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更新日:2022年3月7日

広報かまくら平成25年度3月15日号8面

市指定文化財 新たに5件を指定

文化財課…電話61-3857

市では市内の文化財のうち、歴史的・芸術的に価値が特に高いものを市指定文化財にしています。このたび、新たに5件を指定しましたので紹介します。これにより、市指定文化財は305件となりました。

彫刻 木造 観音菩薩立像(かんのんぼさつりゅうぞう)・地蔵菩薩立像(じぞうぼさつりゅうぞう) 二く(にく)

円覚寺の国宝・舎利殿(しゃりでん)の中に安置されています。この二像は作風や構造がよく似ていることから、最初から一対として制作されたと考えられます。観音菩薩と地蔵菩薩を一対にして祀る例は比較的珍しいものです。

現在の舎利殿は、それ以前の建物が室町時代後半の永禄6(1563)年に火事で焼けたため、当時、西御門にあった太平寺(たいへいじ)の仏殿が移築されたものです。二像は現在の舎利殿よりも古い時期に制作されたことになり、舎利殿創建の由緒にも関わる可能性を持つ像として重要です。なお、舎利殿は内部非公開のため、この二像の拝観はできません。

  • 観音菩薩(像高106・0センチ)
  • 地蔵菩薩(像高96・7センチ)

制作年代は鎌倉~南北朝時代。円覚寺蔵

古文書 長谷寺縁起文(はせでらえんぎもん) 一巻

長谷寺縁起文は、奈良県桜井市にある長谷寺の創建由緒を記した文書です。奥書(おくがき)に、代々の所有者による記録が残っています。南北朝時代の嘉慶2(1388)年に東坊城秀長(ひがしほうじょうひでなが)という公卿が書写したと書かれ、13世紀後半ごろに原本が成立してから比較的早い時期に書写されたことが分かります。

さらに、江戸時代初めごろの寛永12(1635)年に鶴岡八幡宮の僧が所有していたこと、その後の延宝5(1677)年に、京都・知恩院(ちおんいん)の門主が修理をして鎌倉の長谷寺に寄付したと記されています。

古い時期に書写された、長谷寺縁起の変化を知る上でも重要で、鶴岡八幡宮と鎌倉・長谷寺への伝来過程も明確に分かる貴重な史料です。展示の予定はありません。

制作年代は南北朝時代。縦29.5センチ、横1192.2センチ。長谷寺蔵

考古資料 安国論寺遺跡出土の埋納品 一括

大町の安国論寺境内で行われた発掘調査で出土した資料です。蓋付きの鉄製双耳壺(てつせいそうじこ)、蓋付きの灰釉広口壺(かいゆうひろくちつぼ)、灰釉擂座洗(かいゆうるいざせん)、砥石(といし)がまとまって出土しましたが、もともとは全て一緒に埋納された可能性があります。

この発掘調査では、鎌倉時代末ごろから南北朝時代初めごろにこの場所で大規模な土地造成が行われ、寺院や屋敷の創建、敷地の拡張などに伴い、土地利用が大きく変わったことが推定されています。

この埋納品もそうした変化に関わるもので、地鎮の意味合いを持って埋められた可能性があります。出土例の極めて希少な鉄製壺をはじめ、中世の祭祀(さいし)や信仰をうかがうことができる貴重な資料です。

なお、これらは現在、発掘調査報告書作成のための資料整理中で、公開はされていません。

  • 鉄製双耳壺(器高21.5センチ)
  • 灰釉広口壺(器高25.1センチ)
  • 灰釉擂座洗(口径14.0センチ)
  • 砥石(長さ24.4センチ)。

4点とも年代は鎌倉~南北朝時代。安国論寺蔵

有形民俗文化財 神輿(みこし) 一基

坂ノ下の御霊(ごりょう)神社は、鎌倉権五郎(ごんごろう)景政(かげまさ)を祭神とする神社です。毎年、景政の命日に当たる9月18日に例祭が行われており、県指定無形民俗文化財に指定されている面掛(めんかけ)行列とともに、神輿の渡御(とぎよ)が行われています。

この神輿は、江戸時代初期の鶴岡八幡宮上宮(じょうぐう)の神輿を模した形式ですが、その神輿と違って江戸時代中期の特徴が見られます。覚園寺村の大工棟梁の名前が芯柱の銘文に残っており、制作当時の特徴を良好に残す、歴史的価値が高い貴重な民俗資料です。

神輿は例祭以外の日は、拝殿脇の神輿庫に収められており、ガラス越しに拝観することができます。

制作年は江戸時代中期の宝暦3(1753)年。

胴部柱間64.0センチ。御霊神社蔵

有形民俗文化財 神輿(みこし)(旧諏訪社神輿)一基

五所(ごしょ)神社は明治41(1908)年に乱橋村と材木座村が合併して乱橋(みだれはし)材木座村となった時に、両村の神社を乱橋村の鎮守・三島社の地に合祀(ごうし)して五所神社となりました。この神輿は、もともと材木座村の鎮守・諏訪社の神輿です。

神輿内部に銘札が残っていて、光明寺門前の大工、扇ガ谷の仏師によって作られたことが分かります。その後、明治・昭和と二度の修理を経ましたが、制作当時の姿をよくとどめています。

五所神社では現在、毎年6月の例大祭で海上渡御が行われています。神輿の担ぎ手がうたう天王唄は、江戸時代末ごろに作られた唄といわれ、御輿はその歌詞にも登場します。

この神輿は制作年代・制作者が判明し、当時の姿がよく残り、現在でも天王唄にうたわれている民俗資料として貴重なものです。

例大祭以外の日は、拝殿脇の神輿庫に収められており、ガラス越しに拝観できます。

制作年は江戸時代後期の弘化4(1847)年。胴部柱間61・6センチ。五所神社蔵

お問い合わせ

所属課室:共生共創部広報課広報担当

鎌倉市御成町18-10 本庁舎2階

電話番号:0467-61-3867

メール:koho@city.kamakura.kanagawa.jp

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