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更新日:2025年2月18日
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第21号/平成13年5月1日指定
安齊商店は、大正2年創業の農水産物加工問屋卸商店(乾物屋)で、現在の建物は大正13年に建てられました。石造の基礎や土間、揚戸(あげど)など近世の 商家を思わせるつくりは、創建当初の姿をよくとどめています。また、店舗の奥には、昭和13年に建てられた倉庫兼住宅も残されています。
安齊商店は、長谷の商業地としての往時の賑わいを伝える貴重な建物です。
長谷一丁目
安齊商店の主屋は、大正13年に農水産加工物問屋卸商店(いわゆる乾物屋)を営む安齊真之助氏によって震災で倒壊した建物にかわって建てられたもの。
大正13年創建は、「大正拾参年九月大吉日 建築費用帳」と題する帳面が残されており、そこに9月11日に「仕事始メ」をして、10月1日に上棟を行なったことが記されていることを根拠とする。
創建後の変遷としては、北側に増築が行なわれたことと当初波板鉄板葺きであった2階の屋根が瓦に葺きかえられたことがあげられる。
店舗に西側には、当初物置と平家の建物が存在していたが昭和45年頃に現在の鉄骨2階建ての倉庫に建て替えが行なわれた。
敷地内、主屋の奥にある別棟は、昭和13年に建築されたもの。
安齊商店は、1、2階とも寄棟で、妻側を正面としている。正面の店舗部分は最もよく当初の姿をとどめており、この店舗部分は土間と、その奥の低い板床の帳場から構成されている。
特に土間部分の正面はガラス戸ではなく揚戸であり、古い形が残されている。
また、店舗部分の基礎は石造であり、安齊商店は近代というよりも近世の商家の伝統をよく残した建物ということができる。
昭和13年の創建になる奥の2階建て別棟は、1階の倉庫部分が当初の姿をよくとどめている。
2階には8畳と6畳の和室があり、2階に居住部分をもったユニークな倉庫である。
なお、この別棟の外壁は、主屋の和風の下見板とは異なり、洋風の下見板であり、東側のファサードを見る限りでは、和風の店舗部分に洋風の住居部分が奥にあるような印象を受ける。