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更新日:2023年8月18日
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自分が住む地域に、どんな災害の危険があるか、ご存じですか。
どんな備えが必要か。どこへ行けば、何があるのか。
今、災害が起きたら、自宅の備えだけで家族を守ることができるでしょうか。
市内のほぼ全域で、自主防災組織をはじめ、地域みんなで助かるための防災が行われています。
まず、知ってください。そして、参加してください。
それぞれの課題を抱えた地域の取り組みをご紹介します。
津波被害・風水害などへの備え…材木座自治連合連絡協議会
平成19年に防災部会が発足して活動していましたが、東日本大震災を受け、各自治会の意識がさらに高まりました。23年6月に新たに活動の場を広げ、海抜20メートル以上の高台避難場所への地図を作成して全戸配布しました。今年、平日の合同訓練で853人の参加がありました。その時のアンケート283枚の問題点を分析し、優先順位を付けて一つずつ解決していきたいです。ミニ避難所ルート(通常の避難経路を補足する近道)の開拓、総合防災倉庫や海上に警告する電光掲示板の設置なども進めています。次回の訓練は、若者も参加できるよう休日に行います。住民のコミュニケーションを良くすることも大切ですね。地元でお祭りや炊き出し訓練などのイベントを開催することは、住民同士の連帯感や絆が生まれるチャンスです。有事の際には大きな力となるよう期待しています。(材木座自治連合連絡協議会理事総務の浪花惠昭さん)
地域・情報の孤立などへの備え…城廻自治会自主防災隊
自治会長の呼び掛けで集まった40代前後の若い世代を中心に、自主防災隊を結成して4年。継続的な活動ができるようになり、充実した組織になりました。この地域は津波や土砂災害の心配はそれほどありません。しかし、市域のはずれにあるため情報が入りにくく、孤立してしまうかもしれないという危機感があります。自治体でできることには限界があるので、自分たちの地域は自分たちで守るという意識が根底にあります。ミニ防災拠点である関谷小学校に入ってくる情報を伝達できるよう、昨年トランシーバーを購入し、安心感も増しました。近隣自治会とも積極的に交流し、情報交換に努めています。今後は市との連携など課題はありますが、まずはできることをやっていく。地域ぐるみで楽しんで活動しています。(城廻自治会防災保全部長・城廻自主防災隊副隊長の江上健さん)
土砂災害、孤立などへの備え…打越町内会
打越町内会は、山や崖が多く、地震や大雨のときは崖崩れなどの土砂災害とそれに伴う地域の孤立が心配です。日頃から危険箇所を確認しておくことや、川の水が濁るなどの災害に結び付く前兆を見逃さないことが大事です。町内会の中には、30~40代を中心とした「打守(うちもり)会」や高齢者を中心とした「いぶきの会」などがあり、町内会の行事に積極的に参加してくれています。住民間のコミュニケーションは取れているほうですが、より多くの人にお祭りなどに積極的に参加してもらうことで、幅広い世代のつながりを深め、災害時に力を最大限発揮できたらいいですね。また、これからの地域を担う子どもたちにも防災について学んで欲しいです。ロープの結び方やAEDの使用方法について定期的に教室などを開催していますが、興味を持ってもらえるように遊びを取り入れながら行っています。(打越町内会会長の久保田早苗さん、副会長・防災部長の小川博さん)
実際の避難所生活への備え…かっぱの会
阪神大震災の時、避難所には鍵が掛かっていたためガラスを割って中に入ることもあったと聞きます。その後、東日本大震災が起こりました。私たちの避難所は実際にどう機能するのかという疑問から、2年前から第二小学校で宿泊体験を行っています。参加者は各自必要と思う物を持参、「寝袋だけでは腰が痛い」「学校には網戸がない」「体育館のトイレは2階にしかない」など体験することで発見があります。2日間の活動を振り返る会では、子どもたちからも「防災倉庫の場所も、中に何があるかも知らなかった」「人が大勢いたら、狭くて寝られない」「初めてマッチを使った」などの発言がありました。
災害に備えて家族、隣近所、地域でできることをそれぞれ考えながら日頃から準備をしていけたら。体験を共有することで親子、地域の方々とも信頼できる人間関係が築ければいいと思います。(「かっぱの会」代表の波多周さん。同会は第二小学校の父親と男性教職員を中心に活動している)
防災の基本には、「自助」「共助」「公助」の三つがあります。
災害規模が大きく広域的なほど、自治体や関係機関も被災し、対応の遅れも予想されます。そこで重要になるのが、自治・町内会で組織される自主防災組織など、地域の皆さんの活動(共助)です。
現在、市内の自治・町内会の約9割(共同住宅の管理組合を含む)が自主防災組織を結成し、防災倉庫の備蓄や整備、避難訓練や学習会など、災害時に備えた活動を行っています。PTAなど、有志が中心となって独自の活動を行っている団体もあります。
東日本大震災でも、共助が大きな役割を果たしました。
自力脱出が難しい状況下での救出・応援の要請、火災が同時多発的に起こった場合の初期消火、避難所での助け合いなど、多くの場面で共助が必要になってきます。
市では、震災を踏まえ、地域での実践・参加型の訓練などに力を入れています。7月に初めて実施した沿岸部一斉津波避難訓練では、自治・町内会で避難方法などを考えていただき、課題などの情報収集も行っています。
地域ぐるみで行う共助には、連携やコミュニケーションが大切で、日頃から一緒に活動する機会をつくることが不可欠です。
しかし市内では、実際の自主防災活動への参加率は、決して高くありません。これは、活動が縮小されることにつながります。参加者には高齢者が多く、若い人が少ないのも厳しい現状です。
震災以降、津波避難訓練などへの子育て世代などの参加は増えてきました。より多くの皆さんの一歩が、今、望まれています。
まず、お住まいの地域の自治・町内会にお問い合わせください。自主防災組織の活動は、年1~数回の防火・防災活動や講話が代表的ですが、各組織により活動内容やペースは大きく異なります。
活動や催しは、回覧板や町内会などの掲示板で、随時お知らせされています。
市では、地域の防災訓練や研修への講師などの派遣、防災資機材の購入費や整備費の助成を行い、自主防災組織の活動を支援しています。また、鎌倉市自主防災組織連合会のもと、組織間の連携も図っています。
一方、「公助」についても、防災計画・施策の充実や見直しを図り、より良い防災に取り組んでいきたいと考えています。
さて、共助のためには、自分で自分を守る自助が前提です。次のページでは、自助・共助に関わる防災情報をまとめました。