ここから本文です。

更新日:2023年4月27日

広報かまくら令和5年度5月号7面

新たに1件が市指定文化財に

文化財課 電話:61-3857

市内の文化財のうち、歴史的・芸術的に価値が特に高いものを「市指定文化財」に指定しています。このたび、新たに1件を指定しましたので紹介します(総数329件)。

古文書 紙本淡彩(しほんたんさい) 常楽寺(じょうらくじ)境内絵図 一幅

本資料は、寛政3年(1791)に作成された、常楽寺の境内絵図です。

前年に江戸幕府が建長寺へ、境内の伽藍(がらん)や坪数を示した絵図を提出するよう命じたことに対し、本山の建長寺が、常楽寺をはじめとした末寺(まつじ)分の境内絵図群を取りまとめて幕府に提出した際、常楽寺に残された控えと考えられます。

絵図には、南側から水路を渡り冠木門(かぶらきもん)を入って正面に門、門を入って右手に馬屋・東司(とうす)(寺院の厠(かわや))・物置を描きます。裏手の山中には複数の鎮守社や石造物が配されており、仏殿裏の池の脇には鐘楼が描かれています。仏殿の裏手には五輪塔が描かれ、北条泰時墓と伝わる石塔の位置と一致します。文殊堂(もんじゅどう)の裏手には泰時の娘、もしくは大姫の墳墓と伝わる「姫宮」や、木曽義仲の息子・義高の墓と伝承される「義高墓」も描かれます。そのほか、竹や松など樹木を写実的に描き分けており、特に境内中央の仏殿と文殊堂の前には、開山のお手植えと伝わる大銀杏が象徴的に描かれています。

本絵図は、寛政年間の常楽寺境内の様子が分かる貴重な資料です。

(常楽寺蔵・通常非公開)

私たちと文化財 294

発掘調査の成果を紹介

3月に『鎌倉の埋蔵文化財26』を刊行しました。これは、市内で行われた発掘調査の概要をカラー写真で紹介している冊子です。同書では、令和3年度に市内で行われた4遺跡5地点を紹介しています。

【(1)武蔵大路周辺遺跡(扇ガ谷三丁目)】

国指定史跡・亀ヶ谷坂の扇ヶ谷からの登り口に当たります。鎌倉時代中頃~室町時代(13世紀中頃~15世紀)の10面にも及ぶ生活の跡が見つかり、道路と推定される遺構や石積みの溝などが発見されました(写真)。青磁の花瓶や化粧道具、お茶に用いる天目(てんもく)茶碗や茶入れなど、高価な中国製陶磁器が出土しています。

【(2)若宮大路周辺遺跡群(雪ノ下一丁目)】

川喜多映画記念館の南側に当たります。鎌倉時代後期の地層からは漆の付いた箆(へら)や漆を漉(こ)した布、漆をこねるのに用いた玉石、漆の表面を研ぐのに用いられた砥石(といし)など、漆器制作の道具がまとまって出土しています。

【(3)若宮大路周辺遺跡群(大町一丁目)】

夷堂橋(えびすどう)の南側で滑川と小町大路に挟まれた場所です。鎌倉時代後期(13世紀後半~14世紀前半)の切石敷きや板壁の残る半地下式の倉庫が発見され、物流の拠点を示す遺構と考えられています。

【(4)北条時房・顕時邸跡(雪ノ下一丁目)】

鉄井(くろがねのい)の隣接地です。鎌倉時代初期~江戸時代(12世紀後半~17世紀)にわたる多数の生活の跡が見つかりました。土留(どど)めに用いられた板には傘・男の人・馬の絵などが描かれていました。

【(5)甘縄神社遺跡(長谷一丁目)】

鎌倉文学館の隣接地です。古代と中世の遺跡が発見されています。古代の層からは飛鳥時代~奈良時代(7世紀後半~8世紀前半)の土師器(はじき)・須恵器(すえき)のほか、占いに用いられた卜骨(ぼっこつ)や鍍金(ときん)をした馬具の部品(鏡板(かがみいた)=くつわに付ける飾り金具)が出土しています。


『鎌倉の埋蔵文化財』は文化財課(鎌倉水道営業所庁舎2階)でバックナンバーも含め、無料で配布しています。また、市ホームページでも公開しています。

【文化財課】

ご存じですか「ほじょ犬(けん)」

障害のある人のパートナー

「ほじょ犬」は、目や耳、手足に障害のある人が自立と社会参加をするための大切なパートナーです。

【盲導犬】

目の見えない・見えにくい人が安全に歩行できるようサポートします。障害物を避けたり、立ち止まって曲がり角や段差を教えたりします。ハーネス(胴輪)を付け、「盲導犬」と表示しています。

【介助犬】

手や足に障害のある人の日常生活動作をサポートします。物を拾って渡したり、指示したものを持ってきたり、脱衣の介助などを行います。「介助犬」と表示しています。

【聴導犬】

耳の聞こえない・聞こえにくい人に、必要な生活音を知らせます。玄関チャイム音、メールやファクスなどの着信音、赤ちゃんの泣き声、車のクラクションなどを聞き分け教えます。「聴導犬」と表示しています。

5月22日は「ほじょ犬の日」

平成14年のこの日に「身体障害者補助犬法」が成立し、以降5月22日を「ほじょ犬の日」としています。ほじょ犬はこの法に基づき、訓練・認定され、ほじょ犬ユーザーは獣医師の指導を受けながらほじょ犬の衛生・行動管理を行い、健康と清潔を保っています。

同伴の受け入れは義務

お店や公共施設などは、ほじょ犬の同伴を受け入れる義務があります。ほじょ犬の受け入れ拒否は犬の拒否ではなく、一緒にいるユーザーがその施設を利用することを拒否することになります。

障害のある人が日々の暮らしをよりよく過ごせるよう、皆さんのご理解をお願いします。

ほじょ犬はそっと見守って

ユーザーはほじょ犬とともにさまざまな交通機関や施設などを利用します。ほじょ犬はユーザーの指示がとても大切なので、街中でほじょ犬を見掛けても、話し掛けたり、触ったり、食べ物を与えたりなどの気を引く行為は避けましょう。また、ユーザーが困っている様子であれば、声掛けをお願いします。

【問い合わせ】
障害福祉課
電話:61-3975
ァクス:25-1443

市民がお互いを尊重し合うことができる社会の実現に向けて

市では、視覚障害や聴覚障害などの有無にかかわらず、情報取得やコミュニケーションを円滑に行えるよう、それらの手段を多種多様化することを、「視覚障害者及び聴覚障害者等の情報取得等の手段についての選択の機会の確保に関する条例」で定めています(令和3年制定)。その手段とは、ほじょ犬(身体障害者補助犬)のほか、手話・触覚を使った手話・認識が容易な文字の表示・点字・筆記・音声・平易な言葉・朗読などがあります。

お問い合わせ

掲載している各記事についてのお問い合わせは、各担当へご連絡をお願いします。

  • PC版を表示
  • スマホ版を表示