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更新日:2021年1月18日

ふるさと納税に係る寄附金税額控除の計算方法

給与収入700万円で妻と子ども(高校生)を扶養している人が、地方自治体に対する寄附(ふるさと納税)を100,000円した場合を例として、住民税の寄附金税額控除の計算をします。

給与収入…7,000,000円(給与所得5,200,000円)
社会保険料控除…900,000円
生命保険料控除…35,000円
配偶者控除…330,000円
扶養控除…330,000円(その他扶養)
基礎控除…430,000円

 

計算の流れ

ふるさと納税について確定申告をした場合の寄附金税額控除額は、「①基本控除額」、「②特例控除額」の合計額となります。ふるさと納税ワンストップ特例制度の適用を受ける場合は、さらに「③申告特例控除額」を加算した額が控除額となります。ここでは、事例をもとにそれぞれの控除額を計算し、寄附金税額控除額を求めます。

① 基本控除額

基本控除額は次の式で求めます。
 市民税分…(寄附金の合計額-2,000円)×6%
 県民税分…(寄附金の合計額-2,000円)×4%

ただし、寄附金の合計額が「総所得金額等の30%」を超える場合は、「総所得金額等の30%」が控除対象となる寄附金の限度額となります。ふるさと納税以外に寄附金税額控除の対象となる寄附金がある場合の寄附金の合計額はすべての寄附金の合計額をいいます。

事例では...

まず、寄附金税額控除の対象となる「総所得金額等の30%」を確認します。
給与収入7,000,000円の人の給与所得は5,200,000円となり、その他に所得はないので総所得金額等も5,200,000円となります。この30%は1,560,000円です。

5,200,000円
(総所得金額等)
× 30% 1,560,000円

 
ふるさと納税の額は100,000円で「総所得金額等の30%」を下回るため、100,000円を寄附金の合計額として計算します。

<基本控除額>
 市民税分…(100,000円-2,000円)×6%=5,880円
 県民税分…(100,000円-2,000円)×4%=3,920円
 市民税・県民税合計:9,800円

② 特例控除額(ふるさと納税のみに適用)

特例控除額は次の式で求めます。ただし、市民税・県民税それぞれについて「調整控除後所得割の20%」が上限額となります。
 市民税分…(「ふるさと納税」の合計額-2,000円)×特例控除率×5分の3
 県民税分…(「ふるさと納税」の合計額-2,000円)×特例控除率×5分の2

※特例控除率の対応表

課税総所得金額 - 人的控除の差額の合計 特例控除率
         ~ 1,950,000円 84.895 %
1,950,001円 ~ 3,300,000円 79.79 %
3,300,001円 ~ 6,950,000円 69.58 %
6,950,001円 ~ 9,000,000円 66.517 %
9,000,001円 ~ 18,000,000円 56.307 %
18,000,001円 ~ 40,000,000円 49.16 %
40,000,001円 ~  44.055 %
0円未満(課税山林所得金額及び課税退職所得金額を有しない場合) 90 %
0円未満(課税山林所得金額及び課税退職所得金額を有する場合) 地方税法に
定める割合


はじめに、計算に用いる「特例控除率」を求めます。
特例控除率は「課税総所得金額」から「人的控除の差額の合計」を引いた額を上の対応表に当てはめて求めます。

まず、「総所得金額」から「所得控除の合計」を引いて、「課税総所得金額」を求めます。

<総所得金額>
総所得金額は給与所得の5,200,000円となります。

<所得控除の合計>
社会保険料控除、生命保険料控除、配偶者控除、扶養控除、基礎控除を足し合わせた2,025,000円です。

900,000円
(社会保険料控除)

35,000円
(生命保険料控除)

330,000円
(配偶者控除)

330,000円
(扶養控除)

430,000円
(基礎控除)

=

2,025,000円
(所得控除合計)


<課税総所得金額>
総所得金額(5,100,000円)から所得控除の合計(2,025,000円)を引いた3,175,000円が課税総所得金額となります。

5,200,000円
(総所得金額)
- 2,025,000円
(所得控除合計)
3,175,000円
(課税総所得金額)


次に、(所得税と住民税の)「人的控除の差額の合計」を求めます。
※人的控除とは、例えば妻や子を扶養している場合には、配偶者控除、扶養控除を受けることができますが、このように人に着目した控除のことを人的控除といいます。所得税と住民税では控除額が異なり、それぞれの控除額の差額のことを人的控除の差額といいます。

事例では、人的控除(配偶者控除、その他扶養親族1名及び基礎控除)の差額の合計は150,000円です。

  所得税 住民税 差額
配偶者控除 380,000円 330,000円 50,000円
扶養控除(その他扶養親族) 380,000円 330,000円 50,000円
基礎控除 480,000円 430,000円 50,000円
差額の合計     150,000円


「課税総所得金額(3,175,000円)」から「人的控除の差額の合計(150,000円)」を引いた額は3,025,000円です。
3,025,000円を特例控除率の対応表に当てはめると、特例控除率は79.79%となります。

求めた特例控除率を用いて計算すると...
 市民税分…(100,000円-2,000円)×79.79%×5分の3=46,916.52
 県民税分…(100,000円-2,000円)×79.79%×5分の2=31,277.68

この額が特例控除額の上限である「調整控除後所得割の20%」を超過していないか検討します。

まず、課税総所得金額に所得割の税率をかけて、調整控除前の所得割を求めます。
 市民税…3,175,000円×6%=190,500円
 県民税…3,175,000円×4.025%=127,793.75

次に、調整控除の額を求めます。
合計課税所得金額が200万円を超える場合、調整控除は次の式で求めます。

{人的控除の差額の合計-(課税総所得金額-2,000,000円)}×5%(市3%・県2%)
 ※下線部分の計算が50,000円を下回る場合は50,000円として計算

これに当てはめると、{150,000円-(3,175,000円-2,000,000円)}は50,000円を下回るので、調整控除の額は50,000円×5%の2,500円(市民税1,500円・県民税1,000円)となります。

「調整控除前の所得割」から「調整控除」を引いた額が「調整控除後所得割」となり、この20%が上限です。
 市民税…190,500円-1,500円=189,000円  189,000円×20%=37,800円
 県民税…127,793.75円-1,000円=126,793.75円  126,793.75円×20%=25,358.75

事例は上限を超過しているため、上限の額が特例控除額となり、市民税の特例控除額は37,800円、県民税の特例控除額は25,359円(端数切上げ)となります。

以上で、「①基本控除額」と「②特例控除額」の計算は終わりです。ワンストップ特例制度が適用されない場合の寄附金税額控除額は次の額となります。

①基本控除額 ②特例控除額 寄附金税額控除額
合 計
5,880円 3,920円 37,800円 25,359円 72,959円

③ 申告特例控除額(ふるさと納税ワンストップ特例制度のみに適用)

ふるさと納税ワンストップ特例制度が適用される場合は、これまでに計算した「①基本控除額」「②特例控除額」に「③申告特例控除額」が加算されます。

申告特例控除額は、②で計算した特例控除額(端数処理前)に次の表の申告特例控除の割合をかけて計算します。
 市民税分…市民税の特例控除額×申告特例控除の割合
 県民税分…県民税の特例控除額×申告特例控除の割合

課税総所得金額 - 人的控除の差額の合計 申告特例控除の割合
~ 1,950,000円 84.895分の5.105
1,950,001円 ~ 3,300,000円 79.79分の10.21
3,300,001円 ~ 6,950,000円 69.58分の20.42
6,950,001円 ~ 9,000,000円 66.517分の23.483
9,000,001円 ~ 56.307分の33.693

まず、計算に用いる申告特例控除の割合を求めます。
②特例控除額の計算過程で求めたとおり、課税総所得金額(3,175,000円)から人的控除の差額の合計(150,000円)を差し引いた3,025,000円です。これを上の表に当てはめると、申告特例控除の割合は79.79分の10.21となります。

求めた割合を用いて申告特例控除額を計算します。
 市民税分…37,800円×79.79分の10.21=4,836.92
 県民税分…25,358.75円×79.79分の10.21=3,244.92

1円未満の端数は切り上げるので、申告特例控除額は市民税分4,837円県民税分3,245円、合わせて8,082円となります。

以上で「①基本控除額」、「②特例控除額」、「③申告特例控除額」の計算が終わりです。ワンストップ特例制度の適用を受ける場合の寄附金税額控除額は次の額となります。

①基本控除額

②特例控除額

③申告特例控除額

寄附金税額控除額

合 計

5,880円

3,920円

37,800円

25,359円

4,837円

3,245円

81,041円

申告の際はご注意ください

住民税で寄附金税額控除を受けるためには、申告の際、所定の欄に寄附金額をご記入いただく必要があります。ふるさと納税をする人は、申告方法などをこちらの「ふるさと納税の寄附金控除について」のページに記載しておりますのでご覧ください。

 

お問い合わせ

所属課室:総務部市民税課 

鎌倉市御成町18-10 本庁舎1階

電話番号:0467-61-3921

メール:kamatax@city.kamakura.kanagawa.jp

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