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更新日:2022年8月29日

広報かまくら令和4年度9月号6-7面

祝・敬老の日 高齢者が元気で暮らせる地域づくり

高齢者いきいき課 電話61-3930(本庁舎1階)

「敬老の日」に寄せて

鎌倉市長 松尾崇

「敬老の日」を迎えるにあたりまして、長きにわたり社会に貢献され、ご尽力されました皆様方に、心より感謝と敬意を表しますとともに、ご長寿のお祝いを申し上げます。

新型コロナウイルス感染症の影響により、引き続き感染予防を行いながら過ごす毎日ではありますが、以前よりも外出などの機会が増え、日々の活動が戻りつつあることと思います。街中で皆様のお元気なお顔を拝見する機会が増えて、私も大変うれしく思っているところです。

今日までの地域の発展は、皆様方の長年にわたる地域へのご尽力の賜物であり、積み重ねてこられた知識と経験は、本市の貴重な財産です。皆様が育まれた地域で、安心して元気に暮らすことのできる社会の実現に向けて取り組んでまいりますので、今後とも本市の発展のためにお力添えを賜りますようお願い申し上げます。

結びに、皆様方がいつまでもお元気でご長寿を重ねられますことを心よりお祈り申し上げ、お祝いの言葉とさせていただきます。

敬老祝品を贈呈

市では、高齢者の皆様に感謝と敬愛の意を表し、敬老祝品を贈呈します。対象は次の年齢(9月15日現在)の人です。

  • 100歳以上…9月14日~16日に宅配でお届け
  • 88歳(米寿)…9月17日以降に郵送でお届け

なお、90歳の人には、市長からのお祝い状をお送りします。

(注)いずれも9月1日現在で市内在住の人

65歳以上

福寿優待サービス

市内の公共施設や協賛店舗などで「福寿カード」「福寿手帳」を提示して割引などの優待を受けることができます。

福寿カードは65歳になる月に、介護保険証と共に郵送します。

高齢者入浴助成券

市内の公衆浴場を1回220円の負担で利用できる入浴助成券(72枚綴り1冊・来年3月31日まで有効)を、65歳になる月から、高齢者いきいき課・支所で交付します。健康保険証やマイナンバーカードなどの持参を。

デイ銭湯にご参加を

市内の公衆浴場で、介護予防と健康づくりのための軽体操・入浴と毎回マッサージを行います。1回300円。定員は各先着15人。新規の人を優先します。申し込みは、直接希望の公衆浴場へ。

  • ひばり湯(大船)電話46-5324…金曜日
  • 野田の湯(台)電話43-0126…月曜日・金曜日
  • 清水湯(材木座)電話22-4697…火曜日
  • 栗田湯(岩瀬)電話46-4669…木曜日

いずれも9時30分~12時00分に開催

地域包括支援センター

高齢者のよろず相談窓口。介護などの相談や問い合わせは、各センターへ。

鎌倉地区

鎌倉市社会福祉協議会
  • 電話…61-2600
  • 所在地…市役所本庁舎1階3番窓口
鎌倉きしろ
  • 電話…40-4434
  • 所在地…材木座1-8-6 ヴィラ・エスポアール103
鎌倉静養館
  • 電話…23-9110
  • 所在地…由比ガ浜4-4-30

玉縄地区

ささりんどう鎌倉
  • 電話…42-3702
  • 所在地…城廻270-2

腰越・深沢地区

聖テレジア
  • 電話…38-1581
  • 所在地…腰越1-2-1
聖テレジア第2
  • 電話…38-6612
  • 所在地…津602-184
みどりの園鎌倉
  • 電話…62-0666
  • 所在地…常盤165-8
湘南鎌倉
  • 電話…41-4013
  • 所在地…山崎1202-1

大船地区

きしろ
  • 電話…42-7503
  • 所在地…大船1273-1
ふれあいの泉
  • 電話…43-5977
  • 所在地…今泉2-4-10

あなたも一緒にいかがですか?…60歳以上

シルバー人材センター

経験を生かした臨時・短期的な就業で、社会参加を促しています。定期的に入会説明会を開催。

【問い合わせ】同センター 電話50-0181

老人クラブ

約50のクラブが健康づくりやリクリエーション、社会奉仕などの活動をしており、クラブ同士の交流も楽しんでいます。

【問い合わせ】高齢者いきいき課 電話61-3930

老人福祉センター

いこいと文化、教養の場。対象は市内在住の人。催しなど、問い合わせは各センターへ。

名越やすらぎセンター
  • 電話…25-1188
  • 所在地…材木座2-15-3
  • 市役所本庁舎から送迎バスあり
腰越なごやかセンター
  • 電話…31-0800
  • 所在地…津西1-7-7
  • 送迎用のワゴン車あり
教養センター
  • 電話…32-1221
  • 所在地…笛田2-17-1
  • 送迎車はありません
今泉さわやかセンター
  • 電話…45-4611
  • 所在地…今泉3-21-23
  • 送迎用のワゴン車あり
玉縄すこやかセンター
  • 電話…47-1338
  • 所在地…玉縄5-9-1
  • 送迎用のワゴン車あり

日頃からの備え

(注)いずれも、おおむね65歳以上の人に配布しています

終活情報登録制度

緊急時、警察・医療機関などからの問い合わせに、市が情報提供できるように登録。対象は市内在住で、おおむね65歳以上の一人暮らしの人。

エンディングノート

自分の考えや情報などを、家族や友人などに宛てて整理できます。

救急情報シート

かかりつけ医や緊急連絡先などを記入し、冷蔵庫などに貼って活用を。

プラ製のつめかえパックを「しげんポスト」で回収

ごみ減量対策課 電話61-3396

市は「ゼロ・ウェイストかまくら」を目指して、市民参加型のプラスチック回収活動「鎌倉リサイクリエーション プラス」を産官学民共創で推進しています。

同プロジェクトでは、家庭で出た使用済みつめかえパックを「しげんポスト」で回収し、再生樹脂ブロックなどに変え、「まちに役立つ素敵なモノ」(ベンチや遊具など)を創ります。

回収できるもの

シャンプー類、化粧水類、台所・洗濯洗剤類、除菌剤類 などのプラスチック製つめかえパック

  • 軽くすすいだ後、乾かしてお出しください
  • 食品容器、トレイなどは回収できません

ポストに入れると、まちのコイン「クルッポ」がもらえるよ!

「しげんポスト」の設置場所

  • リサイクリエーション慶應鎌倉ラボ(大町1-1-14)
  • 面白法人カヤック(御成町4-31)
  • 市役所本庁舎

「まちにこんなものがあったら、いいな」を募集!

あなたのアイデアをお寄せください。ツイッターのハッシュタグ「#リサイクリエーションかまくら」で。

 鎌倉殿通信

第13回 『吾妻鏡』のひみつ

『吾妻鏡』あずまかがみは、鎌倉幕府によって編纂へんさんされた公式な歴史書で、鎌倉の歴史を知る上で基本となる史料です。治承じしょう四年(一一八〇)四月、以仁王もちひとおう令旨りょうじ(命令の文書)が源頼朝の元に届くところから始まり、親王将軍宗尊親王むねたかしんのうが京都に戻るまでの出来事を編年で記しています。編纂時には、京都の貴族の日記や文学作品、各家に伝来した古文書、幕府関係者の日記など、膨大な史料が参照されました。

残念ながら、編纂された当時の『吾妻鏡』は残っていません。室町時代には散逸さんいつしていたようで、現在残る古い『吾妻鏡』は、一部を断片的に写した室町時代の抄出本しょうしゅつほんや、数年分だけを集めた零本れいほんです。私たちが目にする大部の『吾妻鏡』は江戸時代を中心に徳川家康や各大名家が断片を収集し、復元した集成本しゅうせいほんがもとになっています。

集成本の中でも有名なのが、徳川家に伝わった「北条本ほうじょうほん」(重要文化財)と呼ばれる『吾妻鏡』です。北条本は、散逸していたものを何者かが四二、三冊まで収集し、それを家康が手に入れて更なる収集と復元を行い、五一冊にまで増補したものと考えられています。慶長けいちょう一〇年(一六〇五)に五二巻(伏見版)が京都の冨春堂ふしゅんどうから刊行され、世間で広く読まれることになりました。その後も度々刊行されており、『吾妻鏡』は江戸時代のロングセラー本といえるかもしれません。家康の愛読書でもあったといわれています。

また、家康の他にも『吾妻鏡』を手に入れた大名がいました。島津家しまづけ毛利家もうりけには、通称「島津本」「毛利本」と呼ばれる写本が伝わっています。これらには北条本にはない嘉禄かろく元年(一二二五)~安貞あんてい元年(一二二七)の記事があり、北条本とは別の収集本をもとに成立したと考えられています。また最善本とされている、吉川きっかわ家所蔵の「吉川本」には大永たいえい二年(一五二二)に書かれた奥書おくがきがあり、それによれば、大内氏の家臣右田弘詮みぎたひろあき文亀ぶんき年間(一五〇一~〇四)の初めごろに得た四二冊に、手段を尽くして探し求めた散逸分五冊と年譜一冊を加えて写し直したものであることが分かります。北条本や島津本などにはない記述も多く、大変貴重な諸本の一つです。このように、現在の『吾妻鏡』に整うまでに先人の多くの努力があったことがわかります。

これらの大名たちは、いずれも鎌倉時代に活躍した人たちの子孫です。毛利家は大江広元おおえのひろもと、島津家は頼朝の落胤らくいんという伝承をもつ島津忠久の子孫にあたります。江戸時代の大名家は家の由緒を鎌倉時代に求め、武家としての正当性と優位性を示したことでしょう。それを裏付けるのが『吾妻鏡』だったのです。

【鎌倉歴史文化交流館学芸員・大澤泉】

  • 鎌倉国宝館の特別展「北条氏展vol.3-2 北条義時とその時代」で、島津本(国宝・東京大学史料編纂所蔵)を展示(9月9日~10月23日)。鎌倉歴史文化交流館で北条本の複製を展示中

私たちと文化財 292

和賀江嶋付近で出土した鎌倉時代の碇石

平成15年(2003)に光明寺旧境内遺跡で出土した鎌倉時代の碇石いかりいしを紹介します。碇石とは、船舶を停泊させるための木製の碇に、重りとしてくくられた石材です。

出土した碇石は、長さ131・6センチメートル、幅32・4センチメートル、厚さ18センチメートル(全て最大値)、重さは118・8キログラムです。出土した際には、屈強な作業員4人で調査区から引き上げました。

石材は安山岩あんざんがん製と推定され、側面から観察すると楔形くさびがたを呈し、先端にいくほど薄くなります。また、用途は不明ながら、鉄釘が一カ所に残っています。発掘調査では、鎌倉時代末期と推定される道路側溝から出土しています。碇石としての役目を終えた後に地上に引き上げられ、何らかの土木建材として再利用されたと考えられます。

出土地点は、光明寺の南側に位置し、貞永じょうえい元年(1232)に勧進僧往阿弥陀仏かんじんそうおうあみだぶつにより築造されたとされる和賀江嶋わかえのしまにも近接します。

和賀江嶋の築港により、鎌倉での海運貿易は飛躍的に発展したことが想像されます。実際に、鎌倉では日本各地からの文物ぶんぶつや、中国からの青磁や白磁に代表される貿易陶磁器が大量に出土しています。また『吾妻鏡あずまかがみ』には、源実朝さねともが中国人技術者である陳和卿ちんなけいに命じてそうへ渡るための大船を建造するものの、海には浮かばず、朽ち損じてしまったことが記されています。

当時の鎌倉は、国内貿易にとどまらない東アジア有数の貿易都市でした。本資料が、国産の船に取り付けられたものか、外国船に取り付けられたものかは分かりませんが、いずれにしても、中世鎌倉の海運や貿易の実態を示す貴重な物証であるとともに、造船や操船の歴史を語る上で欠かせない資料です。

【文化財課】

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