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更新日:2022年11月14日
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平成13年9月に「鎌倉地域交通計画研究会(以下、「旧研究会」という。)」から出された「鎌倉地域の地区交通計画に関する提言・その2(以下、「提言2」という。)」においては、七里ガ浜パーク&レールライド、鎌倉フリー環境手形、海浜公園パーク&ライド(由比ガ浜パーク&ライド)等を実施に移すべき施策として位置付け、平成13年以降、5つの施策が本格的に実施されているところです。しかし、これらの施策だけで鎌倉地域の交通環境が改善するまでには至らず、更なる施策の導入を検討しなければなりません。
こうした中、交通需要管理の観点から、近年その有効性が確認されつつある交通情報の提供について、取り組みを進めていくことが考えられ、旧研究会の提言2を引き継いだ「鎌倉市交通政策研究会(以下、「新研究会」という。)」が検討を進めた結果、具体的な評価を行うための社会実験を実施する必要があるとの結論に至りました。
そこで市は、研究会と協働し、鎌倉地域の観光客が最も多い11月に、「鎌倉地域情報提供調査(社会実験)」を実施することとしました。
鎌倉地域情報提供調査(社会実験)に関する主な内容 |
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調査(実験)名 |
平成15年度鎌倉地域情報提供調査 |
実施日 |
平成15年11月22日(土曜日)、23日(日曜日) |
調査(実験)目的 及び |
首都高速湾岸線の大黒パーキングエリア(以下、「大黒PA」という。)及び 第三京浜の保土ヶ谷パーキングエリア(以下、「保土ヶ谷PA」という。)に 特設ブースを設置し、鎌倉地域の総合的な情報をリアルタイム画像に よって提供することで、ドライバーの行動変化の可能性や観光交通を管理 する可能性を検証します。以下に具体の内容を示します。 1.鎌倉地域内の情報を画像にて提供 2.携帯電話からのアクセスにも対応する画像の提供 閲覧可能にし、PA出発以降も鎌倉地域の状況を確認できるものとします。 その際、パーキングエリアにて事前にアンケート調査票を配布、郵送回収 することで、利用者の行動変化を把握します。 3.情報提供ボランティアからの情報提供 4.その他 |
調査主体等 |
主催:鎌倉市・鎌倉市交通政策研究会 協力:国土交通省関東地方整備局横浜国道事務所 |
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若宮大路と鶴岡八幡宮周辺 |
若宮大路と鎌倉駅方面 |
二階堂から朝比奈方面 |
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北鎌倉から鶴岡八幡宮周辺 |
由比ガ浜海岸周辺 |
由比ガ浜から鶴岡八幡宮方面 |
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社会実験当日は、これら7地点の画像を5秒おきに更新し、大黒PA、保土ヶ谷PAの特設ブースにインターネットを利用して配信しました。 | |
長谷観音周辺 |
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特設ブース全景(大黒PA) |
PCを使った画像提供(大黒PA) |
観光案内ボランティア(大黒PA) |
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特設ブース全景(保土ヶ谷PA) |
案内ちらし配布(保土ヶ谷PA) |
取り組みのPR(保土ヶ谷PA) |
種別 |
大黒PA |
保土ヶ谷PA |
合計 |
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聞き取り調査 |
130人 |
148人 |
278人 |
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手渡し郵送 |
配布枚数 |
584枚 |
600枚 |
1,193枚 |
回収枚数 |
51枚 |
30枚 |
81枚 |
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回収率 |
9% |
5% |
8% |
◆画像情報は、午前8時より提供したが、時間の経緯とともに行動変化の意向が徐々に高まり、最も大きくなったのは午前11時台である。
◆12時以降は、行動変化の意欲が徐々に低くなっている。
◆11時頃に鎌倉地域での道路混雑が深刻化、パーク&ライド駐車場もほぼ満車になっていること、観光客にとって11時台までが他の観光地に切り替える時間帯であることが要因と考えられる。
◆しかし、鎌倉を目的地としている場合、11時台でも76%が「予定通り立ち寄る」と回答している。
◆提供した画像は、5秒ごとに更新したが、情報として「充分役立つ」が約3割、「役立つ」が5割強となっており、「あまり役立たない」と「全く役立たない」は約1割程度であった。
◆現時点から遡った画像を見たいと思うという意見が5割強を占め、時間的な経緯に対する要望が高くなっている。
◆仮に、昨年の同時期の映像を時間帯別に提供した場合、今からの観光行動を考える上で有効という意見が約4割となっている。
◆自宅のパソコンや携帯電話で画像を見られるとした場合、鎌倉を目的地とする場合には約4割、鎌倉を通過するだけの場合でも約2割が、自動車を止め電車での移動に変更する可能性があるとなっている。
◆パーキングエリアから実際に鎌倉地域へ移動した観光客からは、ライブ映像は「非常に有効である」が1割強、「情報に時間差はあるが参考になると思う」が約4割となっており、「情報に時間差があるため必ずしも参考にならない」の0.4割と比較して、ほぼ有効性が認められていると考えられる。
◆画像情報と同じに提供すると役立つ情報としては、「鎌倉地域までの現在地からの所要時間」が約7割、次いで「三浦・湘南地域や伊豆・箱根地域の道路混雑状況」が約4割、「三浦・湘南地域や伊豆・箱根地域の道路混雑情報」が約3割で、所要時間の情報が求められている。
◆パーク&ライド駐車場は、11月22日、23日ともに、午前11時頃には、満車に近づいていた。
◆9時台まではパーク&ライド駐車場が空いているという情報を得て、当初予定していなかった観光客も利用する傾向にある。
◆10時台になると、駐車場が混んでいるという情報を得て、利用を予定していた観光客のうち利用しなくなる観光客が増える傾向にある。
◆11時台以降は、混んでいるという情報を得て、パーク&ライド駐車場を利用する観光客はない。
step1 10時~11時に急激な渋滞が発生する状況に対して |
step2 11時~15時の慢性的な渋滞が発生している状況に対して |
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PAでの画像情報提供時 |
目的交通 |
◆当日のリアルタイム画像情報だけでは、渋滞発生の大きな抑止効果を期待できない。 ◆但し、昨年の同時期・同時間帯での混雑画像を提供した場合、かなりの抑止効果を持ち、自宅のパソコンや携帯電話で情報をできれば、出発地から電車への転換を促進できる可能性がある。(昨年が混雑していなければ、逆に混雑を招くことも考えられる) |
◆当日のリアルタイム画像情報だけでは、11時を過ぎると鎌倉地域を目指す目的交通は、そのまま鎌倉地域へ行く傾向にある。 ◆このため、step1と同様に、過年度の画像情報を提供することが考えられる。 |
通過交通 |
◆通過しない可能性を高めることができ、周辺の高速道路を利用する可能性がある。 | (同左) | |
情報の受取後 |
目的交通 |
◆到着までに時間差があるものの、情報としては有効である。 | (同左) |
→詳細データを見る(PDF:23KB) |
平成8年度に比べ、渋滞はやや緩和しているが、以前として主要バス路線では、時速5km/h以下で、横浜鎌倉線や金沢鎌倉線では、徒歩(時速約4km/h)よりも遅くなっている。
→詳細データを見る (PDF:326KB)