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更新日:2025年2月26日
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文化財課 電話:61-3857
市内の文化財のうち、歴史的、芸術的に価値が特に高いものを「市指定文化財」に指定しています。このたび、新たに2件を指定しましたので紹介します(総数331件)。
浄光明寺(扇ガ谷)に伝来する絵画で、毎年12月に行われる仏名会(ぶつみょうえ)という法要の本尊として、壁に掛けて用いられたと考えられます。
一般的に三千仏図は向かって右から、定印(じょういん)を結ぶ阿弥陀如来(にょらい)、施無畏(せむい)印・与願(よがん)印を結ぶ釈迦(しゃか)如来、施無畏印・触地(そくち)印を結ぶ弥勒(みろく)如来の三仏が描かれます。それぞれ過去、現在、未来を表し、その周りに整然と小さな仏が並びます。しかし、この三千仏図はいずれも定印を結ぶ形で描かれているのが特徴です。
全体に複数回にわたる後世の補筆、描き直しが確認できますが、三仏の台座は描かれた当初のままと判断できます。また、建長寺に伝来する国指定重要文化財の釈迦三尊像など、中国・南宋に由来する仏画に通じる趣(おもむき)もあります。
この作品は、南北朝時代から室町時代にかけての鎌倉地域における仏画の制作事情などを考える上で、重要な作例です。
この陶磁器は鎌倉駅の南東約300メートル、小町一丁目333番2における発掘調査で出土した、南宋時代の中国で作られた碗や皿です。
この調査地点では、鎌倉時代中頃から後半の竪穴建物が数多く発見されています。そのうち、13世紀後半に使われなくなったと考えられる竪穴建物の、倒壊した壁板の内側からまとまって、割れた状態で出土しました。
破片を接合しても、どこかしらが欠損していることや、通常、鎌倉の出土品に見られる細かな傷が表面になく、底面がざらざらとしていることから、鎌倉に運ばれる際に破損し、使用されないまま廃棄されたものと考えられます。
このように未使用の貿易陶磁器がまとまって出土し、しかも出土した遺構から当時の流通や廃棄の実態に迫ることのできる資料は全国的にも大変珍しいものです。また、遺跡の年代決定の指標となる点でも貴重といえます。
予防課 電話:44-0963
毎年、多数の死者が出ている住宅火災。その出火原因は、たばこ、ストーブ、こんろ、電気機器など、生活に身近なものが多くを占めています。大切な命や財産を守るため、家族で10のポイントを確認してください。
危険物取扱施設や駅舎、営業用バスへの検査と、山火事予防の山林パトロールを行います(山林パトロールは4月30日までの土曜日・日曜日・祝日)。
大船消防署 電話:43-2424
サンプル品の展示や相談など。
市民通信員が身近な話題をリポート
材木座地区 山口良明さん
2月末、材木座の逗子寄りの、裾(すそ)に五所神社が鎮座する山に登ると、海、そして鶴岡八幡宮・御成中学校・長谷観音を擁する山々と対峙(たいじ)し、眼下にはそれらに囲まれた鎌倉のまちが俯瞰(ふかん)できます。
春が近づくにつれて、山の常緑樹の暗い緑もいくらか明るくなり、落葉樹の寒々としたこずえも、もう少しすれば小さな若葉の芽を出し始めます。そこには今はまったく生気のないツタ類も絡まっていますが、木々はすでに地面から水を吸い上げています。
山を下り、今度は海に向かいます。この辺りは古民家と今風の家が並ぶ住宅地。古い生け垣の先には、年明けから咲いていた椿(ツバキ)、梅、黄色い実をつけた蜜柑(ミカン)など。まちは通勤、通学に出かける人を送り、午前の静寂に包まれます。
海岸に出ると、雲の隙間から春の陽(ひ)が差し込み、海原を優しく照らします。遠くには、伊豆半島、伊豆大島、富士山。潮が引き、正面の和賀江嶋(わかえのしま)がいつもより広く浮かびます。
静かで穏やかに時が流れる材木座の散歩を今日も楽しんでいます。
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