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更新日:2023年2月21日
「地域から、共生社会をつくる」と題し、各地で先進的な活動をされている方たちの話を複数回にわたりシリーズで聞くことで、心のバリアをなくし、見方を変えるきっかけや、誰も排除されない「ごちゃまぜ」の環境や場所をつくっていきたいと考えています。
第3回「安心できる居場所づくり」
講師・鴻巣麻里香さん
KAKECOMI代表、精神保健福祉士、福島県スクールソーシャルワーカー
講演内容
地域に安心できる居場所をつくり、社会からの孤立を防ぐ「KAKECOMI(=かけこみ寺+コミュニティ)」の取り組みを紹介します。
「KAKECOMI」は、まかないこども食堂「たべまな」と、女性とこどもの安全なおうち「セーフハウス森のたべまな」を活動の大きな柱としています。たとえ生きづらさを感じるときでも、安心しておいしいごはんを食べ、必要なだけ力をチャージできる場所があれば、人や社会とのつながりを持ち続けられ、その先の孤立を防げます。食堂やセーフハウスには、ソーシャルワーカーによる相談支援の裏メニューもあり、対象を子どもに限定せず、必要に応じて支援や社会資源につなげています。
鎌倉でも、こども食堂の運営や、”生きづらさを抱える子どもと、その周囲にいる大人”の存在に関心を持つ市民が増えてきました。みんなが笑顔になれる居場所について、一緒に考えていけたらと思います。
≪開催日時≫令和元年(2019年)9月27日
≪開催場所≫鎌倉市福祉センター(鎌倉市御成町20-21)
≪定員≫80名程度
≪参加費≫無料
≪対象者≫鎌倉市内に在住・在勤・在学の方
自身の幼少期の経験や大病を乗り越えた経験から、「地域の居場所」づくりに尽力されている鴻巣さん。
鴻巣さんが代表を務めるNPO法人「KAKECOMI」の活動のひとつ「たべまな」は、世に言う「こども食堂」とは少し違うように思います。
「たべまな」を訪れる子どもたちには、不登校や貧困などの問題を抱えた子どももいます。ここには、「孤独」を感じている子どもたちの「居場所」となるよう、さまざまな仕掛けがあります。
まずは「裏メニュー」。ソーシャルワーカーが中心となり、医師・弁護士・心理士などのプロボノ(注1)などでも活用しながら具体的に支援につなげていきます。
次に、「まかない」制度。18歳以下の子どもや学生が利用する際の条件として、できること・好きなこと・したいことで何かひとつ以上の仕事をします。「~してもらってばかり」と感じると、支援を受けることに負い目を感じたり、自尊心が損なわれてしまうからです。みんなが「場に貢献する」ことでゆるやかにつながっていけます。
大人もカンパすれば、「たべまな」を利用できます。大人も集うことで、子どもたちは地域の人と触れ合ったり、先生や親とは違う大人と関わることができます。そして、子どもたちの声が地域の大人に届きます。
鴻巣さんは、共生社会をつくっていくためには、「当事者力」が必要だといいます。例えば異国で言葉が通じない時に感じたもどかしさや辛さなどの経験は、今困難の最中にいる人たちとつながれる「チャンネル」になります。場所や視点を変えれば誰もが「マイノリティ(注2)」であり、何らかの「当事者」です。「当事者かそうでないか」に分断せず、その分断を乗り越える力が「当事者力」なのだといいます。
この講座を経て、「誰にでも居場所があり、安心して暮らせるまちづくりを目指して、できることから始めたい」などの感想がありました。エンパワメントされた方も多かったようです。この講座が当事者力を行動に移すきっかけになればうれしく思います。
(注1)プロボノ…プロの方がボランティア団体などに協力・技術を指導すること
(注2)マイノリティ…少数。少数派。
お問い合わせ
所属課室:共生共創部地域共生課くらしと福祉の相談担当
鎌倉市御成町18-10 本庁舎1階
電話番号:0467-23-3000
内線:2496