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更新日:2021年1月4日

つながる鎌倉条例逐条解説

 

つながる鎌倉条例逐条解説

条例名

つながる鎌倉条例

解説

市民活動を推進するための条例を制定するにあたり、市民活動の推進についての意見交換を行うために設置した(仮称)市民活動推進条例検討会から「メッセージを込めた条例名にしたい」という思いから、多くの時間をかけて検討し、「つながる」「つなげる」「つながり」などのキーワードを基に、市民活動や協働の推進にあたり、様々な活動主体がつながり、過去から現在に受け継がれていたものを、次世代に継承していくという思いから、「つながる鎌倉条例」としました。

前文

美しい自然環境と豊かな歴史的遺産を有する鎌倉は、このまちを愛し、自分たちのまちのために行動する人々によって守られ、支えられ、つくられてきたまちである。
先人たちがつくりあげたこうした市民風土は、市民の誇りとして、様々な市民活動に今も受け継がれており、鎌倉のまちの発展のためにこれからも次世代を担う子どもたちにつなげていく必要がある。
市、市民等、市民活動を行うもの及び中間支援組織が、お互いにつながりを大切にし、それぞれの特性を生かしながら行動し、鎌倉のまちが魅力と活力にあふれ、さらに輝くまちにしていくために、この条例を制定する。

解説

前文では、条例がつくられた背景、意義、これまで条例案を検討してきた(仮称)市民活動推進条例検討会の思いをまとめています。
鎌倉は、このまちを愛し、自分たちのまちのために行動する人々によってつくられてきたまちであり、こうした行動を支えてきた、市民の気風を「市民風土」と表現しています。これらは、現在の市民活動にも受け継がれており、鎌倉のまちを発展させていくために、これからも次世代に引き継いでいく必要があります。
市、市民等、市民活動を行うものなどがともにつながり、それぞれの特性を生かしながら、鎌倉のまちが魅力と活力にあふれ、さらに輝くまちにしていくために、条例を制定することを表現しています。

目的

第1条 この条例は、市民活動の推進に関する基本理念及び施策の基本となる事項を定めることにより、市民活動及び協働の活性化に必要な環境を整え、もって市、市民等、市民活動を行うもの及び中間支援組織がお互いにつながりを大切にし、協力し合い、多様化する地域社会の課題を解決することで、魅力と活力にあふれる地域社会の実現に寄与することを目的とする。

 (趣旨)

この条文は、本条例の目的が、市としての市民活動の推進に関する基本的な考え方を示し、市の施策の基本原則を定めることにより、市民活動及び協働の活性化による魅力と活力にあふれる地域社会づくりに取り組むことを明らかにしたものです。

解説

本条では、魅力と活力にあふれる地域社会を目指し、市としての市民活動の推進に関する基本的な考え方を明らかにし、具体化するための施策の基本原則を定めることにより、市民活動及び協働を推進し、多様化する地域課題の解決に寄与することを目的としています。
また、市、市民等、市民活動を行うもの及び中間支援組織がお互いに協力し合い、連携することを「つながり」と表現し、地域課題の解決に取り組むことを目指すものです。
1 「施策の基本となる事項」とは、本条例に規定している市民活動の推進に必要な事項のことをいいます。
2 「多様化する地域社会の課題」とは、少子高齢社会、人口減少社会の到来などの社会情勢の変化や情報社会の進展などのことをいいます。

定義 

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
 ⑴ 市民等 市内に居住し、通勤し、通学し、又は市内で事業を行うものをいう。
 ⑵ 市民活動 市民等が自主的かつ自立的に行う営利を目的としない活動で、不特定多数の者の利益の増進に寄与することを目的とするものをいう。ただし、次に掲げる活動を除く。
  ア 宗教の教義を広め、儀式行事を行い、又は信者を教化育成することを目的とする活動
  イ 政治上の主義を推進し、支持し、又はこれらに反対することを目的とする活動
  ウ 特定の公職(公職選挙法(昭和25年法律第100号)第3条に規定する公職をいう。以下同じ。)の候補者(当該候補者になろうとする者を含む。)若しくは公職にある者又は政党を推薦し、支持し、又はこれらに反対することを目的とする活動
 ⑶ 中間支援組織 市、市民等及び市民活動を行うものの間に立ち、市民活動が円滑に進むことができるように支援をする組織をいう。
 ⑷ 協働 市及び市民活動を行うものが共通の目的を実現するために、お互いが対等の立場に立ち、それぞれの特性を生かし、協力して行動することをいう。

 (趣旨)

この条文は、本条例において、重要な意義をもつ用語について定義したものです。

解説

1 市民等
(1)「市民等」とは、単に地方自治法で定める住民(市内に住所を有する人で、外国人や法人も含む。)だけではなく、本市の学校や会社に通勤・通学する者、地域活動をしているものや事業者等を含みます。
(2)「市内で事業を行うもの」とは、特定非営利活動法人(NPO 法人)、会社、学校法人、公益法人、独立行政法人、自治会・町内会や市内で市民活動を行うもの等であり、この「事業」とは、営利を目的にしているかどうかは問いません。

2 市民活動
(1)「市民活動」とは、市民等が自主的かつ自立的に行う営利を目的としない活動で、不特定多数の者の利益の増進に寄与することを目的とするもののことをいいます。ただし、宗教活動・政治活動・選挙活動を除外することを明確にしています。
(2)「営利を目的としない」とは、当該活動が対価を受けとっているかどうかということだけで営利か非営利かを判断するのでなく、その活動によって得られた利益や資産を構成員に分配していないことをいいます。
(3)「不特定多数の者の利益」とは、いわゆる「公益」と同義であり、「社会全般の利益」を指します。「不特定多数の者の利益の増進に寄与することを目的とす
る」とは、受益者が特定されていてはならないことを意味します。
したがって、「私益」(特定の個人や団体の利益)や「共益」(構成員相互の利益)を目的とする活動は受益者が特定されている活動となるため、除きます。
(4)「宗教活動」とは、「宗教の教義を広め、儀式行事を行い、又は信者を教化育成することを目的とする活動」をいいます。なお、宗教団体であってもその宗教目的を達成するための諸活動ではなく、不特定多数の者の利益の増進に寄与することを目的とした活動を行う場合は、条例上の市民活動になります。
(5)「政治活動」とは、「政治上の主義を推進し、支持し、又はこれらに反対することを目的とする活動」であり、政治上の主義とは、○○主義といわれるような、政治によって実現しようとする基本的、恒常的、一般的な原理や原則を指します。
なお、政治によって具体的な政策を実現しようとするものは、政治上の主義の推進には当たりません。
(6)「選挙活動」とは、「特定の公職の候補者(当該候補者になろうとする者を含む。)若しくは公職にある者又は政党を推薦し、支持し、又はこれらに反対することを目的とする活動」のことをいいます。したがって、特定の人や政党それ自体を対象とすることを目的とした活動は、この条例の市民活動からは除きます。

3 中間支援組織
「中間支援組織」とは、市、市民等及び市民活動を行うものの間に立ち、市民活動が円滑かつ活発化することができるように支援する組織をいいます。市民活動や協働を円滑に推進していくためには、市民等や市民活動を行うものに情報提供や各種相談、調整等を行う中間支援組織の力が必要で、中間支援組織自体の活動の質を高め、組織が充実していくことが求められています。また、市民活動を活発化するためには、中間支援組織が市民活動団体同士、市民活動団体と行政の間にあって、情報の収集・発信、相談・コンサルティング、個人の組織化の支援及び課題を共有する他団体と連携するための機能を担い、市民等の連携を強化することが重要であると考えます。

4 協働
(1)「協働」とは、市及び市民活動を行うものが、地域課題や社会的な課題の解決など、共通の目的を実現するために、協議によって、それぞれが果たすべき役割・責任を自覚し、相互に補完し、協力し、相乗効果をあげながら、新たな公的サービスの仕組みや事業を作りだすことをいいます。
(2)「対等な立場に立つ」とは、協働による公共的課題の解決において、双方が対等の関係であることをいいます。対等な立場であることを、お互いに常に認識し、各々の自由な意思に基づき協働することが重要となります。

 (運用)

本条例における「市民活動」に該当するかどうかの判断についての目安は、次のとおりとなりますが、個別の事案は、上記の解説を基準とし、その活動団体の定款や事業計画などの客観的な内容及びその活動に係る許可の対象の所管部署で、関係法令などを踏まえ、総合的に判断していくことになります。
≪判断の目安≫
(1)市外の市民活動団体が、鎌倉市で市民活動を行う場合
   条例第2条第1号(市民等)で規定している「市内で事業を行っているもの」は、企業等が実施する営利活動だけではなく、非営利の活動も含まれています。
   市外の方が市内で市民活動を行う場合は、「市内で事業を行っているもの」に該当し、条例で定義する市民活動に該当します。
(2)自治会・町内会等の活動
   自治会・町内会活動等の構成員の親睦や共益、互助のために行われる「自助」の活動(自治会・町内会、老人クラブ、子供会など)は、自らの団体の構成員のための活動であり、本条例における市民活動からは除きます。ただし、自治会・町内会の活動であっても、不特定多数の者の利益の増進に寄与することを目的とするものは、本条例の市民活動に該当します。
(3)ある特定の個人や団体のために行う活動(○○さんを救う会等)
   ある特定の個人や団体のために行う活動は、受益者が特定されているものであり、不特定多数の者の利益の増進に寄与することを目的とするものではないた
め、本条例の市民活動に該当しません。
   ただし、例えば、現に発病している患者が少人数に限定されるような、ある特定の難病患者を救済するような事業は、受益者が特定されています。しかし、潜在的には、不特定多数の者が同じ病気になる可能性があることから、この事例の場合、受益者が特定されていても、不特定多数の者の利益の増進に寄与するため、本条例の市民活動に該当します。
(4)生涯学習や趣味の活動
   本条例で規定する市民活動は、市民等が自主的かつ自立的に行う営利を目的としない活動で、不特定多数の者の利益の増進に寄与することを目的とするもののことであるため、生涯学習や趣味の活動のような、ある特定の個人や団体のために行う活動は、本条例の市民活動に該当しません。
(5)会員制をとっている団体の活動
   会員制であるからといって、直ちに「不特定多数の者の利益の増進に寄与することを目的とするもの」に該当しないということではなく、会員になるために、特に制限を設けていない場合には、本条例の市民活動に該当します。

 【参考】

○特定非営利活動促進法
(定義)
第二条 この法律において「特定非営利活動」とは、別表に掲げる活動に該当する活動であって、不特定かつ多数のものの利益の増進に寄与することを目的とするものをいう。
2 この法律において「特定非営利活動法人」とは、特定非営利活動を行うことを主たる目的とし、次の各号のいずれにも該当する団体であって、この法律の定めるところにより設立された法人をいう。
 一 次のいずれにも該当する団体であって、営利を目的としないものであること。
  イ 社員の資格の得喪に関して、不当な条件を付さないこと。
  ロ 役員のうち報酬を受ける者の数が、役員総数の三分の一以下であること。
 二 その行う活動が次のいずれにも該当する団体であること。
  イ 宗教の教義を広め、儀式行事を行い、及び信者を教化育成することを主たる目的とするものでないこと。
  ロ 政治上の主義を推進し、支持し、又はこれに反対することを主たる目的とするものでないこと。
  ハ 特定の公職(公職選挙法(昭和二十五年法律第百号)第三条に規定する公職をいう。以下同じ。)の候補者(当該候補者になろうとする者を含む。以下同じ。)若しくは公職にある者又は政党を推薦し、支持し、又はこれらに反対することを目的とするものでないこと。
別表(第二条関係)
一 保健、医療又は福祉の増進を図る活動
二 社会教育の推進を図る活動
三 まちづくりの推進を図る活動
四 観光の振興を図る活動
五 農山漁村又は中山間地域の振興を図る活動
六 学術、文化、芸術又はスポーツの振興を図る活動
七 環境の保全を図る活動
八 災害救援活動
九 地域安全活動
十 人権の擁護又は平和の推進を図る活動
十一 国際協力の活動
十二 男女共同参画社会の形成の促進を図る活動
十三 子どもの健全育成を図る活動
十四 情報化社会の発展を図る活動
十五 科学技術の振興を図る活動
十六 経済活動の活性化を図る活動
十七 職業能力の開発又は雇用機会の拡充を支援する活動
十八 消費者の保護を図る活動
十九 前各号に掲げる活動を行う団体の運営又は活動に関する連絡、助言又は援助の活動
二十 前各号に掲げる活動に準ずる活動として都道府県又は指定都市の条例で定める活動
○宗教法人法
(宗教団体の定義)
第2条 この法律において「宗教団体」とは、宗教の教義をひろめ、儀式行事を行い、及び信者を教化育成することを主たる目的とする左に掲げる団体をいう。
一 礼拝の施設を備える神社、寺院、教会、修道院その他これらに類する団体
二 前号に掲げる団体を包括する教派、宗派、教団、教会、修道会、司教区その他これらに類する団体
○政治資金規正法
(定義等)
第3条 この法律において「政治団体」とは、次に掲げる団体をいう。
 (1)政治上の主義若しくは施策を推進し、支持し、又はこれに反対することを本来の目的とする団体
 (2) 特定の公職の候補者を推薦し、支持し、又はこれに反対することを本来の目的とする団体
 (3)前二号に掲げるもののほか、次に掲げる活動を主たる活動として組織的かつ継続的に行う団体
  イ 政治上の主義若しくは施策を推進し、支持し、又はこれに反対すること。
  ロ 特定の公職の候補者を推薦し、支持し、又はこれに反対すること。
○公職選挙法
(公職の定義)
第3条 この法律において「公職」とは、衆議院議員、参議院議員並びに地方公共団体の議会の議員及び長の職をいう。

基本理念

第3条 市、市民等、市民活動を行うもの及び中間支援組織は、市民活動が豊かな地域社会の形成に果たす役割を認識し、まちをつくる一員としてそれぞれのつながりを大切にし、互いの特性を理解、尊重し、市民活動の推進に努めるものとする。
2 市民活動は、自発的な意思に基づいて行われるものとし、その自主性及び自立性が尊重されなければならない。

 (趣旨)

この条文は、本条例において、市、市民等、市民活動を行うもの及び中間支援組織が、市民活動を推進するための基本的な考え方を明らかにしたものです。

解説

これから市民活動を始めるものにも、理解していただけるよう市民活動に対する基本的な考え方を示しています。
1 「互いの特性を理解、尊重」とは、各主体が、相手の組織や行動原理、立場、それに伴う役割などを理解したうえで、尊重し、市民活動の推進に取り組むことを示しています。
2 「市民活動は、自発的な意思に基づいて行われるもの」とは、市民活動は、強制されるものや本条例で束縛されるものではなく、自発的な意思に基づいて行われるもののことをいいます。そのため、市民活動の自主性及び自立性を尊重しなければなりません。

市の責務

第4条 市は、基本理念にのっとり、市民活動の推進に必要な施策を策定し、実施することにより、できる限り市民活動が活発に行われるための環境の整備をしなければならない。
2 市は、市職員に対する市民活動及び協働に関する啓発等を実施して、職員一人一人が、市民活動及び協働の重要性の理解を深めるよう努めるものとする。

 (趣旨)

この条文は、市民活動を推進するうえで、市が果たすべき責務について明らかにしたものです。

解説

1 「市民活動の推進に必要な施策を策定」とは、市の責務として、できる限り市民活動が活発に行われるために市民活動の推進に必要な施策を策定し、環境の整備を行うことをいいます。
また、「できる限り市民活動が活発に行われるための環境の整備をしなければならない。」とは、無制限な支援を行うのではなく、予算、法制度、人的な制約があることから、可能な範囲での支援を行うことをいいます。
2 市職員が、市民活動や協働の重要性について理解することは、本条例の目的にある「魅力と活力にあふれる地域社会の実現」には必要不可欠であることから、市が市職員に対して、市民活動や協働について理解を深めるための研修等を実施し、その重要性について啓発します。

 (運用)

1 市が行う支援の内容は、条例第8条各号に規定している、市民活動の推進を図るために必要な施策のことをいいます。
2 第2項に規定している、「市職員に対する市民活動及び協働に関する啓発等」とは、職員一人一人が市民活動及び協働の重要性を理解するための研修等を実施することをいいます。

市民等の役割

第5条 市民等は、基本理念にのっとり、市民活動に対する理解を深め、自分たちのまちのことに関心を持ち、自らできることを考えるとともに、自発的な意思に基づいて市民活動に参加、協力するよう努めるものとする。

 (趣旨)

この条文は、市民活動を推進するうえで市民等が果たすべき役割について明らかにしたものです。

解説

本条例での市民活動は、第2条で規定されているとおり、強制されるものや束縛されるものではないことが前提です。基本理念を理解し、市民等がまちをつくる一員として、まちのことに関心を持ち、自らできることを考えるとともに、自発的な意思に基づいて、市民活動に参加、協力するよう努めることを示しています。

市民活動を行うものの役割

第6条 市民活動を行うものは、基本理念にのっとり、地域社会の課題を解決するため、知識、経験、地域性及び柔軟性等の特性を生かして行動するとともに、その活動の内容を市民等に広く周知するよう努めるものとする。

 (趣旨)

この条文は、市民活動を推進するうえで必要な市民活動を行うものが果たすべき役割について明らかにしたものです。

解説

1 「知識、経験、地域性及び柔軟性等の特性を生かして行動する」とは、行政や企業の行動原理とは異なる、市民活動を行うものが持つ、知識、経験、地域性及び柔
軟性等の特性を生かして行動することをいいます。これにより市民活動が地域社会の課題を解決する一翼を担うことができます。
2 「活動の内容を市民等に広く周知する」とは、市民活動を市民等に広く周知することで、市民等が市民活動に興味を持ち、活動が広がることや市民活動に参加するきっかけとなることを期待するものです。

中間支援組織の役割

第7条 中間支援組織は、基本理念にのっとり、市、市民等及び市民活動を行うものの間に立ち、市民活動の推進のために、市民活動を行うものの自立や課題解決のための情報及び技術の提供などを行うとともに、ネットワークの構築とその推進を図るよう努めるものとする。

 (趣旨)

この条文は、市民活動を推進するうえで必要な中間支援組織が果たすべき役割について明らかにしたものです。

解説

1 中間支援組織の役割とは、第3条に規定している、基本理念にのっとり、市、市民等及び市民活動を行うものの間に立ち、市民活動を推進していくことをいいます。
2 中間支援組織が、本条で規定する役割を果たし、市民活動や協働が円滑に推進していくためには、市民等や市民活動を行うものに情報提供や各種相談、調整等を行う機能が必要です。
3 「情報及び技術の提供」とは、市民活動団体を支援するための資金や人材、マネジメントなどの情報や市民活動団体間や市民活動団体と行政との協働の合意形成にかかる技術などのことをいいます。

市の施策

第8条 市は、市民活動の推進を図るために次に掲げる施策の実施に努めるものとする。
 ⑴ 活動の場の提供に関すること。
 ⑵ 財政的支援に関すること。
 ⑶ 情報の提供に関すること。
 ⑷ 市民活動の啓発及び学習機会の提供、人的支援に関すること。
 ⑸ 市民活動を行うものがその特性を生かせる分野において、市が行う業務への参加機会の提供に関すること。
 ⑹ 中間支援組織との連携に関すること。
 ⑺ その他市民活動の推進に関し必要な事項

 (趣旨)

この条文は、市が行う施策の基本原則を明らかにしたものです。

解説

市は、市民活動の推進を図るために次に掲げる施策の実施に努めるものです。
1 「活動の場の提供に関すること」とは、市民活動に必要な場の提供を行うことをいいます。
 例としては、会議室や作業スペース、気軽に交流できるフリースペースなど市民活動を行うものが気軽に利用できる他の公共施設等の利用などがあります。
2 「財政的支援に関すること」とは、市民活動を行うものの大きな課題の一つに資金調達があり、充実した市民活動が行えるよう、市民活動支援に充てられる財政的
な支援を行うことをいいます。
 例としては、寄附金を活用した基金を設置する制度の構築などがあります。
3 「情報の提供に関すること」とは、市民活動や協働に必要な情報の提供を行うことをいいます。
 例としては、市の事業についての情報提供、市民活動団体の活動に役立つ情報の収集と提供等を行うことなどがあります。
4 「市民活動の啓発及び学習機会の提供、人的支援に関すること」とは、これまで市民活動に参加したことがない人でも、自分ができることを考えて行動していくた
めの支援や市民活動の支援者を増やすための広報啓発活動等を行うことをいいます。
 例としては、各種講座の開催やアドバイザーの派遣等、市民活動団体の始動期、ランニング期、停滞期などの段階や実施する事業に応じて、専門的な相談に対応
できる制度の構築などがあります。
5 「市民活動を行うものがその特性を生かせる分野において、市が行う業務への参加機会の提供に関すること」とは、市が行うすべての業務を対象とするものではありませんが、例として、市民活動を行うものの知識や経験、地域性などの特性を生かせる分野における業務への参入などをいいます。
6 「中間支援組織との連携に関すること」とは、市民活動を円滑に推進するために必要な中間支援組織との連携を行うことをいいます。
 例としては、中間支援組織を強化することや中間支援組織と他の中間支援機能を果たしている組織とをつなぐことなどがあります。
7 「その他市民活動の推進に関し必要な事項」とは、第8条第1項から第6項に規定している支援のほかに、市民活動の推進に関して、必要な施策をいいます。

 (運用)

具体的な施策については、この条文に基づき、これまでの条例策定の検討過程や先進的な事例等を参考にし、市で効果的な施策を「市民活動推進委員会」で審議し、検討していきます。

協働事業

第9条 市及び市民活動を行うものは、協働して事業を行うに当たり、次に掲げる協働の原則に基づいて事業を行うものとする。
 ⑴ 市及び市民活動を行うものは、対等の立場に立ち、それぞれの特性と役割を理解し、尊重すること。
 ⑵ 市及び市民活動を行うものは、信頼関係を構築するとともに、役割分担を明確にし、それぞれが、当該役割に応じた責任を果たすこと。
 ⑶ 市及び市民活動を行うものは、目的の実現までの過程を共有すること。
 ⑷ 市及び市民活動を行うものは、検証及び見直しを行うことにより、協働事業を充実させること。

 (趣旨)

この条文は、市及び市民活動を行うものが、協働して事業を行う際の原則について明らかにしたものです。

解説

1 「対等の立場に立ち、それぞれの特性と役割を理解し、尊重すること」とは、市と市民活動を行うものが協働して事業を行う際には、双方が対等の関係であることを常に認識することが重要であり、それぞれが相手の組織や行動原理など、特性や立場、それに伴う役割を理解したうえで、事業に取り組むことを示しています。
2 「信頼関係を構築するとともに、役割分担を明確にし、それぞれが、当該役割に応じた責任を果たすこと」とは、両者が相互に事業の内容を理解したうえで、信頼
し合い、協働する事業における役割と責任の分担を明確にし、それぞれが役割に応じた責任を果たすことが重要であることを示しています。
3 「目的の実現までの過程を共有すること」とは、市及び市民活動を行うものが協働する際には、事業の目的を共有し、合意形成を進めながら実施していくことが重要であり、そのために相互の情報交換を密に行い、役割・責任分担を確認しながら進めていくことを示しています。
4 「検証及び見直しを行う」とは、協働の成果を高めていくために、市及び市民活動を行うものとで、協働して行った事業について、目的の達成度や役割分担、情報の共有度などの結果について検証し、見直しを行うことを示しています。

市民活動推進委員会

第10条 市長の附属機関として、鎌倉市市民活動推進委員会(以下「委員会」という。)を置く。
2 委員会は、次に掲げる事項を調査審議するものとする。
 ⑴ この条例並びに市民活動及び協働の推進についての指針(以下「指針」という。)に関する事項
 ⑵ この条例及び指針に基づく活動に関する事項
3 委員会は、市民活動の推進に関する事項について、必要があると認めるときは、市長に意見を述べることができる。
4 委員会は、委員10人以内をもって組織する。
5 委員は、次に掲げる者のうちから市長が委嘱する。
 ⑴ 学識経験を有する者
 ⑵ 知識経験を有する者
 ⑶ 公共的団体が推薦する者
 ⑷ 市民
6 委員の任期は、2年とする。ただし、委員が欠けた場合の補欠委員の任期は、前任者の残任期間とする。
7 委員は、再任されることができる。
8 第5項の規定による身分又は資格に基づいて委員に委嘱された者がその身分又は資格を失ったときは、委員を辞したものとみなす。
9 委員会に、特別の事項を調査審議させるため必要があるときは、臨時委員を置くことができる。
10 臨時委員は、市長が委嘱する。
11 臨時委員は、当該特別の事項に関する調査審議が終了したときに解任されるものとする。
12 前各項に定めるもののほか、委員会の組織及び運営について必要な事項は、別に規則で定める。

 (趣旨)

この条文は、市長の附属機関である「市民活動推進委員会」について明らかにしたものです。

解説

1 委員会の位置づけ
市民活動推進委員会(以下「委員会」という。)は、地方自治法第138 条の4 第3 項の規定に基づく附属機関です。 
2 審議事項
委員会の審議事項は、「この条例並びに市民活動及び協働の推進についての指針(以下「指針」という。)に関する事項」として、社会のニーズや新たな課題に対した指針の策定や、条例及び指針の内容の見直しです。また、「この条例及び指針に基づく活動に関する事項」として、既存の市民活動や協働に関する施策(市民活動支援センター、相互提案協働事業、市民活動補償制度等)の充実・見直し等に関することや、新たな施策に関すること、市民活動全般の活性化(市民活動への参加者を増やす、多様な連携づくり等)などについても調査審議します。
3 委員の構成
委員の人数は、「鎌倉市審議会等に関する指針」に則り10 人以内とします。委員は、学術的に研究を行う学識経験者や市民活動や協働に関する知識や自身の活動などの経験が豊富な知識経験者、社会福祉協議会などの公共的団体が推薦する者、公募による市民などで構成します。
4 その他
委員会で調査審議する内容に応じて、例えば特定非営利活動法人(NPO 法人)の会計・経理に詳しい専門職を交えて支援の検討を行う場合などに、臨時委員を置くことができるよう規定しています。

 (運用)

本条で規定する「市民活動推進委員会」(以下「委員会」という。)は、第2項で規定している事項について調査審議を行うことから、本条例における「市民活動」に該当するかどうかの判断について、委員会に諮ることはありません。

委任

第11条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が別に定める。

 (趣旨)

この条文は、委任事項について市長が別に定めることを明らかにしたものです。

解説

この条例に定めること以外で条例の施行について必要な事項は、市長が別に定めることを規定しています。
本条で委任する事項は、具体的な施策ではなく、第10 条で規定した市民活動推進委員会の運営に係る事務手続きなどです。

付則

この条例は、公布の日から施行する。


 

 

 

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お問い合わせ

所属課室:市民防災部地域のつながり課地域のつながり担当

鎌倉市御成町18-10 第3分庁舎1階

電話番号:0467-23-3000

メール:npo@city.kamakura.kanagawa.jp

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