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更新日:2022年11月14日
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「鎌倉地域の地区交通計画に関する提言(以下「提言」という。)」では、既存の道路施設を活用し、社会実験を重ねながら計画の具体化を推し進めていく」こととしています。これは、社会実験を繰り返し実施することで、1:自動車利用の抑制と公共交通の活用による安全で快適な地域づくり、2:歩行空間と居住環境の再生による市民生活を観光が共生できるまちづくり、3:活力とにぎわいのある歩いて楽しい古都かまくらの観光地づくり、という地区交通計画の3つの目標を市民や関係者に深く理解してもらうとともに、この計画の課題を明確にし、かつ改善を加えていくための最も着実な方法であると考えられたためです。
そこで市と研究会は、提言にある「20の施策」の実現に向けた第一回目の社会実験として、平成8年11月に「七里ガ浜パーク&レールライド交通実験」を実施することとしました。
七里ガ浜パーク&レールライドは、観光客のマイカーを対象とし、鎌倉地域の西方約4キロメートルに位置する七里ガ浜海岸駐車場(鎌倉プリンスホテル所有)を主に自動車を停めてもらい、駐車場から徒歩約2分の江ノ電七里ヶ浜駅(稲村ガ崎駐車場は、稲村ヶ崎駅)から電車に乗り換え鎌倉地域へ移動してもらうことで、鎌倉地域に流入する自動車を抑制しようとする施策です。
七里ガ浜パーク&レールライド交通実験に関する主な内容 |
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実施日 |
平成8年11月23日(土曜日・祝日)、24日(日曜日)の2日間 |
駐車場容量 |
P1=61台、P2=26台、P3=219台、P4=112台、P5=15台計433台 |
システム協力金 |
・自動車1台当たり1,000円 ・駐車時間は、駐車場の開門(9時)から閉門(18時)まで無制限 ・同乗者全員に江ノ電全線が一日自由に乗り降りできる「のりおりくん(570円)」を配布 |
実験の目的 |
1.自動車から公共交通への転換の可能性を検証すること 2.自動車交通から公共交通への転換施策の基礎的データを収集すること 3.一連の取り組みを広く周知し、鎌倉の交通計画への理解を深め、社会的機運を高めるきっかけとすること |
実験実施の補助スタッフ |
ちらし配布員やアンケート調査員として、2日間で約160人のボランティアスタッフが協力 |
その他 |
交通実験の実施に伴った交通規制等は行わない |
2日間にわたって行われた実験では、延べ737台、1,811人がこのシステムを利用し、その利用者に対してアンケート調査を行った結果、実に97%の利用者「非常に良かった」または「良かった」との回答を得ることができました。
また、同時に実施した鎌倉地域内の一般駐車場利用者へのアンケート調査と比較した場合、鎌倉地域での滞在時間が約1.5倍(移動時間を除く)に伸びたことや、パークアンドライド利用者から駐車場閉門時間の延長を望む意見などが出され、様々な効果や課題についても把握することができました。
第一回目の社会実験を総体的に評価した場合、ほぼ予定通りのデータ収集ができたことや、これまでの取り組みの方向性が誤りではなかったことなどが確認され、大きな成果を上げるとともに、着実に地区交通計画実現への第一歩を踏み出したといえます。
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「国道沿いの案内看板と江ノ電」 |
「P1駐車場内でのアンケート調査」 |
駐車場の利用状況 |
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駐車場の 位置 |
駐車台数(台) |
利用台数(人数) |
利用率 |
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11月23日 | 11月24日 | 2日間計 | 11月23日 | 11月24日 | 2日間計 | |||
七里ガ浜 | P1 | 61 | 84(218) | 80(201) | 164(419) | 138% | 131% | 134% |
P2 | 26 | 35( 84) | 32( 85) | 67(169) | 135% | 123% | 129% | |
P3 | 219 | 110(264) | 157(374) | 267(633) | 50% | 72% | 61% | |
P4 | 112 | 91(228) | 110(266) | 201(494) | 81% | 98% | 90% | |
稲村ガ崎 | P5 | 15 | 21( 50) | 17( 41) | 38( 91) | 140% | 113% | 127% |
合計 |
433 | 341(844) | 396(967) | 737(1,811) | 79% | 91% | 85% |
駐車時間と観光時間(平均) |
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パーク&ライド駐車時間
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利用者の感想 |
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七里ガ浜P&RR利用者の飲食・土産物等購入意識の変化 |
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