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更新日:2024年2月29日

令和5年度「協働コース」~実施事業の活動紹介~(令和4年度採択事業)

鎌倉市では、市民活動団体と市がそれぞれの特性を生かし、ともに協力して共通の目的である社会や地域の課題解決に取り組む『協働』の活動が生まれています。
令和4年度のつながる鎌倉エール事業「協働コース」では、令和5年度に実施する事業として3件の協働の取組が採択されました。
この3つの事業にアンケートを行いましたので、その活動内容をご紹介します。

もくじ

  1. mama care 湘南×市民健康課
    『産前産後ママ向けリーフレット配布およびケア事業 』
  2. NPO法人まるまーる×地域共生課
    『外国籍・海外ルーツ市民に対する行政相談窓口・相談機関 一覧制作(やさしい日本語・英語)及び周知』
  3. team HINATA×障害福祉課
    『team HINATA ハピネス Festival』

mama care 湘南×市民健康課
『産前産後ママ向けリーフレット配布およびケア事業 』

1.どのような団体ですか

当団体は理学療法士が主体となって活動しており、現在メンバーは総勢11名です。私たちは2016年に発足して以来、鎌倉市を拠点に地域の産前産後女性のための講座や専門家向け講座を開催して参りました。
女性理学療法士が主体となり運営しておりますので、医療従事者としての専門性が高く、医学的な視点からも助言ができるのが強みです。

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2.どんな活動ですか?

今回は産前産後のママ向けのリーフレットと動画を制作いたしました。
妊娠・出産をする女性にとって、自身の体の変化に対する知識を得る機会はまだまだ乏しい現状があるため、母子手帳交付時やお子様の健診時にママの体についてのリーフレットをお渡しし、正しい知識を得ることで安心して過ごして欲しいと考え、この事業に応募しました。

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  • リーフレットはメンバーで検討を重ね作成しました。

     

3.団体と市でどのような役割分担をされましたか

まずは市民健康課と当団体での意見交換を行い、産前産後女性が求めていることやニーズを確認しました。
その後、当団体の方でデザイナーに依頼し、リーフレットのたたき台を作成しました。また、リーフレットに掲載するQRコードを読み込むと閲覧できる育児動作に関する動画を撮影し、動画クリエイターに編集を依頼しました。

市民健康課の方では、随時チェックをしていただき、加筆修正を重ねました。
そして、リーフレット完成後は、市民健康課から母子健康手帳の交付時、子育て支援センター、検診や産前・産後事業などで配布を予定しております。
また、作成したデータは市に納品する形をとるため、今後増刷する際は市の方で編集・印刷依頼をし、配布していくこととなり、育児動作に関する動画は鎌倉市のホームページでも閲覧できるように設定しました。

 

4.どんな経緯でこの活動をやってみようと思い立ちましたか?

鎌倉をママがさらに笑顔で子育てできる街にしたい!と言う思いと、人生における大きなライフイベントである妊娠期から子育てに前向きに取り組むことができるよう、女性の体の変化を切り口に切れ目のない支援をしたいと言う思いで応募しました。

近年、核家族化・コロナ渦での支援不足・晩婚・晩産化による体力低下・ダブルケアなどが問題となってきております。これらの問題が重なり産前産後女性の負担はますます増加傾向にあります。
心と体というものは密接につながっているものですので、身体的負担がさらに重くなることで心にも影響が出てしまうことも想像に難くありません。

また、妊娠出産による女性の身体的トラブルとして多いのが肩こり・腰痛・尿漏れ・臓器脱・腱鞘炎などです。多かれ少なかれ、こういった身体的トラブルを産後女性は経験しているのですが、多くの女性は自身の体の辛さを命に関わるほどのトラブルではない・育児に追われるなどを理由に我慢してしまいがちです。
また、尿漏れや臓器脱といったトラブルに関してはそもそも知識がない方が多いです。なってみて初めて調べるも、どこに相談したら良いのかがわからなかったり誰にも言えないと言う方も少なくありません。

自身の体に目を向ける、そして大切にすると言う事は産後女性自身のためになるのはもちろんですが、子育てに余裕を持って取り組むためにもとても必要なことといえます。結果的に子どもたちの成長にも、大きく関わることであると考えます。
ママの身体に着目した正しい情報を、市内の全てのママに届けるには、市との協働事業によりリーフレットや動画を作成し提供していくことが良いのではないかと考え、応募しました。

5.活動のやりがいや、課題はなんですか?

私たちは産前産後の女性を不安にさせないために今何が必要か、何ができるかを考えて活動して参りました。
様々なサービスや制度が整い始めている産前産後ケアではありますが、妊娠出産というライフステージにおいて、女性たちはそもそも何がどう変化するのか・どうすれば身体的トラブルを予防できるのかを知る機会が少ないです。それらを知るためのツールとして今回作成したリーフレットや動画が皆様のお役に立てたらと考えております。このような形で私たちにできることを最大限生かし、形にできたことには非常にやりがいを感じました。

課題としては、まだまだ全国的に、理学療法士が行政と共に産前産後ケアに携わっているケースは少ないため、少しでもこのような活動が認知される必要があると考えております。

6.協働の取組を行ってよかった点を教えてください。

  • mama care湘南
    私たちの普段の活動をより多くの方に知っていただくきっかけとなりました。また、市民健康課の方々との対話を通じて、市内の産前産後女性のニーズを再認識するきっかけともなり、非常に充実した取り組みとなりました。
  • 市民健康課
    妊娠出産を経て、心身ともに女性は変化をします。このリーフレットでは、その経過の中で起こり得る様々なトラブルとその予防について、理学療法士ならではの視点で具体的に示していただきました。リーフレットを母子健康手帳交付時に配布したり、ホームページに動画を掲載したりすることで、より多くの妊産婦さんに周知できたと思います。また、鎌倉市の妊産婦さんの現状を共有できたこともよかったと思います。

7.今後の展望や目標を教えてください

今後も、活動を通じてより多くの産前産後女性の健康をサポートしていきたいと考えております。そのためには、現在行っている妊娠中のママとパートナーに向けた講座以外にも、産後のママや赤ちゃん向けの講座なども企画していきたいと考えています。
また、研究にも力を入れ始めておりますので、私たちの活動の意義がより明確になるよう努力して参りたいと思います。

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NPO法人まるまーる×地域共生課
『外国籍・海外ルーツ市民に対する行政相談窓口・相談機関 一覧制作(やさしい日本語・英語)及び周知』

1.どのような団体ですか

「みんなが、どこで生まれても、どこで暮らしても、自分らしさを大切にできるように。まわりのことも大切に、リスペクトしあって生きられる世界であるように」と願って、子育て期からのダイバーシティ・インクルージョンを広げるため、海外ルーツの方の子育てサポートや子育て中の方達の交流事業を行なっています。

2.どんな活動ですか?

海外ルーツ・外国籍市民の方向けの生活ガイドの制作です。やさしい日本語と英語の2バージョンを制作しています。

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  • 作成中のガイドブックの表紙


    ※ガイドブックは完成しだい市のホームページに掲載予定です。


3.団体と市でどのような役割分担をされましたか

地域共生課には、ジャンル・部署を横断した情報提供とヒアリング、関係部署との連携をお願いしました。
当団体では海外ルーツ・外国籍市民からのニーズの掘り起こし、リアルな状況の把握と解決策の提案に加え、異文化理解・多文化共生事業における経験をいかした、文化的配慮を加えた記載内容の提案・制作を行いました。その上で、共に内容の検討を進め、外国籍市民とのディスカッション、ヒアリングを行い、改善を重ねたガイド制作を行いました。

4.どんな経緯でこの活動をやってみようと思い立ちましたか?

鎌倉市には外国籍市民が市民の1%弱住民登録しており、市民全体として割合は大きくありませんが、人数にすると1700名近い人数となります。外国籍・海外ルーツの方々の子育て支援を中心に活動する中、「生活上の困りごとがあった場合に、どこに相談すればいいかわからない」「自分の悩み事は行政などの機関に相談してよいものかわからない」という声が多数ありました。

翻訳機能を活用しても市のホームページの情報はわかりづらく、乳幼児診断、保育園利用・就学手続きといった重要項目でさえも、日本語使用者以外は最低限の情報を得るための手段が限られ、その先の事務手続ではさらに困難が大きい状況です。
必要な情報を得られず、相談先もわからず孤立する人の発生を防ぐため、共生社会の実現を目指す自治体としては、こうした人も取り残さない取り組みが必要ではないか、と考えました。
具体的には、日本語が不自由な当事者も行政の相談先が明確にわかるような広報媒体の作成とその周知、合理的・文化的配慮を伴った、各部署における真摯・確実な対応が求められると考え、活動に取り組みたいと考えました。

5.活動のやりがいや、課題はなんですか?

のびのびと遊ぶ子どもたちを、多様な家族で共に見守り、笑顔でいる瞬間がやりがいです。イベント等に参加した方から頂く「国籍や文化を越えていろいろな⼦どもや家族が⼀緒に遊ぶことの楽しさや人の多様性を⼦どもに伝えることができる。子どもだけでなく、親もそのことを身をもって体験できている」「⽇本で⼦育てをしていく不安がなくなった」「本当に寄り添ってくれる、気持ちの拠り所のような場所があって嬉しい」といった言葉も大きな励みになっています。課題は、必要な方に情報を届ける難しさです。

6.協働の取組を行ってよかった点を教えてください。

  • 特定非営利活動法人まるまーる
    鎌倉市全体を網羅した情報提供を行うにあたり、私たちのような市民団体独自で調査・調整を行うよりも、偏り無く、きめ細やかな情報提供が可能になりました。
    また、当団体では子育て世代に限定的なリーチ対象となってしまうところを、協働により偏りの無い利便供与が可能になりました。
  • 地域共生課
    外国籍・海外ルーツ市民と直接関わりながら活動している採択団体と協働することで、困り事を抱える当事者の視点に立って、活用しやすい生活ガイドを作成することができました。
    行政職員のみでは気付きえなかった視点を取り入れられたことで、誰もが安心して暮らすことのできるまちの実現に向け、価値のある事業を実施することができました。

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  • ガイドブックはまるまーると地域共生課が共に考えました。

     

7.今後の展望や目標を教えてください

一歩進んだ「交流」とインクルージョンのため、子育て中の方に、「イベント参加者」としてだけではなく、国籍・言語を超えて活動の運営にも参加頂けるように取り組んでいきます。
また、世代や障害の有無を超えたインクルージョンに私たちも貢献できるよう、視野・連携を広げていきたいと考えています。

team HINATA×障害福祉課
『team HINATA ハピネス Festival』

1.どのような団体ですか

2016年に発足したキッズダンスチームです。現在は5歳から14歳のメンバーで構成されています。
主に、ダンスを通じて福祉活動を行うことを目的とし、様々な福祉施設やデイケア、老人ホームなどへのダンスパフォーマンスを行っています。
ダンスを通して様々な個性や困りごとを抱えた人たちとふれあい、助け合いの精神や思いやりの心を学んでいます。

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2.どんな活動ですか?

2021年より『ハピネスフェスティバル』イベント開催してきました。
今支援が必要な人、団体を応援・支援することを目的としたイベントです。
本イベントではキッズダンスやハンデのある方のパフォーマンスステージ、福祉作業所の製品販売や、支援の趣旨に合わせた出店スペースを設けてイベントを開催しています。
つなぐヒト・モノ・コトをコンセプトに、子どもも大人も楽しいひと時を過ごしながら福祉への理解を深め、困っている人たちへの支援につなげています。また、本イベントでは、ハンデがある方ない方の交流の場となり、お互いを認め合い尊重し合える環境作りにもなっています。

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  • ダンスでみんなを元気に!

     

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  • 出店コーナーも盛り上がりました!

     

3.団体と市でどのような役割分担をされましたか

鎌倉市障害福祉課と協力して、イベントの開催を2回も行うことができました。
障害福祉課との協働ということで、中学校や小学校で開催することができ、多くの人に告知もすることができました。また、登録されている福祉施設、事業所への一斉連絡、広報も障害福祉課で積極的にしていただきました。

4.どんな経緯でこの活動をやってみようと思い立ちましたか?

発足した当初は、福祉施設や病院などを訪れ、ダンスパフォーマンスをすることができていましたが、2020年コロナ渦で、子どもたちの練習の発表の場がどんどん失われていきました。コロナ渦でも何かできることがないかと考え、自分たちでイベントを開催して、ダンスパフォーマンスを見てもらう機会を作ろうと思い立ちました。イベントを開催するにあたり、自分たちの発表の場だけではなく、社会の役に立てることはないか、そして子どもたちもイベントを通して学ぶものがあるのではないかと思いました。
第1回目のハピネスフェスティバルは、心臓病を患った女の子の心臓移植をするための渡米費用が必要とされていることを知り、寄付金を集めることを目的としたイベントを開催。その子を助けよう!とみんなでイベントを盛り上げ、イベントで集めた寄付金を渡すことができ、またイベントをきっかけに寄付活動の輪が広がり、その女の子は無事に手術することができました。
1回目のハピネスFestivalのご縁を大事にしながら、今支援が必要な人、団体への応援を目的に、助け合い精神でイベント開催をしています。

5.活動のやりがいや、課題はなんですか?

コロナ渦で売り場を失っていた福祉作業所さんの製品を売る機会を設けられたことで、一般のお客様と福祉作業所さんの交流がもてたこと。また、商品が売れることで、作業所さんのやりがいが出てきたなど、嬉しいお言葉をいただけたこと。
そして、ハンデがあるなしに関わずパフォーマンスステージで交流を持てたこと。
ハンデがあってもとてもかっこいいダンスをし、素敵な歌を歌っている姿をみて、メンバーをはじめ、多くの方が感動してくれたこと。
来場者の方たちから、またイベントを開催してほしいと言ってくださったことや、一般の出店者の方たちから、ハピネスFestivalは必ず参加したいと言ってくださったこと。それらすべてがとても有難く、これからの活動の源になりました。
これからの課題としては、イベントの反省点を踏まえ、出店者やパフォーマーのニーズを聞き取り、たくさんの方に認知していただけるようなイベントをしていきたいです。

6.協働の取組を行ってよかった点を教えてください。

  • teamHINATA
    協働の取り組みを行うことにより、活動の幅が広がりより多くの方へのイベント周知ができた事。また普段開催できない学校での開催ができた事。
  • 市民健康課
    市民団体と協働で取り組んだことにより、市民団体ならではのつながりを活かすことができました。その結果、多くの障害福祉団体が参加してくださった上に、特定の業界や年代、障害のあるなしに関わらず、多くの方に来場していただけるイベントとなり、来場者及び参加者が自然に共生社会を感じられる場となったのではないかと思います。

7.今後の展望や目標を教えてください

福祉にまつわるあらゆる垣根を取り払い、福祉施設の自立や楽しい福祉などを軸にインクルーシブ社会の確立を目指していきたいと思っています。
ダンスやイベントを通して、子どもたちの成長を見守り、豊かな心が育つようにサポートしていきたいです。
ハンデあるなしに関わらず、お互いを認め合い尊重し合える社会作りを目的に、交流の場を設けていきたいです。
また、世代や障害の有無を超えたインクルージョンに私たちも貢献できるよう、視野・連携を広げていきたいと考えています。

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お問い合わせ

所属課室:市民防災部地域のつながり課地域のつながり担当

鎌倉市御成町18-10 第3分庁舎1階

電話番号:0467-23-3000

メール:npo@city.kamakura.kanagawa.jp

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