広報かまくら平成29年度12月1日号3面

平成28年度　市の決算状況

予算がどのように使われたか、市の財政状況はどうなっているのか、平成28年度決算の概要をお知らせします。

財政課…内線2252

（注）金額は表示桁数未満を四捨五入しているため、各内訳の計と合計は一致しない場合があります

一般会計

一般会計は、福祉・消防・都市整備・教育など市の行政運営の基本となる会計です。

歳入は国庫支出金が増加したことなどにより、前年度から24億5,554万円（4.0％）増加しています。中心となる市税収入は、1億4,789万円（0.4％）の減少となりました。

歳出は、人件費が減少したものの、扶助費や投資的経費などが増加し、前年度から31億4,709万円（5.5％）増加しています。

一般会計の決算

歳入…633億2,432万円（27年度：608億6,878万円）

市税

市民税、固定資産税、都市計画税など

• 28年度…355億4,776万円
• 27年度…356億9,564万円

国庫支出金

国からの負担金・補助金・委託金

• 28年度…81億3,525万円
• 27年度…70億5,550万円

県支出金

県からの負担金・補助金・委託金

• 28年度…32億2,983万円
• 27年度…30億3,893万円

繰入金

基金や他会計などからの繰入金

• 28年度…14億4,351万円
• 27年度…3億3,605万円

市債

市の借入金

• 28年度…28億8,900万円
• 27年度…27億4,150万円

諸収入

預金利子、貸付金元利収入など他の収入科目に含まれない収入

• 28年度…23億1,319万円
• 27年度…24億6,515万円

その他

地方消費税交付金、繰越金、使用料・手数料など

• 28年度…97億6,580万円
• 27年度…95億3,601万円

歳出…604億5,207万円（27年度：573億497万円）

人件費

職員の給料・退職手当、議員の報酬など

• 28年度…124億6,462万円
• 27年度…127億8,087万円

扶助費

生活保護・医療費助成など

• 28年度…125億2,986万円
• 27年度…117億617万円

公債費

国や金融機関などへの借入金の返済

• 28年度…39億5,063万円
• 27年度…38億8,690万円

投資的経費

道路や施設の整備、用地の購入など

• 28年度…75億2,790万円
• 27年度…57億5,487万円

繰出金

特別会計などへの繰出金

• 28年度…92億7,957万円
• 27年度…85億5,085万円

その他

補助金、維持補修、物件費など

• 28年度…146億9,949万円
• 27年度…146億2,532万円

特別会計

特別会計は、一般会計と区別し、特定の事業に関して設置する会計です。

歳出の総額は492億2,611万円で、下水道事業を中心に前年度より5億6,522万円（1.2％）増加しました。徴収する使用料や保険料だけでは運営が厳しいため、一般会計からの繰出金も合わせて運営を行っています。

特別会計の決算

下水道事業

• 歳入決算額（円）…79億1,770万（前年度比　14.8%）
• 歳出決算額（円）…77億5,471万（前年度比　15.3%）

大船駅東口市街地再開発事業

• 歳入決算額（円）…7,003万（前年度比　12.8%）
• 歳出決算額（円）…6,224万（前年度比　23.0%）

国民健康保険事業

• 歳入決算額（円）…211億658万（前年度比　▲2.9%）
• 歳出決算額（円）…203億8,366万（前年度比　▲4.2%）

公共用地先行取得事業

• 歳入決算額（円）…3億7,865万（前年度比　▲24.0%）
• 歳出決算額（円）…3億7,865万（前年度比　▲24.0%）

介護保険事業

• 歳入決算額（円）…161億5,085万（前年度比　2.5%）
• 歳出決算額（円）…156億5,564万（前年度比　4.0%）

後期高齢者医療事業

• 歳入決算額（円）…52億8,895万（前年度比　3.6%）
• 歳出決算額（円）…49億9,121万（前年度比　▲1.6%）

合計：歳入決算額（円）509億1,276万（前年度比　1.7%）、歳出決算額（円） 492億2,611万（前年度比　1.2%）

市債残高

12年連続の減少

市債は、原則として公園や学校、下水道などの公共施設の建設や整備、事業を行うための用地を購入する場合に発行されます。

長期にわたって使う予定の施設の建設・整備などに掛かる費用を「分割払い」にすることで、そのときの市民が全てを負担するのではなく、将来施設を利用する市民にも公平に負担してもらうことが市債の重要な役割です。

財政状況が厳しい中で、山積する行政課題を解決するための財源として市債の活用が不可欠であるため、市では世代間の公平性や返済額・借入額のバランスなどに留意した市債管理を行っています。その結果、一般会計・特別会計の市債残高に、市土地開発公社・山崎地区屋内温水プールPFI事業に係る将来的負担となる経費を加えた合計額は、16年度をピークに12年続けて減少しました。

市債残高の推移

一般会計＋特別会計＋公社＋PFI

• 24年度…973億円
• 25年度…934億円
• 26年度…927億円
• 27年度…890億円
• 28年度…862億円

一般会計

• 24年度…403億円
• 25年度…385億円
• 26年度…388億円
• 27年度…381億円
• 28年度…375億円

財政健全化指標

（詳細（表）については、PDF版をご覧ください）

財政破綻の恐れなし

財政健全化指標は、地方公共団体の財政的破綻を防ぐため、年度ごとに指標を算出し、財政状況を明らかにするものです。

市の財政に関する指標

下表の（1）～（4）は、行政運営に必要な財政が健全であるかどうかを判断するための指標で、財政の赤字や借金が標準財政規模（*注1）に対して占める割合を算出します。それぞれに早期健全化基準（*注2）と財政再生基準（*注3）が設けられています（（4）将来負担比率は早期健全化基準のみ）。

（1）実質赤字比率

一般会計などを対象とした実質赤字の標準財政規模に対する比率

• 早期健全化基準：11.57%　財政再生基準：20%
• 本市の数値：黒字なので数値なし（28年度▲6.50%、27年度▲6.34%）

（2）連結実質赤字比率

全会計を対象とした実質赤字の標準財政規模に対する比率

• 早期健全化基準：16.59%、財政再生基準：30%
• 本市の数値：黒字なので数値なし（28年度▲11.10%、27年度▲10.19%）

（3）実質公債費比率

一般会計などが負担する元利償還金および準元利償還金の標準財政規模に対する比率

• 早期健全化基準：25%　財政再生基準：35%
• 本市の数値：28年度▲0.1%、27年度▲0.9%

（4）将来負担比率

一般会計などが将来負担すべき実質的な負担の標準財政規模に対する比率

• 早期健全化基準：350%、財政再生基準：なし
• 本市の数値：黒字なので数値なし（28年度▲10.6%、27年度▲3.5%）

公営企業に関する指標

下表の（5）は、公営企業（本市では特別会計の下水道事業）の運営が健全であるかどうかを判断するための指標です。経営健全化基準（*注4）が設けられています。

いずれの指標も基準を大きく下回っており、本市に財政破綻の恐れは見られないことを示しています。

表中の（　）内はその割合を示す参考数値です。

（5）資金不足比率

資金不足額の事業の規模に対する比率

• 経営健全化基準：20%
• 本市の数値：黒字なので数値なし（28年度▲4.99%、27年度▲5.84%）

用語の意味 

（*注1）「標準財政規模」…地方公共団体が通常の水準の行政を行うのに必要な一般財源の総量。28年度の額は約360億円

（*注2）「早期健全化基準」…これを超えると、財政状況が厳しく、健全化に向けて改善が必要だということを示す基準

（*注3）「財政再生基準」…これを超えると、財政状況が破綻の危機にあり、計画的に財政再建に取り組まなければならないということを示す基準

（*注4）「経営健全化基準」…これを超えると、公営企業の経営状態が健全ではないということを示す基準

財政は依然として厳しい状況に

個人市民税は減収となりましたが、国庫補助金の増収などにより、平成28年度は前年度に比べて約25億円の増収となりました。個人市民税を含む地方税を5年前の23年度と比べると、約8億円の増収となっています。

歳出では、固定経費である人件費や公債費は減少傾向にありますが、その一方で福祉的な経費の扶助費は23年度から約23億円の増加となっているほか、他会計への繰出金なども増加しており、財政の硬直化が改善されるには至っていません。

こうした厳しい現状を踏まえ、29年4月に策定した後期実施計画を推進するための30年度予算編成を行います。

今後も持続可能な自治体運営を実現するため、既存の行政サービスの見直しも含め、より一層の行財政改革を進めていきます。

28年度の決算状況、健全化判断比率などは市ホームページで、決算書などは行政資料コーナー（本庁舎3階）でもご覧になれます。

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