3-1.住宅系土地利用の方針
1)考え方
(1)緑により分節化された市街地ごとの特性を踏まえた住宅地の配置
住宅系土地利用については、緑により分節化された既成市街地に広がる市街地住宅地と丘陵部に広がる住宅地、海岸部に大別し、その特性に応じた配置や保全・整備を図ります。
(2)鎌倉の市街地の特徴や資源の活用
市街地形成の経緯や地形等の特性を踏まえるとともに、緑や歴史的遺産といった鎌倉市の大きな資源を保全活用して、良好な住宅地としていきます。
(3)良好な住環境の維持
鎌倉市を大きく特徴づける良好な住環境を保全するとともに、住環境を向上させるため、必要な整備を図ります。
(4)安全で防災性の高い住宅地の整備
地震等の自然災害や火災に強い、安心して安全に住むことができる住宅地形成を図ります。
2)類型別土地利用の方針
(1)旧市街地の住宅地-市街地の良好な低層を主体とした住宅地の環境保全
<1>位置
鎌倉地域、腰越地域の市街地の低地部
<2>将来土地利用イメージ
寺社等の歴史的遺産や自然と一体となった低層低密で緑豊かな落ちついた雰囲気を持つ戸建住宅を主体とし、一部中層の共同住宅や、住環境と調和した店舗等のある魅力的な住宅地として保全を図ります。
なお、木造住宅が密集している地区については、景観に配慮しつつ、必要な基盤整備を行い、防災性の向上を図ります。
<3>方向性
・地区計画、建築協定等の適用による敷地の細分化等の防止、良好な住環境の保全
・緑の維持・緑化推進方策の適用による住宅地内の緑の保全、緑豊かで歴史的環境と一体となった景観の保全、創出
・細街路の拡幅等による防災上必要な基盤の整備
・老朽化住宅の建替え促進
・空地等の有効利用による住宅供給の促進
・住環境整備事業、基盤整備事業の活用
(2)谷戸の住宅地-谷戸の低層住宅地の環境保全
<1>位置
鎌倉地域や北鎌倉等の谷戸部
<2>将来土地利用イメージ
寺社等の歴史的遺産や緑などの自然と一体となった低層低密の戸建住宅地として保全します。行き止まり道路や崖崩れの可能性など問題のある住宅地については、必要な基盤整備等を行い、防災性の向上を図ります。
<3>方向性
・地区計画、建築協定等の適用による良好な住環境の保全
・緑豊かな景観の保全、創出
・老朽化住宅の建替え促進
・防災性向上のための基盤整備事業(道路、斜面防護等)の活用
(3)一般住宅地-一般住宅地における良好な住環境の育成
<1>位置
腰越、深沢、大船、玉縄地域の既成市街地
<2>将来土地利用イメージ
良好な住環境の育成を図るとともに、基盤整備にあわせて一部中層の住宅や商業施設等が調和する土地利用を誘導します。
<3>方向性
・地区計画、建築協定等の適用による良好な住環境の保全
・住宅と商業施設等の調和
・基盤整備事業の活用
(4)沿道住宅地-主要道路沿道の住宅地の環境形成
<1>位置
金沢鎌倉線、藤沢鎌倉線、鎌倉大町線、腰越大船線等の主要道路沿道の一部
<2>将来土地利用イメージ
住宅地としての環境の保全、育成を基本としつつ、低層から一部中層として、沿道の環境整備とあわせながら土地利用密度をやや高め、戸建住宅や集合住宅と生活関連店舗等の複合した土地利用を誘導していきます。
<3>方向性
・地区計画、建築協定等の適用による良好な住環境の保全
・住宅と店舗等の調和
・沿道景観の整備