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更新日:2024年2月5日

広報かまくら令和3年度2月1日号6面

第3回 地域共生社会推進全国サミットinかまくら 開催しました!

地域共生課 電話61-3436

昨年11月18日・19日にオンラインで開催し、約1,600人の皆さんにご参加いただきました。サミットでは、コロナ禍での価値観の変容や気づき、多様な人々を支える新たなテクノロジーの可能性に議論が及びました。講演・パネルディスカッションの概要を紹介します(敬称略)。

いざ、共生・共創〜安心して自分らしく暮らせるまちをともにつくる〜

サミットの録画動画をYouTube鎌倉市公式チャンネルで配信中(一部視聴できないプログラムあり)

特別講演

『選択肢を増やそう』乙武 洋匡(作家)

テクノロジーの活用で「排除」から「包摂(ほうせつ)」へ

多様性や包摂への理解を進めるには、多くの人に不便や不利益が生じるかもしれません。なぜなら、今まで誰かを「排除」することで不当に安くできていたものを正当な価格で実現するには、多くのコストがかかるからです。私は、それをテクノロジーの活用で解決できないかと考えています。

世の中は再び以前の日々を取り戻しつつあります。しかし、もともと社会生活を送ることに困難を抱え、そこに戻れない人たちがいることも覚えておいてほしいです。コロナ収束後も、コロナ禍でできた新しい社会参加の選択肢を残し、テクノロジーの活用でさらにそれらを増やしていく。そうすることで、その選択肢がないと困る人たちを「包摂」していきたいです。

選択肢を増やすことは、自分らしく生きられる人を増やすことであり、ライフスタイルや価値観が保障された上で、一人一人が幸せに、自分に合った生き方ができる社会をつくること。そういう社会が必要だと思います。

基調講演

『安心安全なデジタル社会の創成』村井 純(慶應義塾大学教授)

目指すサービスは「置いてきぼりを作らない」

私は国のIT戦略に関わっていますが、SDGsの理念のもと、デジタル施策においても「置いてきぼりを作らない」ことを目指しています。

デジタル社会というと何か冷たい感じがしますが、インターネットの普及で人類が初めて「ひとつの空間」でつながるようになりました。これによって、コストもかからず、さまざまな問題が解決できるようになりました。今後、デジタルを活用していく上で、医療・健康・防災・教育といった地域共生社会に係る身近な領域に着目しながら、誰もがその利便性を享受でき、やりたいことに専念できるよう、中央と地方の行政サービスが全てつながる社会を提案しているところです。

デジタルを活用する上で、皆さんの中に倫理面で多くの不安があることも承知しています。その解決には、デジタルを「悪用」ではなく「善用」する日本的な「デジタル道」を築いていくことが肝要だと考えています。

パネルディスカッション

『多様な社会参加で、安心して自分らしく暮らせるまちをつくる』

  • 永田 祐(同志社大学社会学部教授)
  • 浦田 愛(文京区社会福祉協議会地域福祉推進係地域連携ステーションフミコム係長)
  • 小島 希世子((特非)農スクール理事長・(株)えと菜園代表)
  • 又村 あおい((一社)全国手をつなぐ育成会連合会常務理事兼事務局長)
  • 唐木 啓介(厚生労働省社会・援護局地域福祉課地域共生社会推進室長)
多様な人が参画できる寛容な地域づくり

本市の共生条例の理念の一つである「自らが望む形で社会に参画する」を軸に、子どもやその家族、高齢者、障害者、生活困窮者、地縁関係者、事業者などが協働した、「個」に応じた多様な働き方、地域の参加の場づくりについて討論。住民の多機能な居場所となっている「こまじいのうち」など文京区社会福祉協議会の取り組みや、藤沢市の農家が展開する「農スクール」、障害者施設に通う人たちが地域の課題を解決することを通して地域で仕事をつくり出す「C型就労」など、具体的な事例が紹介されました。

『安心して自分らしく暮らせるまちをつくるために』

  • 大森 彌(東京大学名誉教授)
  • 南雲 岳彦((一社)スマートシティ・インスティテュート専務理事)
  • 村木 厚子(津田塾大学客員教授)
  • 土生 栄二(厚生労働省老健局長)
弱者に良いまちは、みんなに良いまちに

南雲さんからは、「デジタルは目的ではなく、手段。市民の課題解決を中心にしたデジタル社会が必要」。村木さんからは、若い女性への支援を行う中で「SOSが発信できない人たちにどう寄り添うか。デジタルも活用できるのでは」。土生さんからは、「誰もが歳を重ねていく中で、国における高齢者の保健福祉政策は、地域共生社会の実現に向けた大きな柱となるのではないか」。議論は、「女性、高齢者、障害者を含めた弱者にとっての良いまちは、みんなにとっての良いまちになる」と締めくくられました。

『災害時に誰一人取り残さないために~福祉、防災、コミュニティの連結~』

  • 鍵屋 一(跡見学園女子大学観光コミュニティ学部コミュニティデザイン学科教授)
  • 菅野 拓(大阪市立大学大学院文学研究科准教授)
  • 菅原 健介((株)ぐるんとびー代表取締役)
  • 村野 淳子(別府市防災局防災危機管理課防災推進専門員)
  • 重永 将志(内閣府政策統括官(防災担当)付参事官(避難生活担当))
地域での事前準備と災害後の仕組みづくりを

災害時に誰一人取り残さないために必要な取り組み、地域(社会)や行政のあり方を討論。通常時の支援体制の整備の重要性、専門職を中心とした伴走支援を通じて、市民と連携を構築していくことの大切さが話し合われました。まず重要なのは、福祉サービス利用者の個別避難計画の作成、それとともに災害時のケースマネジメントの準備を始めること。それには地域の協力が不可欠であることが、事例を基に提案されました。議論では、災害についての話し合いが通常時の安心・安全につながるとの認識が示されました。

『SOSの声とつながり、社会的孤立を防ぐには』

  • 鈴木 秀洋(日本大学危機管理学部准教授)
  • 鴻巣 麻里香(KAKECOMI代表・ソーシャルワーカー)
  • 星山 麻木(明星大学教育学部教授・(一社)こどもかぞく早期発達支援学会会長)
  • 渡辺 篤(現代美術家)
  • 和田 幸典(厚生労働省政策統括官(総合政策担当)付政策統括室政策企画官)
「助けて」がなくても関わり、寄り添うために

コロナ禍で社会的孤立や排除が顕著になる中、発することが困難な小さなSOSをどう見つけ、寄り添い、伴走できるのか。家族、地域、関係機関・行政のあり方を討論。(1)SOSが出された後の関わりではなく、日常的な関係性と場が必要、(2)SOSのキャッチには、支援の受け手と提供側がお互いにできることで支え合う視点が不可欠、(3)意識的に多様なコミュニティ作りを行う、(4)対等で相手のそのままを受け入れる関わりの大切さ、(5)行政は優しいまなざしの制度化と実効化を。こうした具体的な提言が出されました。

お問い合わせ

所属課室:共生共創部広報課広報担当

鎌倉市御成町18-10 本庁舎2階

電話番号:0467-61-3867

メール:koho@city.kamakura.kanagawa.jp

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