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更新日:2025年4月14日

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洋風建築物の特徴

探してみよう洋風建築

近代に建てられた洋風の建物にはよく見ると色んな特徴があります。

まちを歩くときにこんな視点から建物を見てみると結構身近なところに「景観重要建築物」となるような建物があるかもしれません

屋根材

屋根材は、外壁と並んで建物を印象づける重要な役割をもっています。

現在は手にはいらないものもあり、改修時に新しい屋根材にかわってしまっているものも数多くあるようです。

フランス瓦

フランス瓦

複雑な形をした凹凸のある瓦です。

横浜の山手には開港初期よりフランス人の経営する瓦工場があり、ここで製作された瓦が広く用いられてたようです。

横浜で製作された瓦で葺かれた建物はありませんが、現在でもフランス瓦で葺かれた屋根を持つ建物は少なくありません。

スペイン瓦

スペイン瓦

平面的なフランス瓦に比べ、断面はS字形や半円形で凹凸がはっきりしています。

彩釉が施されて光沢があり、ブルー、グリーン、オレンジ等、明るく鮮やかな色彩が特徴です。

桟瓦(さんがわら)

桟瓦

桟瓦葺きは伝統的な本瓦葺きの古典的な手法を簡略化したもので、軽快な印象を与えます。

日本の風土の中に建てられ洋館の屋根を飾る素材としても違和感がなく、入手や施工が容易なことから多く使用されています。

天然スレート

天然スレート

天然スレートとは、硯の材料である粘板岩を薄く割って方形の板状にしたものです。

明治期の洋館に屋根葺材として普及しました。

外壁(仕上げ)

外壁の仕上げは、開口部などとともに洋館の表情をつくりだす役割をもっています。

ほとんどの洋館は木造ですが、外壁の仕上げは様々です。

ながい年月のあいだには、仕上材はそのままでも色は何度も塗りかえられているものも多くあります。

モルタル吹き付け

モルタル吹き付け

下地にモルタルを塗り、その上にさらにモルタルを吹き付けたもので、木造の建物の防火壁として良く用いられています。

モルタル掻き落し

モルタル掻き落し

仕上げ材として厚く塗ったモルタルの一部を硬化する前に掻き落して凹凸を付けた仕上げ。

壁材料であるリシンをドイツから輸入し、これを用いて掻き落し仕上げとしたため、 ドイツ壁とも呼ばれています。

下見板張り

下見板張り

壁の横板張りで板(下見板)を下から互いに少しずつ重なり合うように取り付けたもの。

仕上げは、ペンキで塗装しますが、木造の軽快さがとても良く表現される外壁です。

板の張り方によりイギリス下見、ドイツ下見などにわけられます。

開口部(窓、出入口)

洋館の窓には、規格化されたアルミサッシュにはない、独特の雰囲気があります。
多くの窓は縦長のプロポーションをしており建具が上下に動く上げ下げ窓が一般的に使用されています。
大きなガラスを入手することが困難であったため窓桟により建具が細かく仕切られていることも特徴といえます。

ベイ・ウィンドウ

ベイ・ウィンドウ

中世のイギリスの邸宅で発達したベィ・ウインドウは、典型的な洋風住宅の技法で、多くの洋館に見ることができます。

ベイ・ウィンドウを設けることにより、採光や通風の効果が高まると同時に、外観の意匠や内部空間においても立体感がうまれ、変化のある空間演出が可能となります。

ドイツ壁とも呼ばれています。

ドーマー・ウィンドウ

ドーマー・ウィンドウ

傾斜する屋根に垂直に突き出して設けられた窓で、この窓自身も小さな屋根で覆われています。

屋根裏部屋への採光や通風を目的として設置されますが、外観の意匠としても印象的なものとなります。

よろい戸

よろい戸

開口部の外側に、換気、日照調整、視線の遮蔽などの目的で取付けれれるガラリ付きの窓。

このよろい戸は、よく見るとガラリの割付や開き方など建物毎に異なっていることがわかります。

また、所有者がかわると窓枠やよろい戸は塗り替えが行われるといわれていることからもわかるように、建物をイメージづける重要な要素です。

その他の特徴・・・

まだまだ他にも洋館の特徴はあります。

全部は無理ですが、ここではそのうちのいくつかを紹介します。

ポーチ

ポーチ

建物本体の屋根とは別に独立した柱などに支えられた屋根を持ち、本体から突き出ている建物の入口です。現在の住宅にも多く設置されていますが、近代の洋館は開放部分がアーチになっていたり、柱にタイルが貼られていたりと特徴的な意匠をもったものが多く見受けられます。

ベランダ

ベランダ

建物の外周に沿ってつくられた半屋外の開放的な空間です。

多くの場合は上部に屋根が設置されていますが、屋根のないものやパーゴラが設置されているものもあります。

日本の気候にあわせ周囲にガラスをはりめぐらせたサンルームも洋館の特徴ということができます。

煙突

煙突

屋根の上に突き出ている煙突は、誰もが洋館らしさを感じるものではないでしょうか。

煙突だけが煉瓦で造られていたり、頂部に風見や笠が付けられていたりと特徴的な意匠をもつものが数多くあります。

室内には暖炉があり、かつては暖房器具として使用されていたものですが、現在も使用されているものはほとんどないようです。暖炉のデザインも様々で時代背景やオーナーのセンスなど比べてみると大変興味深いものがあります。

細部の装飾

細部の装飾

妻側の外壁の三角形の部分、軒廻り、建具、階段など様々な部分に細かい装飾が付けられています。

漆喰等の左官仕上げのもの、木を刳りぬいて製作したものなど、そのデザインは、洋館に深みを与えるとともに、当時の技術の高さを私たちに感じさせてくれます。

近代に建てられた洋館に味わいがあるのは、独特のデザインとこの細部にまで気を配った造作のせいかもしれません。

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