ホーム > 市政情報 > 予算・財政 > 年度別財政情報 > 平成29年度予算編成方針

ここから本文です。

更新日:2016年12月28日

平成29年度予算編成方針

鎌倉市をとりまく状況


  内閣府が8月15日に発表した平成28年4-6月期の国内総生産(GDP速報値)の成長率は、0.0%(年率換算0.2%)と低い値となりました。これは、前期比で民間住宅が5.0%増と3四半期ぶりの増となったものの、GDP全体の6割を占める個人消費が0.2%の増と伸び悩んだことに加え、設備投資が0.4%の減、更に財貨・サービスの輸出が1.5%の減となったためです。その要因としては、消費税率引き上げから2年以上が経過した現在でも引き上げに伴う耐久消費財の駆け込み需要の反動が続いているほか、税・社会保険料の増加に伴う可処分所得の減が個人消費の伸び悩みに繋がったためと考えられます。また、平成28年6月23日に英国で行われた国民投票で同国の欧州連合(EU)離脱を望む意見が多数となったことを受け海外経済の不確実性の高まりから円高・株安などが進んだこともその要因と考えられます。

 

今後の日本経済については、米国の追加利上げに伴う金融市場の混乱や中国の景気減速などのリスクがあるものの、東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催までは経済成長が見込めるのではないかと考えられています。しかし、それ以降については、オリンピック関連の特需がなくなることなどから景気が減速する可能性が大きいと考えられています。

 

  このようなことから、政府は、東日本大震災からの復興・創生に向けて取り組むとともに、デフレからの脱却を確実なものとし、経済再生と財政健全化の双方を同時に実現していくため、「経済財政運営と改革の基本方針2016」、「日本再興戦略2016」、「規制改革実施計画」、「まち・ひと・しごと創生基本方針2016」、「ニッポン一億総活躍プラン」を相次いで打ち出し、着実に実行するとしています。また、経済対策の取りまとめや平成28年度補正予算を編成し、熊本地震による被災者の生活への支援や地域・中小規模の事業者も含めた経済の好循環の更なる拡大を実現するとしています。

 

一方、鎌倉市の財政状況に目を向けますと、市税収入は若干持ち直したものの、扶助費など社会保障費の増大が市の財政を圧迫する状況が続いており、都市経営のための財源確保が難しくなっているのが現状です。また、防災・減災対策などに係る費用や中長期的な課題である公共施設の再編、社会基盤の維持・更新などに多額の費用が見込まれることから、今後も厳しい財政運営が続くと思われます。

 

 このようなことから、平成29年度においては、現在進めている第3期基本計画に係る後期実施計画策定を確実に実施するため、すべての事業を原点から見直し、個々の施策ごとにその必要性、優先性を精査するとともに、状況に応じて事業を再構築するなど、創意工夫を凝らした取り組みを行うことが求められます。

 

また、今後、10年間については、大規模事業が集中して実施されることが予定されており、これらの事業をそのまま実施した場合には、大幅な財源不足に陥ることが見込まれています。そのため、各部等においては、今まで以上に積極的に事業の整理、統合、廃止を実施することが必要となります。


平成29年度の財政収支の見通しと当初予算配分枠


1 財政収支の見通し
 (1)歳入について

市税については、経年的な家屋の新築等により固定資産税の増を約1.1億円と見込んでいます。また、市民税のうち個人市民税については、税制改正などに伴い約0.3億円の増を見込んでいます。一方で、市たばこ税については、たばこ税の度重なる増税などにより販売数量が減少していることから、約0.1億円の減を見込んでいます。更に都市計画税や軽自動車税などの増減を見込むと、市税全体では、平成28年度予算と比較し、約1.4億円の増と見込みます。

市税以外の主な歳入としては、国県支出金の増を約1.3億円、地方消費税交付金の増を約4.4億円、ふるさと寄附金などのその他の財源の増を約12.8億とそれぞれ見込んでいます。また、その一方で、市債収入の減を約10.6億円と見込むことから、一般会計歳入全体としては、平成28年度当初予算から約9.3億円の増となる約617.2億円を見込みます。


 (2) 歳出について

人件費については、退職手当の減などにより約2.9億円の減を、また、公債費の減を約0.7億円を見込んでいます。その一方で、扶助費の増を約3.2億円と見込んでいます。また、後期実施計画に計上予定の事業費の増を約12.7億円、その他の事業費の減を約3.0億円と見込むことから、一般会計歳出全体としては、平成28年度当初予算から約9.3億円の増となる約617.2億円を見込みます。 


2 当初予算配分枠

以上のとおり、平成29年度予算の財政収支については、歳出が約617.2億円、歳入が約617.2億円となり、歳入、歳出が同額となる見込みです。

包括予算制度における各部等への配分枠については、翌年度の歳出見込額に対する歳入見込額を積算し、不足する際は、歳出の見込額を圧縮したうえ、各部等へ配分しています。

平成29年度の一般会計予算については、歳入歳出の見込額が同額となり、本来であれば、歳出を圧縮することなく予算編成を行うところですが、歳出の見込額とは別に、ふるさと寄附金制度の導入に伴い寄附者の意向を汲んで拡充する事業費として担当課へ約1.0億円の配分を予定しています。

そのため、まず、歳出全体から1.0億円を圧縮し、616.2億円とした上で、ふるさと寄附金制度に係る事業費1.0億円を再配分し、最終的に歳入・歳出を617.2億円として、予算編成を行うものとします。

上記の内容を踏まえて当初の配分枠として配分し、各部等においては、この枠内での予算編成を厳守するものとします。

なお、当初、予定していなかった経費が発生した場合や法令改正等に起因する別枠経費が発生した場合については、この分の財源を各部等への配分枠を更に縮減することにより、捻出することとします。


平成29年度予算編成の基本方針


【メインポリシー(基本方針の4本柱)】

 事業の優先順位付けを徹底する
 新たな財源の確保に取り組む
 コスト意識を持った取り組みにする
 身の丈に合った取り組みにする

平成29年度の予算編成に当たっては、重点施策の実現に結びつけるため、予算の理事者ヒアリング、各部の事務事業について意見交換を行った事業ヒアリング、補助金の見直しガイドライン等を考慮したうえで、次の点に留意し、予算編成を行ってください。


1 事業の優先順位付けを徹底する

現在、策定中の後期実施計画における重点事業をはじめ、理事者ヒアリング等を通じて、各部において、優先的に取り組むこととした事業については、予算を優先的に配分してください。そのため、これらの事業と比較して優先度の低いと判断した事業については、事業の整理、統合、廃止等を行うことによって優先すべき事業の財源を捻出してください。

これまでの予算編成においては、事業の優先度ではなく、事業費を一律に削減し、事業費を捻出していた部等が見受けれられましたが、このような手法を用いることなく予算編成を行ってください。


2 新たな財源の確保に取り組む

包括予算制度による予算編成では、各部等に配分される一般財源に、特定財源を上積みすることにより、歳出予算規模を拡大することが可能となるほか、創意工夫によって生み出された財源については、一部を後年度の各部等配分額に上乗せすることができます。

先進市の取り組みや、先行している他課の取り組み等を参考に、広告料収入を始め、あらゆる可能性についてタブー視することなく、歳入獲得手段について広く検討を行ってください。また、国・県補助金については、積極的に情報収集に努め、新たな補助金の獲得に繋がるように取り組んでください。

従前の所管別配当方式におきましても、歳出予算に直結する「関連歳入」の増が歳出予算枠の増に結び付く仕組みとなっていましたが、包括予算制度におきましては、各部等が歳入する特定財源は全て自らの財源として活用し、予算編成を行っていただきます。よって、これまで以上に歳入予算の増減が各部等の予算編成に大きな影響を及ぼすこととなりますので、事業財源は自ら捻出するという視点に立ち、柔軟な発想で歳入の拡大に努めてください。


3 コスト意識を持った取り組みにする

限られた経営資源を有効に活用するためには、固定観念から脱却し、コスト意識を持った予算編成を行うことが重要です。

そのため、既存事業、新規事業を問わず、最少のコストで事業を実施しているかを検証し、他にコストの削減が可能な手法等があるものについては、見直しを行ってください。また、すぐに成果をあげることは出来ないものの数年度に、コストに見合った成果をあげることができる事業などには、各部等の主体的なマネジメントにより予算を重点的に配分してください。


4 身の丈に合った取り組みにする

国県支出金による財源措置の廃止、縮減分を市費で肩代わりしているような事業や近隣市、同規模類似団体における取り組み、予算措置を上回っている事業につきましては、身の丈に合った取り組みとするため、制度の廃止や縮減、対象や単価の見直し等を行い、事業費を縮減してください。また、特に一部の限られた受益者に対する公費支出となっている事業等につきましても、事業の存続を含めて再検討してください。なお、段階的な見直しや激変緩和措置を要する場合は、平成29年度予算編成に併せて、翌年度以降の制度見直しに係る年次計画の策定に努めてください。


5 事業評価結果を適切に予算に反映させる

包括予算制度では、実施計画事業として採択された重点事業に係る財源を確保したうえ、それを包括予算の中に加えて配分枠を作成していますが、いわゆる、経常的な経費については、固定化し、既得権化している傾向がありました。そのため、昨年度から事務事業評価とリンクさせる形で、拡大又は縮小すべきと評価した事業について、その評価結果を、反映させて各部等に枠配分を行っていますので、予算編成に当っては、その評価結果を適切に反映させた事業内容としてください。


6 ふるさと寄附金制度に係り追加配分した予算を適切に事業に反映する

ふるさと寄附金制度については、本市へ寄附をしていただいた寄附者の意向を反映した予算の配分が必要であると考えます。そのため、各部等への配当枠とは別に、財政課の査定により、別途必要な予算を措置しますので、予算編成に当っては、適切に事業に反映させてください。


7 受益と負担の適正化を図る

施設利用や各種行政サービスの提供に際して、受益者に応分の負担を求めることは、住民間の公平を図るうえで極めて重要です。施設やサービスの利用者、事業参加者が適正な負担となるように、固定観念にとらわれることなく、見直しを行ってください。また、各種減免制度については、従前の例にとらわれることなく、ゼロベースでの見直しを行ってください。更に、市有財産の無償もしくは相場を下回る価格での貸付を行っている場合についても、適正な価格となるように、見直しを行ってください。


8 担い手の再検討を行う

事業の担い手として、行政が行う必然性の有無を再検討してください。市が直営で行っていた事業の民間委託化をはじめ、市民等の独創性や英知を結集できる「協働」によるまちづくりや、行政と民間企業とが互いにWin-Winの関係を築くことができる民間活力の導入手法を検討するなど、前例や慣例にとらわれることなく、新たな発想による再検討を試みてください。

施策目標を実現するにあたり、最小限の経費によって最大限の効果を生む手法の検討に重きを置いた予算編成を行ってください。他市における先進的な取り組みも調査し、本市においても実施可能なものがあれば積極的に取り入れてください。


9 全ての補助金等の必要性と妥当性について再評価、再点検を行う

全ての補助金等について、平成28年度の鎌倉市における必要性と補助率、補助額、対象者等の妥当性について例外なく再評価、再検討を行ってください。「鎌倉市補助金等に係る予算の執行に関する取扱要綱」では、おおむね、公共的団体等の運営費に対する補助率を1/3以内、建設的事業費(投資的なもの)は2/3以内、行事的な経費は1/3以内と、基本的な交付基準を定めています。特にこの交付基準を超えた補助を行っている補助金等につきましては、例外的な扱いとしなければならない必然性の有無を再点検してください。

また、時代の要求に合わなくなった補助金、一定の役割を終えた補助金につきましては、新たな社会的ニーズに応える財源を捻出するため、廃止に向けた検討を行ってください。

さらに、団体補助につきましては、団体の活動内容や補助対象経費の公益性を再評価するとともに、団体の収支状況を詳細に確認し、これまでの補助実績に配慮することなく、客観的、合理的な視点から、市が担わなければならない財政負担の最適化を図ってください。

 


平成29年度予算編成における特記事項


1 予算配当枠の設定

「鎌倉市包括予算制度」に基づく予算編成要領に従い、一般財源を配当します。配当された一般財源と部等が所管する特定財源との合計額をもって歳出予算要求限度額とします。

各部等においては、この歳出予算要求限度額を厳守するものとします。


2 予算要求内容の財政課協議

包括予算制度の予算編成権限は各部長等にありますので、財政課は要求予算の款項目節が適切であるか、全庁的に統一性を維持すべき案件等について予算要求基準に沿った要求となっているかなどの点検のみ行うものとし、要求内容は原則として尊重します。


3 職員減員対応経費

平成29年度の職員の減員予定等については、今後、職員課から各担当部局に示されることとなりますが、職員の減員に対応して必要となる委託料、システム開発費等については、各部等への配当枠とは別に、財政課の査定により、別途必要な予算措置を行うものとします。


4 行革等対応経費

中長期的な観点からの行財政改革に寄与する取組み等の積極的推進を図るため、民間委託の推進等により、中長期的な財務メリットにつながることが期待できる取り組みに係る先行投資に相当する事業費については、各部等への配当枠とは別に、財政課の査定により、別途必要な予算措置を行うものとします。

 


5 施設の維持修繕、老朽化対策

施設の維持修繕費については、別枠配当を行わず、全体の枠の中に含めて配当しますので、必要な財源を施設の維持修繕費に配分してください。


6 特別会計予算

特別会計予算につきましても包括予算制度による予算編成を行います。ただし、予算要求に当たっては、引き続き使用料、保険料等の利用者負担の適正化を念頭に置き、歳入確保を行うとともに、歳出においてはさらなる経費削減や事業の合理化等により、一般会計からの繰入金への依存度を低くするよう努めてください。

なお、下水道事業特別会計については、公営企業としての自立した経営状況の実現を目指し、使用料や事業の見直しを積極的に進めてください。


7 インセンティブ予算制度

インセンティブ予算は、新規歳入の獲得や、歳出額の削減等につながる提案に対して予算上のインセンティブを与えようとするものですので、この制度を積極的に活用してください。

 

 


8 その他

ここで示している財政見通し等については、現時点での推計値に基づいて算定されていますので、制度改正や国、県の動向等により、今後大きく変動することも考えられます。その際には、この予算編成方針に必要な修正を加え、別途再調整のうえ対処するものとしますのでご留意ください。




PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Readerが必要です。

Adobe Readerをお持ちでない方は、下記リンク先から無料ダウンロードしてください。

鎌倉市ホームページについて

お問い合わせ

所属課室:総務部財政課財政担当

鎌倉市御成町18-10 本庁舎2階

電話番号:0467-23-3000

  • PC版を表示
  • スマホ版を表示