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更新日:2025年4月7日
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文化財課…電話61-3857
源頼朝によって日本で最初に全国的な武家政権の拠点が置かれた鎌倉には、歴史上大切な文化財が多数伝わっています。
市ではこれらの文化財のうち、歴史的、芸術的、学術的に価値が特に高いものを市指定文化財に指定しています。このたび、新たに5件を指定し、市指定文化財は300件となりました。
文化財は地域の歴史や文化を今に伝えるものの総称で、人々の生活や考え方の移り変わりを知り、私たちがこれからどうあるべきかを考える上で、参考とするため不可欠なものです。私たちはこれらかけがえのない文化財を、確実に後世へ伝えていかなければなりません。
文化財保護法では文化財を、▼有形文化財 ▼無形文化財 ▼民俗文化財 ▼記念物 ▼文化的景観 ▼伝統的建造物群 の6種類に分類しています。国や自治体は、これらのうち特に重要な物を指定し、所有者が修理や整備を行うための補助金を交付するなど、保護を図っています。
市では昭和46年からの11年間、市内にある文化財の調査を行い、「市文化財総合目録」を作成しました。
この目録に記載されている文化財などから、市指定文化財として指定し保護する必要のあるものについて、専門家で構成する「文化財専門委員会」の審議を経て決定しています。
このたび新たに指定した市指定有形文化財5件を紹介します。
この5件は鎌倉国宝館で開催中の「鎌倉の至宝」展で展示されています(8面参照)。
英勝寺蔵。制作年代は江戸時代。縦19センチメートル、横17・7センチメートル。
奈良の八つの名勝地(南都八景)を描いた色紙と、それに対応する和歌とを一対にして台紙に張り込んだ画集です。絵の作者は、江戸時代前期に活躍した住吉具慶(すみよし ぐけい)です。
青蓮寺(しょうれんじ)蔵。制作年代は鎌倉時代。像高144センチメートル。
カヤ材の寄木造りで玉眼(ぎょくがん)をはめ込み、像の表面は一部を除いて色を塗らずに仕上げています。腕を4本持つ十一面観音像は、日本では珍しいものです。奈良か京都で制作されたと思われます。
鶴岡八幡宮蔵。縦108.2センチメートル、横151.3センチメートル。
17世紀後半~18世紀頃の画法で、17世紀後半の鎌倉の様子を描いたものと思われます。
鎌倉市蔵。縦5.3センチメートル、横4.7センチメートル、厚さ2.3センチメートル。
出土地は寺院境内の一部と考えられる遺跡で、13世紀中頃の物と一緒に捨てられた状態で出土しました。製作・使用年代が鎌倉時代までさかのぼる版木の実物は他に例がありません。
多聞院蔵。縦32センチメートル、横51.7センチメートル(後白河法皇院宣)。
多聞院に伝来した鶴岡八幡宮の所領に関わる古文書で、寿永(じゅえい)2年(1183)の後白河法皇院宣、建長2年(1250)の後嵯峨上皇院宣、貞和(じょうわ)2年(1346)の光厳上皇院宣の3通です。院宣は、上皇や法皇の命令を伝える文書です。