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更新日:2025年2月18日
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(注)鎌倉文学館は大規模修繕のため、令和5年度から休館しており、再会館は令和11年度を予定しています。詳しくは「鎌倉文学館について」をご覧ください。
第1号/平成2年10月1日指定
この建物は、昭和11年旧加賀藩前田家第16代当主前田利為氏が建築したもので、相模湾を見下ろす谷戸の中腹に位置しており、当時の鎌倉の別荘を代表する建物の一つです。
昭和58年7月、前田家より鎌倉市が譲り受け、昭和60年11月に鎌倉文学館として開館しました。
ノーベル平和賞受賞の佐藤栄作元首相が別荘として利用したほか、作家三島由紀夫の小説「春の雪」の一場面として登場しています。
長谷一丁目
国登録有形文化財(建造物)
明治23年、加賀百万石藩主の前田家15代当主前田利嗣(としつぐ)氏がこの土地を購入。
その後、茅葺屋根の和風建築物(別荘)を建築するが、焼失する。
昭和11年、前田家第16代当主前田利為(としなり)氏が現在の建物を建築する。
戦後の一時期デンマーク公使が別荘として使用する。
昭和39年、故佐藤栄作元首相が、昭和50年6月に亡くなるまでの間、別荘として借りる。
作家の三島由紀夫がこの地を訪れ、小説「春の雪」の一場面の舞台として描写する。
昭和58年7月、前田家第17代当主前田利建氏より、鎌倉市がこの建物を譲り受ける。
昭和58年6月より建物の改修工事を行い、昭和60年11月1日鎌倉市立鎌倉文学館として開館。
平成12年5月、国の登録有形文化財として告示される。
1階は鉄筋コンクリート造で、外壁は当時鎌倉の別荘建築物に多く用いられた二丁掛タイルで仕上げられている。また、2階・3階は木造で、半六角形の張り出し窓・半円形欄間の飾り窓・パラペットの装飾・ベランダの手摺等洋風デザインを導入している一方、瓦葺の切妻屋根と深い軒の出等和風デザインも見られ、全体的には和洋折衷の外観を呈している。
内部には、1930年代に流行したと思われるアールデコの様式が随所に見られる。また、当時としてはなかなか手に入りにくかった大理石を使用した玄関や暖炉、床のモザイク模様の寄木貼り、飾り窓の装飾とステンドグラス等、この建物の重厚さを伝える要素となっている。
真鍮を加工して緻密な細工を施した照明器具も貴重なものであり、それぞれの部屋のモチーフと自然にマッチしている。