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更新日:2024年7月30日

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広報かまくら令和6年度8月号6面

(くわしくは広報かまくらPDF版(PDF:3,736KB)をご覧いただくかお問い合わせください)

クロストーク:熊本地震に学ぶ「わたしの備えとみんなの備え」

市街地整備課 庁舎整備担当

「備え」は、身を守る。

5月のONE DAY PLAYPARK(ワンデイプレイパーク)では、市民の皆さんにさまざまな「備え」のカタチを、知って、学んで、体験していただきました。その中で開催されたクロストークでは、熊本地震で被災された熊本県宇土市の元松市長とアウトドアライフアドバイザーの寒川さんをお招きし、松尾市長と「備え」をテーマに意見交換しました。

庁舎が損壊。災害・市民対応に混乱を来す

宇土市・元松茂樹市長

「庁舎が損壊し、駐車場にテントを張り災害対応に当たりました。ところが、その場所も危ないということでテントを移動したり、業務する場所を探したり、災害時にはやるべきことがたくさんある中で、非常にもどかしい時間でした。震災後、市民から『災害に強い庁舎を造ってほしい』という声を多くいただきましたが、庁舎完成には7年かかりました。災害は今日、明日来るかもしれないということを頭に入れて、あらゆるケースを考えなければならないと思います」

被害を繰り返さない。そこから学ぶ姿勢が大事

アウトドアライフアドバイザー・寒川一(さんがわはじめ)さん

「災害時の司令塔がないことは、市民にとってどこを頼っていいのか分からない状態です。元松市長の話を聞き、実体験した言葉の重みを感じました。毎年、何らかの災害が起きる中で、そこから教訓を得ていかないと被害に遭われた方が報われません。私は専門分野のアウトドアライフを切り口に、被災時の過ごし方を広めていきたいです」

鎌倉を災害に強いまちに。一刻も早い実現に向けて

鎌倉市・松尾崇市長

「災害時に本庁舎が機能しなくなり市民に大変なご迷惑を掛けてしまったという、元松市長の体験談をお聞きして、一刻も早く市民の皆さんに安心していただける、災害に強いまちづくりを進めていきたいと改めて感じました。本庁舎を災害に強い建物にするというハード面だけではなく、日頃の訓練などのソフト面も、市民の皆さんと連携して取り組んでいきたいと思っています」

2016年 熊本地震

宇土市に何が起こった?

4月14日…前震(震度5強)

4月15日…最大余震(震度5強)

4月16日…本震(震度6強)

  • 余震が多く、家に入れなかった
  • 車中泊・避難所利用者が多かった
  • 市役所の備蓄品が1日でなくなった
  • 本庁舎が損壊し、市役所の全業務停止
  • 市役所のつながる電話は1回線のみ。情報が入らず、市民対応が困難に
  • 市役所の全業務を再開したのは発災から26日後

ごみ インフォメーション

家庭ごみの持ち込みは9月30日(月曜日)まで

環境センター(今泉) 電話:44-5344

ごみ処理体制の変更に伴い、名越・今泉クリーンセンターへの家庭ごみ(粗大ごみなど)の持ち込みを終了します。例年、夏季休暇期間は引っ越しや片付けなどで持ち込みが増えるため、早めにご予約を(受け入れ可能数に達したら予約終了)。

予約受け付け

  • 月曜日~金曜日(祝日・休日含む)…8時15分~17時00分

持込受け入れ

  • 月曜日~金曜日(祝日・休日含む)…午前(8時30分~11時30分)・午後(13時00分~16時00分)
  • 土曜日…午前(8時30分~11時30分)

先行地区で
来年4月から燃やすごみの戸別収集を開始

ごみ減量対策課(今泉クリーンセンター) 電話:40-5542

「燃やすごみ」を家の前(建物ごと)で収集する戸別収集の実施について、市議会6月定例会で予算が可決されました。これを受け、令和7年4月から下記の先行地区で開始します。

七里ガ浜、鎌倉山、山ノ内、今泉、今泉台、岩瀬、笛田、大町五丁目自治会エリア、松葉町内会エリア

令和8年4月からは全市で実施し、最終的には全品目の戸別収集を目指しています。詳細は本紙10月号でお知らせします。

まちのスケッチ

市民通信員が身近な話題をリポート

この地の小さな宇宙

鎌倉地区 上 昭子(うえしょうこ)さん

「あじさい」を合言葉に、北鎌倉駅に夏がやってくる。下り列車が止まるたびに、観光客の長い列が東口改札へと流れる。

新緑と、ウグイスの鳴き声を耳にするのは西口も同じだ。その西口改札を出れば、線路に並行して、鎌倉街道(県道21号線)が大船方面に向かって延びている。

勝手を知る多くの住民は、街道の車の多さと、狭い歩道を避けて、脇道に入る。

古民家と新築の家が、細い道と小川の両脇に並ぶ。どの家の庭先にも、木があり、花がある。梅から始まる花や樹木は、桜、ツツジ、あじさいを経て、晩秋まで静かに優しく、あるいは華やかに、道行く人を楽しませる。

「電線にリスが止まってる」

坂の途中だった。リスを脅かさないように、小声で指さす女子高生がいた。同じ制服の子が次々と寄ってくる。犬を連れた女性も足を止めて、一緒に見上げている。

先週まで、夜になれば小川のほとりでホタルが舞っていた。今週はウシガエルが鳴きだした。

小径(こみち)を抜け、小高い丘を上る。遠くで踏切の遮断機の音がして、振り向けば、眼下に大船の街が広がっていた。谷間の密集した家並みの、わずかな隙間を縫って、電車が通過して行く。

観光客の知らない、この地の小さな宇宙である。

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