勢は持ち直しつつあるものの完全失業率は4%台と依然として厳しい状況にあり、欧州政府債務危機を巡る不確実性が依然として高い中で世界景気に減速感が広がっており、円高、ドル安・ユーロ安傾向が続き、景気を下押しするリスクとなっています。また、今年度4~6月期の実質GDP速報値は、前期(1~3月)比0.3%増、年率換算で1.4%の増で、昨年7~9月期以降、4四半期続けてプラス成長となっていますが、輸出が鈍化した上、個人消費も減速して成長率は小幅にとどまっています。

政府は、昨年度に引き続き、震災からの復旧・復興に全力で対応するとともに、景気の下振れ回避やデフレ脱却の施策を打ち出していますが、先行きは依然として不透明であり、予断を許さない状況が続いています。

一方、鎌倉市の財政状況に目を転じると、平成24年度の市税収入は、予算ベースでおよそ346億円と対前年度比1.6%減としており、平成23年度の決算額は347億円で、予算額を約4.8億円下回る見込みとなりました。

また、神奈川県内においては、今年度新たに2団体が普通地方交付税の交付団体となり、本市を含めた4団体のみがかろうじて不交付団体にとどまりました。しかし、本市の財政力指数は前年度よりさらに低くなっており、この状況が続くと、近い将来には本市も交付団体となる可能性があります。

このように非常に厳しい財政状況にもかかわらず、市行政に対する需要は年々複雑化、多様化しており、山積する既存の行政課題に加え、安全安心を含めたあらたな課題への対応も求められています。後期実施計画の計画期間における事業費は4年間で106.8億円の財源不足が見込まれており、これを捻出するため、新鎌倉行政経営戦略プランを実施し、さらに職員給与の暫定削減を実施しているところですが、新たなアクションプログラムの追加などさらなる見直しを行い、財源不足を補うため、あらゆる可能性を模索した財政運営が求められています。

このため、平成24年度に引き続き、すべての事業を原点から見直し、個々の施策ごとにその必要性、優先性を精査し、これまで以上に効率的に事業に取り組むのはもちろんのこと、事業によってはその内容の見直しや事業そのものの廃止や休止、延伸という厳しい決断を行わざるをえない予算編成作業になると認識しています。


平成25年度の歳入、歳出見通しと財政目標


1 歳入について

市税の約半分を占める市民税のうち、個人市民税については、名目GDP成長率が民間の大手シンクタンクの推計で平均1.7%程度と見込まれることに加え、退職所得に係る課税の10%税額控除が廃止されることなどから、対前年度約1.4億円の増を見込んでいます。一方、法人市民税については、法人税率が30%から25.5%に引き下げられる影響などから、対前年度約3.2億円の減が見込まれます。また、市たばこ税については増税に伴う増収傾向から、対前年度約2.4億円の増を見込んでいます。これらの結果、平成24年度予算と比較すると市税全体では約0.6億円の増が見込まれます。
市税以外の歳入としては、近年の特別地方交付税の交付実績からの推計によると、平成24年度も約2億円の収入を見込むことができる一方、普通交付税不交付団体による臨時財政対策債の起債が段階的に廃止されることから、平成24年度には4.9億円の収入を予算化した同起債収入が平成25年度には皆減となります。その他の経常的歳入の状況については、扶助費の伸びに伴う国県支出金の伸び等により、約2.3億円の増を見込んでいます。この結果、財政調整基金からの繰入金を除いた歳入全体の比較としては、平成24年度当初予算と同額か、僅かに上回る程度の歳入が見込まれます。


2 歳出について

義務的経費においては、職員給与費の暫定削減により、約9.1億円の人件費削減が見込まれるほか、公債費も約2.5億円の減が見込まれます。一方、財政計画においても年5.5%の伸びを見込んでいる扶助費と、これに連動する介護保険事業会計などへの繰出金の増加を、合わせて約7.9億円と推計しています。これに、法改正等による増額経費などの経費をはじめとした増などを約3.7億と見込んだ結果、歳出予算についても、ほぼ平成24年度当初予算並みの予算規模を見込んでいるところです。


3 財政目標

以上のとおり、平成25年度予算はほぼ前年度並みの収支が見込まれる状況にあります。しかし、平成24年度予算においては、財政調整基金から約28億円もの取り崩しを計上することにより、何とか必要財源を確保できたのが実態です。これは、その前年度に発生した旧中央公民館分館跡地の売却益などにより、基金の大幅な上積みが発生していたがゆえに選択できた手段です。一方、後期実施計画推計事業費における一般財源を見ると、平成24年度の37.5億円から平成25年度は49.6億円へと増加することなどから、現時点において約31億円の財源不足が見込まれています。
このような財政環境において、実施計画事業の必要財源を捻出するため、行政経営戦略プランに計上された職員数適正化計画の進捗、職員給与の見直しによる人件費の減として、対前年度約3.5億円を見込み、さらに、未利用地の売却を始めとしたその他のプランの実現により2.8億円を見込みます。さらに、既存事業のスクラップ&ビルドを始めとしたあらゆる手法による事務事業の見直しを貫徹することにより、全体で5億円の財源捻出を目標値として掲げることとします。
この結果、依然として19.5億円の財源不足が残ることとなり、この金額を財政調整基金からの取り崩しによって賄う以外に方策がないということになりますが、この時点において見込まれる財政調整基金の残額は20億円前後です。すなわち、これまでに述べてきた収支予測の中での予算編成を行おうとすると、財政調整基金が完全に枯渇させる結果となります。
しかし、大規模自然災害発生時など緊急時への備えとして、財政調整基金を完全に枯渇させることは避けなければなりません。また、後期実施計画における次年度以降の必要財源を考慮すると、過度な基金の取り崩しは避けるべきと考えられますので、少なくとも財政調整基金に10億円程度の残額を見込めるレベルまで収支を改善させることを、今回の予算編成作業の課題として位置付けます。


平成25年度予算編成の基本方針


平成25年度の予算編成に当たっては、前述の重点施策の実現に結びつけるため、各部事務事業の見直しの方向性について意見交換を行った事業ヒアリング、補助金の見直しガイドライン、市民事業評価の結果や審議の過程も考慮したうえで、次の点に留意し、予算編成を行ってください。


1 受益者負担の見直しを行う

施設利用や各種行政サービスの提供に際して、受益者に応分の負担を求めることは、住民間の公平を図るうえで極めて重要です。施設やサービスの利用者、事業参加者等に対し、適正な受益者負担を生じさせる料金設定とすべく、固定観念にとらわれることなく、受益者負担の見直しを行ってください。また、対象の公共性、公益性を再点検することにより、各種減免制度についても、従前の例にとらわれることなく、ゼロベースでの見直しを行ってください。必要なまた特に、市有財産の無償もしくは相場を下回る廉価での貸付を行っている場合は、前例にとらわれることなく、相場に見合った有償化の検討を行ってください。なお、段階的な見直しや激変緩和措置を要する場合は、平成25年度予算編成に併せて、必ず翌年度以降の制度見直しに係る年次計画を策定してください。


2 担い手の再検討を行う

事業の担い手として、行政が行う必然性の有無を再検討してください。市が直営で行っていた事業の民間委託化をはじめ、市民等の独創性や英知を結集できる「協働」によるまちづくりや、行政と民間企業とが互いにWin-Winの関係を築くことができる民間活力の導入手法を検討するなど、前例や慣例にとらわれることなく、新たな発想による再検討を試みてください。
施策目標を実現するにあたり、最小限の経費によって最大限の効果を生む手法の検討に重きを置いた予算編成を行ってください。他市における先進的な取り組みも調査し、本市においても実施可能なものがあれば積極的に取り入れてください。


3 全ての補助金等の必要性と妥当性について再評価、再点検を行う

全ての補助金等について、平成25年度の鎌倉市における必要性と補助率、補助額、対象者等の妥当性について例外なく再評価、再検討を行ってください。「鎌倉市補助金等に係る予算の執行に関する取扱要綱」では、おおむね、公共的団体等の運営費に対する補助率を1/3以内、建設的事業費(投資的なもの)は2/3以内、行事的な経費は1/3以内と、基本的な交付基準を定めています。特にこの交付基準を超えた補助を行っている補助金等につきましては、例外的な扱いとしなければならない必然性の有無を再点検してください。
また、時代の要求に合わなくなった補助金、一定の役割を終えた補助金につきましては、新たな社会的ニーズに応える財源を捻出するため、終息を第一に再点検してください。
さらに、団体補助につきましては、団体の活動内容や補助対象経費の公益性を再評価するとともに、団体の収支状況を詳細に確認し、これまでの補助実績に配慮することなく、客観的、合理的な視点から、市が担わなければならない財政負担の最適化を図ってください。


平成25年度予算編成における特記事項


1 予算要求にあたって

(1)政策的経費
政策的経費の要求については、別途通知される平成25年度予算化予定事業の内示結果に基づいて行うものとします。

(2)経常的経費の所管別配当方式
平成25年度の経常的経費の予算要求に当たっては、前年度に引き続き、所管別配当方式を採用するものとします。個々の施策と市民ニーズを熟知した事業担当部局が適切な事業選択を行い、事業の優先度や効果を見極めた予算編成を行うことに当方式のねらいがあるため、くれぐれもこの趣旨を踏まえた予算要求を行ってください。
歳入の落ち込みに加え、これまでのように財政調整基金や臨時財政対策債の活用を期待できない厳しい財政環境下において、重点事業に充てる財源を確保するためには、各種基金の活用などの財源対策に加え、事業の徹底的な見直しに基づき経費の削減に取り組まなければならない状況です。このため、平成25年度予算においては、示された要求限度額内での要求を行ってください。


2 予算要求内容の財政課査定

歳出予算要求限度額内にて行われた予算要求内容につきましても、各部間のバランスや、過去の決算実績等に加え、以下の視点を特に重視し、財政課が予算査定を行います。
・ 事業の優先順位付けを徹底する
・ 身の丈に合った取り組みに正す
・ 国、県の肩代わりは行わない
・ 新たな歳入確保策を案出する


3 職員減員対応経費

平成25年度の職員の減員予定等については、今後、行革推進課から各担当部局に示されることとなりますが、職員の減員に対応して必要となる委託料、システム開発費等については、各部等への配当枠とは別に、財政課の査定により、別途必要な予算措置を行うものとします。


4 行革等対応経費

中長期的な観点からの行財政改革に寄与する取組み等の積極的推進を図るため、民間委託の推進等により、中長期的な財務メリットにつながることが期待できる取り組みに係る先行投資に相当する事業費については、各部等への配当枠とは別に、財政課の査定により、別途必要な予算措置を行うものとします。


5 職員提案経費

職員提案制度により提案された事業のうち、審査の結果実施することとなった事業については、各部等への配当枠とは別に、財政課の査定により、別途必要な予算措置を行うものとします。


6 施設の維持修繕、老朽化対策

引き続き、弾力的な財源配分を可能とするための、施設等の維持修繕料・施設修繕に係る工事請負費については経費の複数年度を視野に入れた予算配分を行います。なお、既定の維持修繕料等では対応ができない、多額の事業費を要する大規模修繕については、実施計画事業としての取扱いとなる点に留意してください。


7 施設管理等

施設管理等について、管理内容等が類型化できるものは、一括契約の可能性を検討し、経費の節減につなげるよう努力してください。


8 特別会計予算

特別会計予算については個別査定を行います。予算要求に当たっては、引き続き使用料、保険料等の利用者負担の適正化を念頭に置き、歳入確保を行うとともに、歳出においてはさらなる経費削減や事業の合理化等により、一般会計からの繰入金への依存度を低くするよう努めてください。
なお、下水道事業特別会計については、公営企業としての自立した経営状況の実現を目指し、使用料や事業の見直しを積極的に進めてください。


9 インセンティブ予算の試行

インセンティブ予算は、他市で導入している「予算におけるメリットシステム」や「フィフティ・フィフティ事業」のように、経費の節減策や新たな収入確保の手法を具体的に示していただき、創意工夫や努力の内容を評価していくものです。単純な値上げによる増収を図るといったことではなく、創意工夫や努力の内容が問われるということに留意してください。


10 その他

ここで示している財政見通し等については、現時点での推計値に基づいて算定されていますので、制度改正や国、県の動向等により、今後大きく変動することも考えられます。その際には、この予算編成方針に必要な修正を加え、別途再調整のうえ対処するものとしますのでご留意ください。



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