ここから本文です。

更新日:2023年9月4日

広報かまくら令和3年度9月1日号2-3面

コミュニケーションの工夫で、より良いまちへ

視覚障害および聴覚障害などの障害がある人は、情報取得や意思疎通が困難なため、不安や不便を感じています。市は、みんながお互いを尊重し合い、不自由を感じている人が望むかたちで社会参加しやすくする条例「視覚障害者及び聴覚障害者等の情報取得等の手段についての選択の機会の確保に関する条例」を、7月に制定しました。

条例の全文

障害福祉課

視覚障害

視覚障害には、「視力がない」「視野が狭い」「色が判別できない」などがあり、読み書きや移動・歩行などで不自由があります。先天的に視力がない場合と、後天的に視力を失った場合では、必要な配慮が異なります。

点字

スクリーンリーダー(画面読み上げソフト)

  • 相手の前方から声を掛け、こちらが誰なのか名乗ってから話す
  • 「あちら」「それ」などの指示語は使わない。「右側」「時計の9時の方向」のように具体的に表現する
  • 誘導時は白杖(はくじょう)ではない側に立ち、こちらの肩などを貸し少し前をゆっくり歩く

聴覚障害

聴覚障害には、「聞こえない」「聞こえにくい」などがあり、言語障害を伴う場合もあります。

発声ができる人や補聴器をつけている人でも、視覚による情報で内容を補っていることがあることに、留意が必要です。

手話

筆談

  • 手話や筆談など、利用したいコミュニケーション方法を確認する
  • 補聴器を着けている人に大きな声で話すと聞き取りにくくなるため、普段の大きさの声でゆっくり、はっきり話す
  • 分からなくても相づちを打ってしまう場合があるため、いつでも聞き返せるよう、温かい雰囲気で伝える

知的障害
発達障害
精神障害

耳からの情報よりも、目からの視覚的な情報を受け取ることが得意です。

少数派であることから、疲れやすく対人コミュニケーションに緊張してしまう人もいます。

コミュニケーション支援ボード…(公財)明治安田こころの健康財団が現全国特別支援学校知的障害教育校長会と制作し普及させているコミュニケーション支援ツール

  • 年齢にふさわしい対応で本人を尊重しつつ、穏やかな口調で「ゆっくり」「具体的に」「くり返し」伝える
  • 「5分待ってください」などと具体的な見通しを伝えたり、絵や写真などを積極的に活用する

言語障害
肢体不自由
内部障害

発声が難しい、思うように筋肉が動かないなどのために、意思疎通が困難なことがあります。また、ペースメーカーなど内部障害のある人は、疲れやすい状態にあることに留意が必要です。

透明文字盤

  • 言葉が出るまでに時間がかかる場合があるため、話の先回りをせず相手が話し終わるまで待つ。その上で、聞き取った言葉はあいまいにせず、一語一語確認する
  • 車いすの人と話す時は、かがんで目の高さを合わせて話す

あなたも参加してみませんか

市内には、障害者との橋渡しや親睦・支援活動を続けている団体があります(「生涯学習ガイドブック」を参照)。

活動状況は事前に各団体に確認を!

鎌倉市点訳赤十字奉仕団

一般書・童話などの本や「広報かまくら」などを、点字に訳しています。

点訳者を養成する講座は、毎年5月に開講。

【活動場所・日時】

福祉センター…木曜日 13時00分~15時00分

【問い合わせ】

市社会福祉協議会 電話23-1075

鎌倉手話サークル「笹りんどう会」

会員と聴覚障害者との親睦を図るとともに、手話技術の習得をしています。

【活動場所・日時】

  • 福祉センター…第1・3火曜日、第2・4木曜日 10時00分〜12時00分
  • 鎌倉生涯学習センター…水曜日 18時30分~20時00分

【問い合わせ】

青木 電話・FAX23-8659

手話講習会(入門・基礎編)

手話通訳者の育成。併せて聴覚障害者との交流を通して相互理解を図ります。

(注)今年度の募集は終了

上級編の募集はインフォメーション(9面)を

【活動場所・日時】

福祉センター…木曜日 18時45分~20時45分

【問い合わせ】

障害福祉課 電話61-3975

市では、このように取り組んでいます

窓口や庁舎

  • 手話や筆談でお話しできます
  • 代読や代筆をします
  • 入り口やトイレに音声案内があります
  • 電光掲示板を活用しています

相談や補助

  • 支援機関を一覧にして案内しています
  • 日常生活用具・補装具や同行援護の費用を補助します
  • 障害福祉相談員が相談に乗ります
  • 市民・支援者向けの講演会、新型コロナワクチン接種などに手話通訳者を派遣しています

情報発信

  • 「広報かまくら」に点字版・音声版・手話版があります
  • 中央図書館で録音図書(デイジー図書など)や点字図書を貸し出しています
  • 市ホームページは見やすい色彩と書体を使い、音声読み上げ機能もあります
  • 市長定例記者会見は手話通訳をしています

【聴覚障害や言語障害がある人】

NET119(緊急通報システム)をご利用ください

登録しておくと、緊急時に音声を使わずスマートフォンなどで消防署に通報できます。

【問い合わせ】指令情報課 FAX44-5551、Eメール:sirei@city.kamakura.kanagawa.jp

【内部障害などのある人】

ヘルプマークを配布しています

外見からは分からなくても援助や配慮を必要としていることを知らせているマークです。障害福祉課(本庁舎1階)で配布しています。

お話を聞きました

市内の最年少手話通訳者・崎山さんと、市内在勤の盲導犬ユーザー・板嶌さんに、お話を聞きました。

崎山あさみさん(手話通訳者)

私は小学4年生の授業で手話を知り、それから家族で手話を覚えたり、出掛けたときに使ったりして楽しむようになりました。高校では手話部に入り、手話で話す同級生がいたこともあり、より身近なものになりました。手話は、言語の一つだと思います。アルバイト先で、お客さんが耳が不自由な様子だったので手話で対応してみたら通じて、とても喜ばれたのも、うれしい思い出です。

現在平日は仕事があるので、休日に月3、4回ぐらい通訳を行っています。依頼は、塾の面談や学校説明会、車の買い替えなどさまざまです。新型コロナワクチン接種にも同行しています。

通訳で心掛けていることは、依頼者に伝わりやすい単語や表現を使うということです。聞こえない方によって知っていることも違うため、表した手話で伝わりにくい時は、他の手話表現に変えてみることが必要です。

手話通訳者を目指す人へ

相手のことを分かろうとする気持ちが大切だと思います。手話を通して広がっていく、人との関わり合いを楽しんでください。

板嶌(いたじま)憲次郎さん(盲導犬ユーザー)

私は20歳になる少し前に網膜色素変性症にかかりました。病状は徐々に進行し、白杖もつらくなって、44歳で盲導犬ユーザーとなりました。

盲導犬と歩くことで歩行が楽になるばかりでなく、精神的に大きな安心を得ました。白杖で歩いている頃は、暗くなってくると見えにくくなるので大きな不安に襲われたものです。けれども盲導犬が一緒だと暗くても余裕を持って歩けます。

盲導犬は段差や曲がり角、障害物などを教えますが、道順を教えることはしません。信号もユーザー(人)が判断しているので、もし交差点などで困っている様子を見かけたら、「一緒に渡りましょうか」「お手伝いしましょうか」などと、声を掛けてくださると助かります。

ユーザーはみんなさまざまな経験を経て盲導犬との歩行を選択しています。この背景に少し思いを巡らせていただけたら、うれしいです。それに、盲導犬はユーザー自身が責任を持って健康・衛生管理を行っていますので、安心して受け入れていただきたいです。

盲導犬は、視覚障害者が安全に歩くために訓練された犬です。ペットではないので、触るのはやめましょう。そっと温かく見守ってください。このほか身体障害者補助犬には、聴導犬や介助犬もいます。

お問い合わせ

所属課室:共生共創部広報課広報担当

鎌倉市御成町18-10 本庁舎2階

電話番号:0467-61-3867

メール:koho@city.kamakura.kanagawa.jp

  • PC版を表示
  • スマホ版を表示