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更新日:2014年11月7日

平成27年度予算編成方針

鎌倉市をとりまく状況


内閣府が8月13日に発表した2014年4-6月期の国内総生産(GDP)速報値は、物価変動を除いた実質で前期比1.7%減、年率換算で6.8%減となりました。これは、東日本大震災の影響により前期比6.9%減となった2011年1-3月期以来の大幅な落ち込みとなるものです。消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動により、GDPの約6割を占める個人消費が5.0%減と前期から大きく落ち込んだうえ、設備投資が2.5%減、住宅投資が10.3%減となったことがその要因とされています。政府は、住宅ローン減税の拡充や自動車取得税の税率引き下げなどの景気対策を行っていますが、消費、設備投資、住宅投資の主要3部門がいずれも大幅な減となるなど、期待したほどの効果は出ていない状況です。更に、7月30日に経済産業省が発表した6月の鉱工業生産統計において、生産指数が前月比3.3%低下し、基調判断を「弱含み」に下方修正したことから、一部で景気の回復に陰りが出てきているのではないかとの観測が出ています。

しかし、一方で、内閣府が8月11日に発表した消費動向調査によると、消費者心理を示す「消費者態度指数」は41.5と前月の41.1から上昇し、3カ月連続で改善しています。また、6月の有効求人倍率も前月から0.01ポイント上昇の1.10倍となり、1992年6月以来、22年ぶりの高水準となるなど、一部で明るい兆しも出てきています。

今後の日本経済については、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要による反動が一段落し、個人消費が持ち直すことにより、回復が見込まれるとの見方がある一方で、消費税率の引き上げ、食品、ガソリンの価格高騰などにより、可処分所得が下がっていることから、個人消費は政府が期待するほど回復しないのではないかとの見方もあります。デフレ脱却と持続的な経済成長を目指す安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」は、今、まさに正念場を迎えていると言えます。

一方、鎌倉市の財政状況に目を向けますと、市税収入は若干持ち直したものの、扶助費など社会保障費の増大が市の財政を圧迫する状況が継続しており、行政運営のための財源確保が難しくなっているのが現状です。また、本市では防災・減災対策や、公共施設の老朽化に伴う維持管理・建替費用の増大など、新たな課題への対応も求められており、今後も厳しい財政運営とならざるを得ない状況です。

このようなことから、平成27年度においても、すべての事業を原点から見直し、個々の施策ごとにその必要性、優先性を精査するとともに、厳しい財政環境について全職員が共通認識し、状況に応じて事業を再構築するなど、これまでに増して創意工夫を凝らした包括予算制度による予算編成作業への取組みが求められます。


平成27年度の歳入、歳出見通しと財政目標


1 歳入について

市税の約半分を占める市民税のうち、個人市民税については、平成27年度の名目GDP成長率が民間の大手シンクタンクの推計で平均2.3%と試算されたことなどから、対前年度2.6億円の増を見込みます。一方で法人市民税については、税制改正に伴う法人税割の税率改正などにより、約0.5億円の減を見込みます。また、固定資産税については、評価替えの影響などにより約0.9億円の減を、その他の税目を約0.4億円の増と見込んだことから、その結果、平成26年度予算と比較すると市税全体では、約1.6億円の増を見込みます。

市税以外の主な歳入としては、消費税率の引上げに伴う国からの地方消費税交付金の増を約8.9億円、株式譲渡交付金の増を約0.5億円と見込みます。その一方、国県支出金の減を約6.9億円、市債収入の減を約9.9億円、財産収入の減を約5.1億円、その他の財源の減を約9.1億円と見込みます。これに、財政計画に基づいて財政調整基金から繰入れる約13.4億円を加えることにより、一般会計歳入全体としては、平成26年度当初予算から約6.6億円の減となる約600.7億円を見込みます。


2 歳出について

職員給与の改正と退職者数の減などによる人件費の減を約3.3億円、公債費の減を約4.7億円と見込んでいます。その一方、後期高齢者医療事業特別会計などへの特別会計繰出金の増を約2.3億円と見込んでいます。また、前期実施計画に計上された事業費等については、事業費ベースで見ると国県支出金や市債収入が減少するものの、財源ベースで見ると一般財源が増加するため、約0.9億円の減に留まります。更に、平成27年度予算の理事者事前ヒアリングの結果、公共施設の改修等に係る経費や増加する社会保障費への対応などの事業費約5.5億円を見込むこととなったことから、一般会計歳出全体としては、平成26年度当初予算から約1.1億円の減となる約606.2億円を見込みます。


3 財政目標

以上のとおり、平成27年度予算の財政収支については、歳入が約600.7億円、歳出が約606.2億円となり、歳出が歳入を約5.5億円上回る見込みです。包括予算制度における各部等への配分枠については、翌年度の歳入見込額をベースに算定します。そのため、平成27年度の一般会計予算については、現在見込んでいる歳出を5.5億円圧縮し、歳入に合わせた600.7億円とし、包括予算制度による予算編成を行うこととします。各部等へは、この額を包括予算の当初配分枠として配当しますでの、この枠内での予算編成を財政目標とします。


平成27年度予算編成の基本方針


【メインポリシー(基本方針の4本柱)】

 事業の優先順位付けを徹底する
 受益と負担の適正化を図る
 身の丈に合った取り組みにする
 歳入の確保に取り組む

平成27年度の予算編成に当たっては、重点施策の実現に結びつけるため、予算の理事者ヒアリング、各部の事務事業について意見交換を行った事業ヒアリング、補助金の見直しガイドライン等を考慮したうえで、次の点に留意し、予算編成を行ってください。


1 事業の優先順位付けを徹底する

第3期基本計画前期実施計画における重点事業をはじめ、各部において、優先的に取り組むこととした事業については、予算を優先的に配分してください。そのため、これらの事業と比較して優先度の低いと判断した事業については、事業の整理、統合、廃止等を行うことによって優先すべき事業の財源を捻出してください。
これまでの予算編成においては、事業の優先度ではなく、事業費を一律に削減し、事業費を捻出していた部等が見受けれられましたが、このような手法を用いることなく予算編成を行ってください。


2 受益と負担の適正化を図る

施設利用や各種行政サービスの提供に際して、受益者に応分の負担を求めることは、住民間の公平を図るうえで極めて重要です。施設やサービスの利用者、事業参加者が適正な負担となるように、固定観念にとらわれることなく、見直しを行ってください。また、各種減免制度については、従前の例にとらわれることなく、ゼロベースでの見直しを行ってください。更に、市有財産の無償もしくは相場を下回る価格での貸付を行っている場合についても、適正な価格となるように、見直しを行ってください。なお、消費税率が10%に引き上げられた場合については、各課等において、使用料、手数料等の見直しを行っていただきます。


3 身の丈に合った取り組みにする

国県支出金による財源措置の廃止、縮減分を市費で肩代わりしているような事業や近隣市、同規模類似団体における取り組み、予算措置を上回っている事業につきましては、身の丈に合った取り組みとするため、制度の廃止や縮減、対象や単価の見直し等を行い、事業費を縮減してください。また、特に一部の限られた受益者に対する公費支出となっている事業等につきましても、事業の存続を含めて再検討してください。なお、段階的な見直しや激変緩和措置を要する場合は、平成27年度予算編成に併せて、翌年度以降の制度見直しに係る年次計画の策定に努めてください。


4 歳入の確保に取り組む

各部において、広告料収入や土地の貸付等の歳入の確保に取り組むとともに、新たな国・県補助金の獲得に努めるなど、これまでの仕組みにこだわらない様々な手段の検討を行ってください。また、各部等が歳入する特定財源は全て自らの財源として活用し、予算編成を行っていただくことになりますので、事業財源は自ら捻出するという視点に立ち、柔軟な発想で歳入の拡大に努めてください。


5 担い手の再検討を行う

事業の担い手として、行政が行う必然性の有無を再検討してください。市が直営で行っていた事業の民間委託化をはじめ、市民等の独創性や英知を結集できる「協働」によるまちづくりや、行政と民間企業とが互いにWin-Winの関係を築くことができる民間活力の導入手法を検討するなど、前例や慣例にとらわれることなく、新たな発想による再検討を試みてください。
施策目標を実現するにあたり、最小限の経費によって最大限の効果を生む手法の検討に重きを置いた予算編成を行ってください。他市における先進的な取り組みも調査し、本市においても実施可能なものがあれば積極的に取り入れてください。


6 全ての補助金等の必要性と妥当性について再評価、再点検を行う

全ての補助金等について、平成27年度の鎌倉市における必要性と補助率、補助額、対象者等の妥当性について例外なく再評価、再検討を行ってください。「鎌倉市補助金等に係る予算の執行に関する取扱要綱」では、おおむね、公共的団体等の運営費に対する補助率を1/3以内、建設的事業費(投資的なもの)は2/3以内、行事的な経費は1/3以内と、基本的な交付基準を定めています。特にこの交付基準を超えた補助を行っている補助金等につきましては、例外的な扱いとしなければならない必然性の有無を再点検してください。
また、時代の要求に合わなくなった補助金、一定の役割を終えた補助金につきましては、新たな社会的ニーズに応える財源を捻出するため、廃止に向けた検討を行ってください。
さらに、団体補助につきましては、団体の活動内容や補助対象経費の公益性を再評価するとともに、団体の収支状況を詳細に確認し、これまでの補助実績に配慮することなく、客観的、合理的な視点から、市が担わなければならない財政負担の最適化を図ってください。


平成27年度予算編成における特記事項


1 予算配当枠の設定

「鎌倉市包括予算制度」に基づく予算編成要領に従い、一般財源を配当します。配当された一般財源と部等が所管する特定財源との合計額をもって歳出予算要求限度額とします。


2 予算要求内容の財政課協議

包括予算制度の予算編成権限は各部長等にありますので、財政課は要求予算の款項目節が適切であるか、全庁的に統一性を維持すべき案件等について予算要求基準に沿った要求となっているかなどの点検のみ行うものとし、要求内容は原則として尊重します。


3 職員減員対応経費

平成27年度の職員の減員予定等については、今後、行革推進課から各担当部局に示されることとなりますが、職員の減員に対応して必要となる委託料、システム開発費等については、各部等への配当枠とは別に、財政課の査定により、別途必要な予算措置を行うものとします。


4 行革等対応経費

中長期的な観点からの行財政改革に寄与する取組み等の積極的推進を図るため、民間委託の推進等により、中長期的な財務メリットにつながることが期待できる取り組みに係る先行投資に相当する事業費については、各部等への配当枠とは別に、財政課の査定により、別途必要な予算措置を行うものとします。


5 職員提案経費

職員提案制度により提案された事業のうち、審査の結果実施することとなった事業については、各部等への配当枠とは別に、財政課の査定により、別途必要な予算措置を行うものとします。


6 施設の維持修繕、老朽化対策

施設の維持修繕費については、別枠配当を行わず、全体の枠の中に含めて配当しますので、必要な財源を施設の維持修繕費に配分してください。


7 施設管理等

施設管理等について、管理内容等が類型化できるものは、一括契約の可能性を検討し、経費の節減につなげるよう努力してください。


8 特別会計予算

特別会計予算につきましても包括予算制度による予算編成を行います。ただし、予算要求に当たっては、引き続き使用料、保険料等の利用者負担の適正化を念頭に置き、歳入確保を行うとともに、歳出においてはさらなる経費削減や事業の合理化等により、一般会計からの繰入金への依存度を低くするよう努めてください。
なお、下水道事業特別会計については、公営企業としての自立した経営状況の実現を目指し、使用料や事業の見直しを積極的に進めてください。


9 インセンティブ予算の試行

インセンティブ予算は、新規歳入の獲得や、歳出額の削減等につながる提案に対して予算上のインセンティブを与えようとするものですので、この制度を積極的に活用してください。


10 その他

ここで示している財政見通し等については、現時点での推計値に基づいて算定されていますので、制度改正や国、県の動向等により、今後大きく変動することも考えられます。その際には、この予算編成方針に必要な修正を加え、別途再調整のうえ対処するものとしますのでご留意ください。



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