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ページ番号:36101
更新日:2023年12月25日
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文化財課 電話:61-3857
武士をはじめ商人や職人など多くの人々が生活していた約800年前の鎌倉が、今も地中を含めて至るところに残っています。まちの成り立ちや当時の暮らしぶりを実感していただけるよう、文化財の保存・修理や、出土品などの発掘調査結果の公開など、保存と活用に向けた取り組みを日々進めています。
(くわしくは広報かまくらPDF版(PDF:5,245KB)をご覧いただくかお問い合わせください)
修復中の文化財を見ると
当時の人々がどんな生活をして、どんな技術を持ち、どんな思いを込めていたのか、分かります
修理前の本堂。銅板葺(ぶき)が特徴的な屋根。現存する鎌倉近世仏堂のうち最大のお堂です。建立(こんりゅう)から320年余りの間に幾度もの修理を行い、貴重な本堂が守られてきました。なお創建当初の屋根は、木の板を何枚も重ねて施工する日本古来の手法・柿葺(こけらぶき)だったと考えられています。
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昭和46年以来の修理。今回は破損・腐朽した部分の補修や取り替えなどを行って再び組み上げ、併せて大地震へも備えます。
漆器皿の出土。水分を多く含む土の中に埋まっていたため、鎌倉時代そのままの鮮やかな色彩を保っています。
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修理した皿。当時の非常に高い漆器製作技術がうかがえます。
関東大震災(大正12年)でできたお顔の中央の亀裂が、震災直後の修復から年月を経て露(あら)わになっていました。
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令和3年度に奈良県内で修理を行い、一層美しいお姿になりました。
永福寺(ようふくじ)は、源頼朝が、源義経や藤原泰衡(やすひら)など奥州(おうしゅう)合戦で亡くなった武将たちの鎮魂のために建立しました。鎌倉幕府から手厚い保護を受けましたが、室町時代中ごろに焼失した以後は再建されませんでした。
昭和58年の現場。一部で発掘調査を始めています。以前は田畑が広がっていました。
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昭和56年~平成19年度の長きにわたり発掘調査が実施され、それまで幻であった永福寺の姿が明らかになりました。
修復された文化財を通して
いまの私たちが、どんな歴史や文化の積み重ねの上で生活しているのか、見えてきます
毎年、その前年度に市内で行われた発掘調査で出土した資料や調査中の写真を展示し、学芸員の解説も行っています(鎌倉歴史文化交流館)。
NPO法人鎌倉考古学研究所と、教育委員会の共催で年1回行います。昨年(第31回)は8月19日に、若宮大路周辺や大倉幕府周辺遺跡群、小町大路東遺跡の調査発表と、中世鎌倉の漆芸技術についての講演を行いました。
本市の遺跡調査結果の一部は毎年『鎌倉の埋蔵文化財』にまとめています。文化財課(第4分庁舎)などで配布しているほか、図書館や市のホームページでも見ることができます。また、奈良文化財研究所のホームページ「全国遺跡報告総覧」でもご覧になれます。
彫刻・絵画・工芸・書跡・古文書などの文化財で代表的な名品を保護・展示している博物館です。由緒ある文化財を災害から保護し、また人々が見学できるように昭和3年に開館しました。随時、企画展・イベントなどを開催(9面参照)。
鎌倉の出土品をメインに、原始・古代から近現代に至る鎌倉の歴史を紹介しています。ジオラマや、3D(スリーディー)CGなどの最新技術を活用した映像展示も楽しめます。随時、講座やワークショップなどを開催(9面参照)。
大町釈迦(しゃか)堂口遺跡は、崩落対策工事などが完了したため、現在史跡内の危険木伐採などの環境整備を行っており、令和6年度以降の公開を目指しています。
文化財課の職員が市内の小・中学校に出向き、市内の遺跡から実際に発掘された出土品で「見る・触れる・感じる」をテーマに授業を行います。出土品に触れて、実際にそれを使っていた鎌倉時代の人々に思いを巡らせます。
永福寺跡や法華(ほっけ)堂跡(北条義時墓)では、発掘調査で明らかになった規模や構造を踏まえ、CG(コンピューターグラフィック)技術により当時の建物などを想定復元しました。鎌倉歴史文化交流館のほか、現地でも見ることができ、建物の高さや奥行きが体感できます。
鎌倉市内の約6割が遺跡(周知の埋蔵文化財包蔵地)となっています。その範囲で土木工事などを実施する場合には、届け出が必要です。
遺跡を壊してしまう工事では、事前に発掘調査が必要な場合があります。工事を計画する際には、文化財課(電話:61-3857)へご相談ください。
予防課 電話:44-0963
昭和24年1月26日に法隆寺金堂(こんどう)の壁画が焼失したことをきっかけに、この日が「文化財防火デー」に定められました。日頃から社寺周辺での喫煙やたき火はご遠慮を。
1月23日~29日…文化財保有社寺に、火災予防の立ち入り検査などを実施
1月26日(金曜日)10時00分~11時00分
長勝寺
(注)小雨決行、荒天中止
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