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更新日:2025年3月31日

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ミヅキカマクラプロジェクト

ミヅキカマクラプロジェクトとは

山に海にと自然があふれる鎌倉。四季折々の美しい風景はまさに「鎌倉らしさ」のひとつといえます。この豊かな自然が育む心地よさ、快適性は、古くから鎌倉の魅力の源となってきました。

特に鎌倉の海は、私たちの暮らしを支え、独自の文化を育んできた大切な存在です。箱メガネから海中をのぞき、長い竿で魚介類を捕る「視突漁(ミヅキリョウ)」という伝統漁法が今も息づくこの地で、漁師たちは「海の中には別世界が広がっている」と語ります。

しかし近年、平成29年10月の台風21号による漁具倉庫の被災や、波の中での危険な漁船の出し入れなど、漁業環境の脆弱性が顕在化しています。また、子どもたちへの食育など、海と人々をつなぐ貴重な活動が、有志の個人や団体の努力に支えられている現状があります。

「ミヅキカマクラプロジェクト」は、こうした課題を解決するとともに、海の恵みを未来へつなぐための取り組みです。坂ノ下地区に整備する漁業支援施設は、単なる漁業インフラではありません。安全な漁業環境の確保はもちろん、食育、学習の場にもなり得る「マナブ・ツドウ・トル」の拠点となります。

このプロジェクトは、鎌倉の海を「まちの未来の資産として継承していく」という思いから生まれました。複眼的な視点で海を見つめ、自然環境や生態系を保全しながら、地域の活力を高める—その姿勢と発露として、鎌倉の伝統漁法「ミヅキリョウ」からプロジェクト名を冠しています。海の自然環境や生命の尊さを学び、にぎわいと地域交流を生み出し、持続可能な漁業を実現する。それが私たちの目指す「未来へつなぐ無形資産の型化(かたか)」なのです。

市公式note「ミヅキカマクラプロジェクト( 外部サイトへリンク )」にて、プロジェクトの詳細や進捗をわかりやすく発信していますのでぜひご覧ください。

プロジェクトの成り立ち

  • 昭和28年坂ノ下漁業協同組合から「坂ノ下防波堤設置に関する請願」が議会に提出される
  • 昭和54年、昭和56年、昭和60年鎌倉漁業協同組合から「(仮称)鎌倉漁港建設促進についての陳情」が議会に提出される(各年計3回)
  • 昭和63年~平成23年鎌倉漁港対策協議会(略称:漁対協)

市長から諮問を受け発足。漁港建設の是非などについて議論され、鎌倉地域には漁港が必要との結論。

  • 平成23年~平成24年鎌倉地域の漁業と漁港にかかるワークショップ

漁対協における結論を踏まえ、広く市民意見を徴取することを目的に設置。「鎌倉地域の水産業の将来ビジョンを考える必要がある」、「漁業者が抱えている喫緊の課題を早急に対策を実施する必要がある」などの市長へのメッセージがまとめられた。

  • 平成25年~平成28年鎌倉市水産業振興協議会

本市の水産業振興について学識経験者等を交え、関係者がそれぞれの立場から意見を出し合い、課題の検証や現在の取り組みの改善について協議することを目的に設置

  • 平成30年~令和2年鎌倉市水産業振興計画推進委員会

水産業振興計画の策定に向け、9回にわたり委員会を開催。併せてパブリックコメントを実施。

  • 令和2年4月鎌倉市水産業振興計画策定
  • 令和3年~ミヅキカマクラプロジェクトをスタート

パンフレット

プロジェクトの説明会(令和3年2月実施)で配布したパンフレットです。

なお、掲載内容については作成当時のものであり、現時点の情報と異なる場合がありますのでご了承ください。

ミヅキカマクラプロジェクトパンフレット(令和3年2月発行)(PDF:3,501KB)

解決すべき課題

1漁業者への危険

防波堤のような波を抑える構造物が無いため、海岸付近の波が高いと船が転覆する危険があります。また、漁から戻って浜にある台車を取りに行く際、漁船から手を離さざるをえないため、船が漂流し、座礁してしまうこともあります。

2海岸利用者への危険

漁船の出し入れの際、マリンスポーツや散歩する人たちと接触してしまう恐れがあります。

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3近隣住民への危険

台風の時などには、浜にある漁具倉庫は被害を受けやすく、過去にも漁具倉庫が被災し、壊れた建材や漁具が砂浜や国道にまで散乱してしまったことがあります。

漁業支援施設の整備について

上記のような課題を解決するため、坂ノ下(鎌倉地域)に「海からマナブ・ツドウ・トル」の拠点になる漁業支援施設整備を進めています。

整備予定地

砂浜を分断しない場所であり、既存の構造物(消波ブロック等)を活用できることから整備位置を決定しました。

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完成予想図

令和6年に実施した設計に基づき作成したものです。今後の工事進捗に伴い変更となる可能性があります。

図1:施設全景(PNG:1,009KB)

 

図2:砂浜側視点(PNG:1,058KB)

 

図3:公園側視点(PNG:1,015KB)

 

図4:公園側視点(遠景)(PNG:994KB)

完成までのスケジュール

令和7年度(2025年度)に工事を始め、令和13年度(2031年度)の完成を予定しています。次のような工程で工事を進める予定です。

  • 令和7年度~9年度:防波堤改良工事(神奈川県が整備した既存の突堤をより波が防げるような構造に改良します)
  • 令和8年度~11年度:護岸工事(漁業支援施設の基礎となる護岸を整備するため、埋立工などを行います)
  • 令和12年度~13年度:漁具倉庫等建築物建設工事(漁業支援施設内の建物を建設していきます)

施設整備によるメリット

次の3つの安全が守られるようになります。

1漁業者の安全

漁船の出し入れをしやすくして、転覆や座礁などの事故を減らします。

2海岸利用者の安全

人と漁船との接触事故を減らします。

3近隣住民の安全

台風で建具が国道に散乱するなどの危険を減らします。

施設整備による周辺環境への影響

市は整備予定地付近において、必要な調査を実施しています。その調査結果は次のとおりです。

生物への影響

整備予定地付近には希少種(環境省及び神奈川県が指定するレッドリスト)はおらず、また藻が繁茂しているような場所ではないことから、自然環境への影響は極めて小さいと考えています。

  • 委託業務名:平成27年度鎌倉地域の海岸等における自然環境等調査業務委託
  • 委託期間:平成27年7月23日から平成28年3月18日
  • 受託者:日本工営株式会社

波や地形への影響

波、地形のシミュレーションを実施しました。整備予定地は、現在神奈川県が整備した突堤の背後にあり、波の静かな静穏域に整備することから、影響は極めて小さいと考えています。

  • 委託業務名:令和元年度漁業支援施設整備協議資料作成等支援業務
  • 委託期間:令和2年2月7日から令和2年6月30日
  • 受託者:株式会社建設技術研究所

 

各調査結果の詳細については、こちら(PDF:4,526KB)(令和2年度作成資料)をご覧ください。

 

Q&A

これまで砂浜に降りるために利用していたスロープ(公園横の斜路)は、施設完成後も利用できますか

施設完成後も利用できます。ただし、漁業者の車両が出入りしますので、利用にあたっては注意が必要です。

施設内において散歩などの一般利用はできますか

漁業者が使用するための必要最小限の規模として設計していることから、スロープ(公園横の斜路)を除き、一般利用はできません。ただし、朝市などのイベント等の開催に伴う臨時的な一般利用は検討していきます。

なお、一般の駐車利用はできません。

市内には腰越漁港があるが、新たに施設を整備する必要はあるのですか

腰越漁港や逗子市の小坪漁港の活用については検討をしましたが、いずれも鎌倉地域の漁船を入れるには規模が不足しており、難しいとの結論に至りました。

坂ノ下から材木座海岸にかけて、現在砂浜にある漁具倉庫や漁船はなくなるのですか

砂浜上にある全ての漁具倉庫や漁船は、漁業支援施設に集約する方向で調整を進めています。

お問い合わせ

所属課室:都市整備部農水課農水担当

鎌倉市御成町18-10 本庁舎4階

電話番号:0467-23-3000

メール:nousui@city.kamakura.kanagawa.jp