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更新日:2024年11月11日
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アスベストは、天然に産する鉱物繊維のことで、蛇紋岩系のクリソタイルと角閃石系のアモサイトなどがあります。耐熱性、耐薬品性、絶縁性等の諸特性に優れているため、建設資材、電気製品、自動車、家庭用品等3,000を超える利用形態があるといわれています。
しかしながら、欧米でアスベストの健康に対する危険性が指摘されて以来、我が国では、まず、労働環境の問題として取り上げられ、そして昭和の終わりから平成にかけて、一般環境汚染による一般住民の健康問題として顕在化しました。
その後、平成7年にクロシドライト(青石綿)、アモサイト(茶石綿)について労働安全衛生法に基づき製造・輸入・譲渡・使用が禁止されました。現在も使用されているのはクリソタイル(白石綿)ですが、平成16年10月1日からは一部の例外を除いて製造、使用等が禁止されています。
アスベストは、鉱物学上、工業上及び環境大気中という観点から、それぞれ以下に示すように定義されています。
天然に産する鉱物群のうちで、高い抗張力と柔軟性をもつ絹糸状で光沢があり、繊維状の集合(asbestiform)をなすものの俗称である。
一般的には、繊維状の集合(asbestiform)をした鉱物を採掘、加工して得た工業原料をいう。
微少な繊維又は繊維束の状態で浮遊するクリソタイル、アンソフィライト、アモサイト、トレモライト、アクチノライト及びクロシドライトをいう。
アスベストは、強度を備えた微細な繊維構造を持つため、重さに比べて非常に大きな表面積をもつという特性を活かし、石綿スレート、石綿けい酸カルシウム板、ビニールタイル等の建築資材の繊維素材として使用されてきました。
石綿はその9割以上が建材製品に使用されており、押出成型セメント板、住宅屋根用化粧スレート、繊維強化セメント板、窯業用サイディング、石綿セメント円筒に加工され、建築物の壁材、屋根材、外装材、内装材等に使用されています。
建築材以外では、ジョイントシートやシール材に加工され、化学プラント等の配管や機器のガスケット、漏洩防止用のグランドパッキンに広範に使用されているほか、耐熱・電気絶縁板やエスカレーターのブレーキ等の産業用磨耗材等に使用されています。
また、自動車のブレーキ・ライニングやクラッチ・フェーシング等の摩擦材及び潤滑材の繊維素材、並びに接着材、ペイント等の補填材に使われています。
さらに、アスベストは、断熱、絶縁性に優れ、酸、アルカリにも強いため、電線の被覆材、機械、器具の断熱材、ガスケット、シーリング材、フィルター類や電解装置の中の隔膜などに利用されてきた。アスベストの利用形態は、これらを含め、3000種以上あるといわれていますが、平成8年度の我が国におけるア スベストの用途別使用量は、輸入されたアスベストの約93%が建築資材の原料として、残りがその他の一般材料として使用されています。
石綿(アスベスト)の繊維は、肺繊維症(じん肺)、悪性中皮腫の原因になるといわれ、肺がんを起こす可能性があることが知られています(WHO報告)。石綿による健康被害は、石綿を扱ってから長い年月を経て出てきます。例えば、中皮腫は平均20年から50年という長い潜伏期間の後発病することが多いとされています。仕事を通して石綿を扱っている方、あるいは扱っていた方は、その作業方法にもよりますが、石綿を扱う機会が多いことになりますので、定期的に健康診断を受けることをお勧めします。現に仕事で扱っている方(労働者)の健康診断は、事業主にその実施義務があります。(労働安全衛生法)石綿を吸うことにより発生するといわれている疾病としては次のものがあります。労働基準監督署の認定を受け、業務上の疾病とされると、労災保険で治療できます。
肺が繊維化してしまう肺繊維症(じん肺)という病気の一つです。肺の繊維化を起こすものとしては石綿のほか、粉じん、薬品等多くの原因があげられますが、石綿の曝露によっておきた肺繊維症を特に石綿肺とよんで区別しています。職業上アスベスト粉塵を10年以上吸入した労働者に起こるといわれており、潜伏期間は15~20年といわれております。アスベスト曝露をやめたあとでも進行することもあります。
石綿が肺がんを起こすメカニズムはまだ十分に解明されていませんが、肺細胞に取り込まれた石綿繊維の主に物理的刺激により肺がんが発生するとされています。また、喫煙と深い関係にあることも知られています。アスベスト曝露から肺がん発症までに15~40年の潜伏期間があり、曝露量が多いほど肺がんの発生が多いことが知られています。
肺を取り囲む胸膜、肝臓や胃などの臓器を囲む腹膜、心臓及び大血管の起始部を覆う心膜等にできる悪性の腫瘍です。(進行が早く、予後が悪い疾患です。)若い時期にアスベストを吸い込んだ方のほうが悪性中皮腫になりやすいことが知られています。潜伏期間は20~50年といわれています。
胸膜腔内に滲出液が生じるので、半数近くは自覚症状が無く、症状がある場合は咳、呼吸困難の頻度が高いといわれています。
呼吸によって肺がふくらむときに便利なように臓側胸膜と壁側胸膜は本来癒着していませんが、良性石綿胸膜炎が発症するとそれに引き続き胸膜が癒着して広範囲に硬くなり、肺のふくらみを傷害し呼吸困難をきたします。
アスベストを吸い込んだ量と中皮腫や肺がんなどの発病との間には相関関係が認められていますが、短期間の低濃度曝露における発がんの危険性については不明な点が多いとされています。現時点では、どれくらい以上のアスベストを吸えば、中皮腫になるかということは明らかではありません。
アスベストを吸い込んだ可能性のある方で呼吸困難、咳、胸痛などの症状がある方、その他特にご心配な方は近隣の労災病院等の専門医療機関に相談されることをお勧めします。
アスベストに係る呼吸器疾患等の検診・診察する医療機関については、アスベストQ&A集をご覧ください。( 外部サイトへリンク )
胸部X線写真でアスベストを吸い込んでいた可能性を示唆する所見が見られる場合もありますが、アスベストを吸い込んだ方全てに胸部X線写真の所見があるとは限りません。ご心配な方は近隣の労災病院等の専門医療機関に相談されることをお勧めします。
一旦吸い込んだアスベストの一部は異物として痰のなかに混ざり、体外に排出されますが、大量のアスベストを吸い込んだ場合や大きなアスベストは除去されずに肺内に蓄積されます。
一概にどのような場合に石綿による被害が要されるのかは判断することはできません。
ただし、日常生活では次のような症状があるときは、石綿による被害が考えれれます。
次のような症状がある場合には、早めに医療機関で受信するようにしてください。
昭和55年以前の吹き付けには石綿が含まれている可能性があります。
出典:解体工事施工技術講習テキスト(平成15年版)
社団法人全国解体工事業団体連合会編P190
吹付けアスベストや保温材等以外のアスベスト含有建材は「アスベスト成形板」と呼ばれており、天井、壁、床のほか、屋根や側壁など建物内外の多くの場所で使用されてきました。
アスベスト成形板は、通常の使用状態においてはアスベストの飛散は極めて少ないものですが、建物の増改築やリフォーム工事、解体工事等を行う場合にはアスベスト成形板からアスベストが飛散するおそれがありますので、事前に建設業者や解体業者等にご相談いただき、設計図書や現場調査によりアスベスト成形板の有無を調査のうえ、工事箇所にアスベスト成形板があった場合には適切な除去作業・処分を行ってください。
なお、一定規模以上の建築物の解体工事を行う場合には、別途建設リサイクル法に基づく届出が義務付けられています。
(アスベスト成形板の解体・処分のポイント)
高圧洗浄機を使用するとアスベストを飛散・流出させるおそれがあるため、噴霧機による湿潤化を行ってください。
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(社)日本石綿協会ホームページhttp://www.jati.or.jp/( 外部サイトへリンク )
都市景観部建築指導課(電話 0467-61-3586)
http//www.city.kamakura.kanagawa.jp/ kenchikushidou/newpage6.html
県鎌倉保健福祉事務所(電話 24-3900)
藤沢労働基準監督署(電話 0466-23-6753,FAX 0466-23-4288)
ごみ減量対策課(電話 23-3000 内線 2345,2630 )
神奈川県におけるアスベスト(石綿)対策についてのホームページ
https://www.pref.kanagawa.jp/docs/pf7/asubesuto1.html( 外部サイトへリンク )
アスベスト相談窓口(県機関分)
https://www.pref.kanagawa.jp/docs/pf7/asubesuto/soudan.html
石綿による疾病の認定基準について(厚生労働省ホームページ)
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/roudou/gyousei/rousai/061013-4.html( 外部サイトへリンク )
分析機関のリストについて(社)日本作業環境測定協会のホームページ
http://www.jawe.or.jp( 外部サイトへリンク )
環境省、東京都、神奈川労働局HPより
所属課室:環境部環境保全課環境保全担当
鎌倉市御成町18-10 本庁舎1階
電話番号:0467-61-3420